虚血コンディショニングの臨床的アウトカムへの影響は?/BMJ
侵襲的手術に伴い施行する虚血コンディショニングは、総じて死亡リスクには影響しないことが、オーストラリア・シドニー大学のLouisa Sukkar氏らが、無作為化試験の被験者データを臨床設定を問わずに包含して評価したシステマティックレビューとメタ解析の結果、示された。また、脳卒中と急性腎障害(AKI)への影響については、発生を低下する可能性が示唆されたが、エビデンスの質が低かった。虚血コンディショニングの役割については多くの臨床試験で検討されているが、アウトカムに及ぼす影響については不明であった。今回の結果を踏まえて著者は、「虚血コンディショニングの採用は、質が高く統計的検出力が良好なエビデンスの下で有益性があることが示されない限り、ルーティンに用いることは推奨できない」と述べている。BMJ誌2016年11月7日号掲載の報告。