甲状腺がん、術後放射性ヨウ素内用療法vs.経過観察/NEJM
甲状腺全摘術後の低リスク甲状腺がん患者において、放射性ヨウ素内用療法を行わないフォローアップ戦略は、3年時の機能的、構造的および生物学的異常の発生に関して、放射性ヨウ素内用療法によるアブレーション戦略に対し非劣性であることが、フランス・パリサクレー大学のSophie Leboulleux氏らが実施した前向き無作為化第III相試験「Essai Stimulation Ablation 2 trial:ESTIMABL2試験」の結果、示された。甲状腺切除術を受けた低リスク分化型甲状腺がん患者において、術後の放射性ヨウ素(ヨウ素131)の投与は有益性が実証されておらず議論の的であった。NEJM誌2022年3月10日号掲載の報告。
研究グループは2013年5月~2017年3月にフランスの35施設において、甲状腺全摘術を受けた低リスク分化型甲状腺がん患者776例を、術後放射性ヨウ素内用療法群(遺伝子組み換えヒト型甲状腺刺激ホルモン[ヒトチロトロピン アルファとして0.9mg]を24時間間隔で2回筋肉内投与し、最終投与24時間後に1.1GBq[30mCi]の放射性ヨウ素を投与)、または経過観察群(放射性ヨウ素内用療法を行わない)に、施設およびリンパ節転移の有無(N0またはNx)で層別化して無作為に割り付けた。