アトピーのそう痒、nemolizumab+外用薬で改善/NEJM

アトピー性皮膚炎の治療において、nemolizumabと外用薬の併用は、プラセボと外用薬の併用に比べそう痒が大幅に減少し、湿疹面積・重症度指数(EASI)スコアや皮膚科学的生活の質指数(DLQI)も良好であるが、注射部位反応の発現率はnemolizumabで高いことが、京都大学の椛島 健治氏らが実施した「Nemolizumab-JP01試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年7月9日号に掲載された。nemolizumabは、アトピー性皮膚炎のそう痒と炎症に関与するインターロイキン(IL)-31受容体Aのヒト化モノクローナル抗体であり、投与は皮下注射で行われる。本薬は、第II相試験でアトピー性皮膚炎の重症度を軽減すると報告されている。 本研究は、アトピー性皮膚炎と中等度~重度のそう痒がみられ、外用薬に対する反応が不十分な日本人患者を対象とする16週間の二重盲検無作為化第III相試験で、2017年10月に開始され、2019年2月にデータ解析が行われた(マルホの助成による)。