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2024/07/10
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ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:110

新規抗体薬物複合体、難治性の転移TNBCに有効/NEJM

 開発中のsacituzumab govitecan-hziyは、2レジメン以上の前治療歴のある転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者の3分の1に客観的奏効をもたらし、奏効期間中央値は7ヵ月以上に及ぶことが、米国・マサチューセッツ総合病院のAditya Bardia氏らが実施した第I/II相試験(IMMU-132-01試験)で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年2月21日号に掲載された。前治療歴のあるTNBC患者では、標準化学療法は奏効率が低く、無増悪生存(PFS)期間が短いことが知られている。本薬は、ヒト栄養膜細胞表面抗原2(Trop-2)を標的とするヒト化モノクローナル抗体に、トポイソメラーゼI阻害薬イリノテカンの活性代謝産物であるSN-38を、切断可能なリンカーで結合させた抗体薬物複合体であり、腫瘍に高濃度のSN-38を送達できるという。

VTE予防、薬物療法と間欠的空気圧迫法併用のメリットは?/NEJM

 静脈血栓塞栓症(VTE)の薬物予防法を受けている重症患者において、付加的な間欠的空気圧迫法を薬物予防法のみと比較したが、近位下肢深部静脈血栓症の発生は減少しなかった。サウジアラビアのキング・サウド・ビン・アブドゥルアジーズ健康科学大学のYaseen M. Arabi氏らが、重症患者のVTE予防における薬物予防法と間欠的空気圧迫法併用の有効性を検証した、国際多施設共同無作為化比較試験「Pneumatic Compression for Preventing Venous Thromboembolism trial:PREVENT試験)の結果を報告した。VTE予防において、間欠的空気圧迫法と薬物予防法の併用により深部静脈血栓症の発生が減少するかについてはエビデンスが不足していた。NEJM誌オンライン版2019年2月18日号掲載の報告。

食道内圧ガイド下PPEPは中等~重症ARDSに推奨しない/JAMA

 中等症~重症の急性呼吸促迫症候群(ARDS)患者において、食道内圧ガイド下の呼気終末陽圧(PEEP)は経験的な高PEEPと比較し、死亡および人工呼吸器不要日数に有意差はないことが認められた。米国・コロンビア大学のJeremy R. Beitler氏らが、胸腔内圧の推定値である食道内圧(PES)を指標としたPEEP調整法(PESガイド下PEEP)が、経験的な高PEEP-吸入気酸素濃度(FiO2)法よりも有効であるかを検証する目的で、北米14ヵ所の病院で実施された多施設共同無作為化臨床試験(EPVent-2試験)の結果を報告した。胸腔内圧を相殺するためのPEEP調整は、ARDS患者の肺損傷を軽減し予後を改善する可能性があった。JAMA誌2019年2月18日号掲載の報告。

重症患者、気管挿管時のバッグマスク換気は有益か/NEJM

 重症成人患者の気管挿管時におけるバッグマスクを用いた陽圧換気(バッグマスク換気)の実施は、未実施の患者と比べて、酸素飽和度を上昇し高度低酸素血症の発生リスクを有意に低下することが示された。米国・ヴァンダービルト大学医療センターのJonathan D. Casey氏らが、401例の患者を対象に行った多施設共同無作為化比較試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年2月18日号で発表した。気管挿管中の重症成人患者における低酸素血症は最も頻度の高い合併症であり、心停止および死亡のリスクを高める可能性がある。バッグマスク換気の実施が、誤嚥リスクを増大することなく低酸素血症の予防に有効かどうかについては明らかになっていなかった。

外来がん患者でのリバーロキサバンの血栓予防効果/NEJM

 Khoranaスコアが2以上の高リスク外来がん患者に対し、リバーロキサバンの投与により、試験期間180日間において、静脈血栓塞栓症や静脈血栓塞栓症による死亡などのリスクに有意な低下はみられなかったことが報告された。一方でリバーロキサバン投与期間中については、同イベントの発生は約6割低下し、重大出血の発生も低かった。米国・クリーブランドクリニックのAlok A. Khorana氏らが、800例超を対象に行った第III相無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果で、NEJM誌2019年2月21日号で発表した。全身性のがん治療を受けている外来患者は、静脈血栓塞栓症について異なるリスクが認められる。一方で、これらの患者の血栓予防のベネフィットについては確認されていなかった。

andexanet alfa、第Xa因子阻害薬による大出血に高い止血効果/NEJM

 andexanet alfaは、第Xa因子阻害薬の使用により急性大出血を来した患者において、抗第Xa因子活性を著明に低下させ、良好な止血効果をもたらすことが、カナダ・マックマスター大学のStuart J. Connolly氏らが行ったANNEXA-4試験で示された。研究の詳細は、NEJM誌オンライン版2019年2月7日号に掲載された。andexanet alfaは、第Xa因子阻害薬の中和薬として開発された遺伝子組み換え改変型ヒト第Xa因子不活性体で、2018年、米国食品医薬品局(FDA)の迅速承認プログラムの下、アピキサバンまたはリバーロキサバン治療中に出血を来し、抗凝固薬の中和を要する患者への投与が承認を得ている。本試験は2016年に中間解析の結果が発表され、現在、エドキサバン投与例を増やすために、継続試験としてドイツで患者登録が続けられ、2019年中には日本でも登録が開始される予定だという。

研究助成の申請成功率、男女差の理由は/Lancet

 国や専門分野を超え、男性研究者は女性の同輩に比べ研究資金を得る機会が多いことを示す研究があるが、その多くは観察研究のため、この不均衡は女性研究者の力量によるのか、それとも提出された研究の質によるのかは明確でないという。カナダ・ラヴァル大学のHolly O. Witteman氏らは、同国の助成プログラムの審査基準が変更されたのを機に調査を行った。その結果、研究助成のジェンダーギャップは、主任研究者としての女性の力量の評価が好ましくないことに起因し、提出した研究の質の評価によるのではないことが示された。研究の詳細は、Lancet誌2019年2月9日号に掲載された。2014年、カナダ健康研究所(CIHR)は、研究者主導の資金提供の申請を、主任研究者としての力量に重点を置く明確な評価の有無で、2つの新たな助成プログラムに分けた。

性差の記述、生物医学研究で依然少ない/Lancet

 臨床医学や公衆衛生学では性差関連報告を含む論文が増えているが、生物医学研究の分野では依然として少なく、筆頭および最終著者が女性の論文は性差関連の記述を含む確率が高いことが、米国・インディアナ大学のCassidy R. Sugimoto氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌2019年2月9日号に掲載された。性差は、遺伝学、細胞学、生化学、生理学的なレベルで存在することが、臨床および前臨床研究で示されているが、医学研究の対象への女性の組み入れは不十分とする多くの調査結果がある。医学研究への組み入れの男女間の格差は、その研究結果の、集団全体における効用性を著しく低下させる。一方、女性研究者の不足も指摘されているが、科学における女性の不足が、研究への組み入れや研究報告における男女格差と関連するかを評価した調査はほとんどないという。

心不全は非心臓手術後の死亡リスクを増大/JAMA

 待機的非心臓手術を受けた心不全患者は、症状の有無にかかわらず、同様の手術を受けた非心不全患者に比べ術後90日死亡リスクが有意に高いことが、米国・スタンフォード大学のBenjamin J. Lerman氏らの検討で示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年2月12日号に掲載された。心不全は、術後死亡の確立されたリスク因子であるが、左室駆出率(LVEF)や心不全の症状が手術アウトカムに及ぼす影響は、いまだ十分には知られていないという。

英国の心不全診断後の生存、改善はわずか/BMJ

 21世紀に入り、心不全と診断された後の生存期間は、わずかに改善しているのみで、がんなど他の重篤な疾患と比べると遅れをとっており、貧困の度合いによる生存期間の格差も広がっていることが示された。英国・オックスフォード大学のClare J. Taylor氏らが、英国のプライマリケアにおける地域住民を対象としたコホート研究の結果を報告した。心不全患者は増加の傾向にあり、英国では92万人が患っているとされる。心不全患者の生存率は低いが、長期にわたる生存傾向を調べた研究では一貫した結果が得られていなかった。BMJ誌2019年2月13日号掲載の報告。

早期乳がん術後化療、dose-intenseが有益/Lancet

 早期乳がんの術後化学療法において、治療サイクル間隔の短縮、あるいは同時投与ではなく逐次投与により用量強度を高めるレジメンは、他の原因による死亡を増加させることなく、乳がんの10年再発リスクおよび死亡リスクを低下させうることが、英国・オックスフォード大学のEarly Breast Cancer Trialists' Collaborative Group(EBCTCG)らの検討で明らかとなった。治療サイクルの間隔短縮や低用量の同時投与よりも、むしろ十分量の逐次投与による細胞傷害性化学療法の用量強度の増強は、有効性を高めるのではないかと考えられていた。Lancet誌オンライン版2019年2月7日号掲載の報告。

女性医師、外科研修の中途離脱を回避するには/Lancet

 外科医の研修プログラムを途中で辞めた女性医師を対象に、その理由を調査したところ、「休暇を取るのが困難」「同じ専門医の女性同士の交流が少ない」「支援体制の欠如」など6つの要因が浮き彫りになった。オーストラリア・Gold Coast Hospital and Health ServiceのRhea Liang氏らが、女性医師12人へのインタビューで明らかにしたもので、Lancet誌2019年2月9日号で発表した。英国とオーストララシアでは、外科専門医のうち女性医師の占める割合はわずか11%で、外科研修プログラムを途中で辞めてしまう割合も女性医師が男性医師より高いという。

MRSA保菌者、衛生教育+除菌指導で退院後感染リスク3割減/NEJM

 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の保菌患者に対し、病院や介護施設を退院・退所する際、衛生教育に加えてクロルヘキシジンによる口腔洗浄や入浴などの除菌指導を行うことで、退院後1年のMRSA感染リスクが約3割減少したことが示された。米国・カリフォルニア大学アーバイン校のSusan S. Huang氏らが、2,000例超を対象に行った多施設共同無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2019年2月14日号で発表した。MRSA保菌入院患者は、退院後の感染リスクが高いことが知られている。  研究グループは、病院や介護施設に入院・入所し、MRSA保菌が確認された被験者を無作為に2群に分け、退院・退所時に、一方には衛生管理に関する教育を、もう一方には衛生教育と除菌指導を行い、1年間追跡した。除菌指導のレジメンは、クロルヘキシジンによる口腔洗浄と入浴またはシャワー浴、ムピロシンの鼻腔内塗布(5日間を月2回、6ヵ月)だった。

細菌性皮膚感染症に新規抗菌薬、MRSAにも有効/NEJM

 新規抗菌薬omadacyclineの急性細菌性皮膚・軟部組織感染症への効果は、リネゾリドに対し非劣性で、安全性プロファイルはほぼ同等であることが、米国・eStudySiteのWilliam O’Riordan氏らが行ったOASIS-1試験で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年2月7日号に掲載された。急性細菌性皮膚・軟部組織感染症は合併症の発症率が高く、高額な医療費を要する。omadacyclineは、抗菌薬耐性株を含め、この種の感染症を高い頻度で引き起こす病原菌に活性を有する。本薬は、1日1回の経口または静脈内投与が可能なアミノメチルサイクリン系抗菌薬で、テトラサイクリン系薬剤由来の抗菌薬だが、テトラサイクリン耐性の機序である薬剤排出およびリボソーム保護を回避するという。

脳波に基づく麻酔薬の調節、術後せん妄を抑制せず/JAMA

 大手術を受けた高齢患者の術後せん妄の予防において、脳電図(EEG)ガイド下麻酔薬投与は、通常治療と比較して有効ではないことが、米国・セントルイス・ワシントン大学のTroy S. Wildes氏らが行ったENGAGES試験で示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年2月5日号に掲載された。術中EEGにおける脳波の平坦化(suppression)は過剰に深い全身麻酔を示唆することが多く、術後せん妄と関連するとされる。  本研究は、EEGの脳波図に基づき麻酔薬の投与を調節するアプローチによる、術後せん妄の抑制効果の評価を目的に、単施設(米国、セントルイス市のBarnes-Jewish病院)で行われたプラグマティックな無作為化臨床試験である(米国国立衛生研究所[NIH]の助成による)。

市中肺炎に新規抗菌薬、第III相試験の結果/NEJM

 omadacyclineは、1日1回の静脈内または経口投与が可能な新規アミノメチルサイクリン系抗菌薬。ウクライナ・City Clinical Hospital #6, ZaporizhzhiaのRoman Stets氏らOPTIC試験の研究グループは、本薬が市中細菌性肺炎の入院患者(ICUを除く)へのempirical monotherapyにおいて、モキシフロキサシンに対し非劣性であることを示し、NEJM誌2019年2月7日号で報告した。omadacyclineは、肺組織で高濃度に達し、市中細菌性肺炎を引き起こす一般的な病原菌に対し活性を発揮するという。

自殺率の世界的傾向は/BMJ

 自殺による年齢調整死亡率は、1990年以降、世界的に大幅に減少しているが、依然として死亡の重大な寄与因子であり、地域や性別、年齢別に変動がみられることが、米国・ワシントン大学のMohsen Naghavi氏らGlobal Burden of Disease Self-Harm Collaboratorsの調査で示された。研究の詳細は、BMJ誌2019年2月6日号に掲載された。自殺は、世界中で公衆衛生上の関心事となっている。世界保健機関(WHO)の報告によれば、毎年、世界で約80万人が自殺で死亡しており、女性や中年成人に比べ、男性、若年成人、高齢者の自殺率が高いという。

子宮頸がん、hrHPV検査が高検出率/BMJ

 子宮頸がんの1次検査として、高リスク型ヒトパピローマウイルス(hrHPV)検査では液状化検体細胞診(LBC法)と比較し、子宮頸部上皮内病変(CIN)のグレード3以上(CIN3)の検出率が約40%、子宮頸がんの検出率は約30%上昇し、3年後のCIN3以上の発生率は非常に低値で、検診間隔の延長を支持する結果が示された。英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のMatejka Rebolj氏らが、イングランドのプライマリケアでのhrHPV検査による定期の子宮頸がん検診について検討した、観察研究の結果を報告した。15年以上にわたる無作為化比較試験で、現行の標準検査であるLBC法と比較し、CIN2以上の検出に関してhrHPV検査の優越性が示されたことから、他国では検診ガイドラインを改訂し、hrHPVトリアージ検査を併用したLBC法での1次検査から、LBC法のトリアージ検査を併用したhrHPV検査による1次検査に切り替えたところもある。イングランドでは、2019年末までの全国導入を目指しているという。BMJ誌2019年2月6日号掲載の報告。

全般性不安障害の治療、22剤を比較/Lancet

 英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのApril Slee氏らは、全般性不安障害(GAD)の成人患者を対象とした、各種薬剤とプラセボを比較した無作為化試験のシステマティックレビューとネットワークメタ解析を行い、すべての薬物クラスでGADに有効な治療法があり、最初の治療薬での失敗が薬物療法を断念する理由にはならない可能性があることを報告した。GADは、日常の身体的・心理的・社会的機能に影響を与える疾患で、精神療法は費用やリソースが限られていることから薬物療法が第1選択となることが多いが、これまでの研究では利用可能なさまざまな治療薬の比較に関する情報が不足していた。Lancet誌オンライン版2019年1月31日号掲載の報告。

脳卒中疑い、搬送中の経皮ニトロは有効か/Lancet

 脳卒中が疑われる患者に対する搬送中の経皮型ニトログリセリン(GTN)の投与は、機能的アウトカムを改善しないことが示された。死亡率や重大有害イベントの発生リスクも低減しなかった。英国・ノッティンガム大学のPhilip M. Bath氏らの研究グループ「The RIGHT-2 Investigators」が、1,100例超の被験者を対象に行った第III相のシャム対照無作為化試験の結果で、Lancet誌2019年2月6日号で発表した。ただし結果を踏まえて著者は、「英国救急隊員が搬送時の超急性期の場面で、脳卒中患者の同意を得て治療を行うことを否定するものではない」と述べている。高血圧は急性脳卒中によくみられ、不良なアウトカムの予測因子である。大規模な降圧試験でさまざまな結果が示されているが、超急性期の脳卒中に関する高血圧のマネジメントについては不明なままだった。