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2024/06/27
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ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:57

プラリマリケアでの抗うつ薬治療、再発リスクの評価/NEJM

 抗うつ薬治療を中止できるほど良好な状態であったプライマリケアのうつ病患者において、投薬を中止した患者は継続した患者と比べて、52週までのうつ病再発リスクが高いことが示された。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)Faculty of Brain SciencesのGemma Lewis氏らが両者を比較する無作為化二重盲検試験の結果を報告した。プライマリケアで治療を受けるうつ病患者は、長期間抗うつ薬の投与を受ける可能性があるとされるが、投与を継続または中止した場合の影響に関するデータは限定的であった。NEJM誌2021年9月30日号掲載の報告。  研究グループは、英国にある150の一般診療所(GP)で治療を受ける成人患者を対象に試験を行った。全患者が2つ以上のうつエピソード歴があるか、抗うつ薬治療を2年以上受けており、治療中止を考慮可能なほど良好な状態であった。  被験者(citalopram、fluoxetine、セルトラリン、ミルタザピンのいずれかを服用)は1対1の割合で無作為に、現行の抗うつ薬治療を継続する群(継続群)またはマッチさせたプラセボを用いて漸減・中止する群(中止群)に割り付けられた。

早期妊娠高血圧腎症、分娩時期の延伸にメトホルミンが有用/BMJ

 早期妊娠高血圧腎症を発症した妊婦(妊娠26~32週)への徐放性メトホルミン投与は、妊娠期間を延長できることが、南アフリカ共和国・ステレンボッシュ大学のCatherine A. Cluver氏らが行った無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。投与群はプラセボ群と比較して妊娠期間が1週間延長し、出生児の新生児室入室期間を短縮できることが示された。著者は、「今回の試験で早期妊娠高血圧腎症の治療は可能であることが実証されたが、さらなる試験を行う必要はある」とまとめている。BMJ誌2021年9月22日号掲載の報告。  無作為化試験は南アフリカ共和国・ケープタウンの紹介制病院で行われた。妊娠26+0週~31+6週の待機的管理を受けている妊婦180例を無作為に2群に割り付け、徐放性メトホルミン(3g/日を分割投与、90例)またはプラセボ(90例)を分娩時まで投与した。

ファイザー製ワクチン、6ヵ月後の抗体価が著明に低下した人は?/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のBNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)は、2回目接種6ヵ月後時点で、とくに「男性」「65歳以上」「免疫抑制状態にある人」で中和抗体価が著しく低下していた。イスラエル・テルアビブ大学のEinav G. Levin氏らが、医療従事者を対象とした6ヵ月間の前向き横断研究の結果を報告した。イスラエルでは、ワクチン接種率と有効性が高いにもかかわらず、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の症候性感染の発生率が増加しており、この増加がBNT162b2ワクチン2回接種後の免疫低下に起因するかどうかは不明であった。NEJM誌オンライン版2021年10月6日号掲載の報告。

IBDの新規経口薬ozanimod、潰瘍性大腸炎の導入・維持療法に有効/NEJM

 中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎(UC)患者に対する導入および維持療法として、新規経口薬として開発中のozanimodはプラセボと比較して、より有効であることが、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のWilliam J. Sandborn氏らによる、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験の結果、示された。ozanimodは、選択的スフィンゴシン-1-リン酸受容体調整薬で、炎症性腸疾患(IBD)の治療薬として開発が進められている。NEJM誌2021年9月30日号掲載の報告。

ファイザー製ワクチン、デルタ株への有効率の経時変化/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンBNT162b2(トジナメラン、Pfizer-BioNTech製)の、SARS-CoV-2デルタ変異株感染の入院に対する有効性は高く、完全投与後6ヵ月までの全年齢の有効性は93%だった。また、SARS-CoV-2感染への有効性については、時間とともに低下することが示され、デルタ変異株に対しては完全接種後1ヵ月は93%だったが、4ヵ月後は53%に低下していた。米国・カイザーパーマネンテ南カリフォルニアのSara Y. Tartof氏らが、343万例超を対象に行った後ろ向きコホート試験の結果で、感染への有効性が時間とともに低下することについて著者は、「デルタ変異株がワクチン保護効果を逃れるというよりは、おそらく時間とともに免疫力が低下したことが主な要因だろう」と述べている。Lancet誌オンライン版2021年10月4日号掲載の報告。

院内心停止、バソプレシン+メチルプレドニゾロンは有益か/JAMA

 院内心停止患者において、バソプレシン+メチルプレドニゾロン投与はプラセボ投与と比較して自己心拍再開を有意に増大することが示された。しかしながら、本投与が長期生存にとって、有益なのか有害なのかは確認できなかったという。デンマーク・オーフス大学のLars W. Andersen氏らが、512例を対象に行った無作為化試験の結果を報告した。先行研究で、院内心停止へのバソプレシン+メチルプレドニゾロン投与は、アウトカムを改善する可能性が示唆されていた。JAMA誌オンライン版2021年9月29日号掲載の報告。

肺炎での不要な抗菌薬、プロカルシトニン+肺超音波の診療現場検査で減らせるか/BMJ

 プライマリケアにおける下気道感染症患者への抗菌薬処方に関して、プロカルシトニンによるpoint-of-care検査は通常治療と比較して、28日の時点で患者の安全性に影響を及ぼさずに抗菌薬処方を26%減少させるが、これに肺超音波によるpoint-of-care検査を加えても、それ以上の処方率の減少は得られないとの研究結果が、スイス・ローザンヌ大学病院のLoic Lhopitallier氏らによって報告された。研究の詳細は、BMJ誌2021年9月21日号に掲載された。  本研究は、プライマリケアの下気道感染症患者における、プロカルシトニンpoint-of-care検査と肺超音波point-of-care検査は安全性を保持しつつ不要な抗菌薬処方を削減できるかの検証を目的とする、スイスの実践的な非盲検クラスター無作為化試験であり、2018年9月に開始されたが、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の感染爆発の影響で、2020年3月10日に早期中止となった(スイス国立科学財団[SNSF]などの助成による)。

新型コロナでのECMO治療開始後の死亡率、流行初期より増加/Lancet

 体外式膜型人工肺(ECMO)治療の初期導入施設では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者におけるECMO治療開始後の死亡率が2020年に約15%上昇し、治療期間が約6日延長したことが、米国・ミシガン大学のRyan P. Barbaro氏らExtracorporeal Life Support Organization(ELSO)が世界41ヵ国で実施した調査で示された。研究の成果は、Lancet誌2021年10月2日号に掲載された。  研究グループは、2020年5月1日以前にECMOによる治療を受けた患者と、これ以降にECMO治療を受けた患者で、ベースラインの患者特性やECMO治療を行った施設の特性、患者アウトカムなどを比較する目的で、ELSOレジストリのデータを後ろ向きに解析した(研究助成は受けていない)。

CRP POCT、介護施設入居者の抗菌薬処方を削減/BMJ

 下気道感染症が疑われる介護施設入居者において、C反応性蛋白(CRP)の臨床現場即時検査(point-of-care testing:POCT)は通常ケアと比較して、完全回復率や全死因死亡率、入院率には差がないものの、抗菌薬の処方を安全に削減することが、オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのTjarda M. Boere氏らが実施した「UPCARE試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年9月21日号で報告された。  研究グループは、介護施設入居者に対するCRP POCTが、下気道感染症への抗菌薬処方を安全に削減できるかを検証する目的で、実践的なクラスター無作為化対照比較試験を行った(オランダ・保健研究開発機構[ZonMw]の助成による)。

COVID-19外来患者へのロナプリーブ、第III相試験結果/NEJM

 重症化リスクを有する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の外来患者の治療において、REGEN-COV(モノクローナル抗体カシリビマブとイムデビマブの混合静注薬、商品名:ロナプリーブ)はプラセボと比較して、COVID-19による入院/全死因死亡のリスクを低減するとともに、症状消退までの期間を短縮し、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のウイルス量を迅速に低下させることが、米国・Regeneron PharmaceuticalsのDavid M. Weinreich氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2021年9月29日号に掲載された。

人種および遺伝的祖先のデータはeGFR算出に必要か?/NEJM

 推定糸球体濾過量(eGFR)の算出に人種(または遺伝的祖先)を含めず血清クレアチニン値を用いると、系統的な誤分類がもたらされ、血清クレアチニン値の多くの非GFR決定要因を考慮した場合でも影響を取り除くことができない。一方でシスタチンCを用いたGFRの推定は、結果は同様であったものの、現在の人種に基づいた方法の悪影響は解消されることを、米国・カリフォルニア大学のChi-yuan Hsu氏らが、大規模前向き観察研究のデータを解析して示した。eGFRの算定式に人種を含めることは議論の的となっており、人種を用いずに同様の精度が得られる代替算定式が必要とされていた。NEJM誌オンライン版2021年9月23日号掲載の報告。

COVID-19に有効な治療は?抗体薬4剤を含むメタ解析/BMJ

 非重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者において、カシリビマブ/イムデビマブはほぼ確実に入院を減少させ、bamlanivimab/etesevimab、bamlanivimab、ソトロビマブは入院を減少させる可能性があるが、回復期血漿、IVIg、他の抗体および細胞治療は、いかなる意味のあるベネフィットをも与えない可能性がある。カナダ・マックマスター大学のReed Ac Siemieniuk氏らが、COVID-19の試験に関するデータベースを基にリビング・システマティック・レビューとネットワークメタ解析を行い明らかにした。BMJ誌2021年9月23日号掲載の報告。

AZ製ワクチン第III相試験主要解析結果/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンAZD1222(ChAdOx1 nCoV-19、AstraZeneca製)は、高齢者を含む多様な集団においてCOVID-19の発症・重症化を安全・有効に予防することが示された。米国・ロチェスター大学のAnn R. Falsey氏らが、米国、チリ、ペルーにおいて現在進行中の、高齢者を含む3万例超を対象とした第III相二重盲検無作為化プラセボ対照試験「AZD1222試験」の結果を報告した。同3ヵ国では、AZD1222の安全性および有効性が明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2021年9月29日号掲載の報告。

人種項目除外で、より正確な新eGFR算定式を構築/NEJM

 米国タフツ・メディカルセンターのLeseley A. Inker氏ら研究グループが、推算糸球体濾過量(eGFR)の算出に、血清クレアチニンとシスタチンCを組み込み人種項目を除外した新たなeGFR算定式を構築した。同算定式は、血清クレアチニンまたはシスタチンCのいずれかのみを用いて人種項目を除外した新eGFR算定式よりも、予測がより正確で、黒人と非黒人との差も小さかったという。従来のeGFR算定式は、黒人か否かの項目を含んでいるが、人種は社会的要素で生物学的要素ではなく、人種内の多様性を無視するとして、算定式を精査する必要性が高まっていた。NEJM誌オンライン版2021年9月23日号掲載の報告。

プロバイオティクス、ICUでの人工呼吸器関連肺炎を抑制せず/JAMA

 人工呼吸器を要する重症患者において、プロバイオティクスであるLactobacillus rhamnosus GGの投与はプラセボと比較して、集中治療室(ICU)における人工呼吸器関連肺炎(VAP)の発生に関して有意な改善効果はなく、有害事象の頻度は高いことが、カナダ・トロント大学のJennie Johnstone氏らの検討で示された。研究の詳細は、JAMA誌2021年9月21日号で報告された。  本研究は、ICUにおけるVAPや新たな感染症、その他の臨床的に重要なアウトカムの予防におけるL. rhamnosus GG投与の有効性の評価を目的とする無作為化プラセボ対照比較試験であり、2013年10月~2019年3月の期間にカナダと米国、サウジアラビアの44のICUで患者登録が行われた(カナダ健康研究所[CIHR]などの助成による)。

ブレークスルー感染、死亡・入院リスクが高い因子/BMJ

 英国・オックスフォード大学のJulia Hippisley-Cox氏らは、英国政府の委託で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の第2波のデータを基に作成した、ワクチン接種後の死亡・入院のリスクを予測するアルゴリズム(QCovid3モデル)の有用性の検証を行った。その結果、ワクチンを接種しても、COVID-19関連の重症の転帰をもたらすいくつかの臨床的なリスク因子が同定され、このアルゴリズムは、接種後の死亡や入院のリスクが最も高い集団を、高度な判別能で特定することが示された。研究の成果は、BMJ誌2021年9月17日号に掲載された。

mRNAワクチン有効率、基礎疾患の有無で差なし/NEJM

 重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスクがある集団や、COVID-19の世界的大流行の影響を過度に受けている人種/民族集団を含む米国の医療従事者において、実臨床下でのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン(BNT162b2[Pfizer-BioNTech製]、mRNA-1273[Moderna製])の接種は、症候性COVID-19の予防に関して高い有効性を発揮し、年齢や基礎疾患、感染者との接触の程度が異なる集団でも有効率に差はないことが、米国疾病予防管理センターのTamara Pilishvili氏らVaccine Effectiveness among Healthcare Personnel Study Teamの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2021年9月22日号に掲載された。

二尖弁大動脈弁狭窄症へのTAVR、三尖弁狭窄症と転帰は同等/JAMA

 手術リスクが低い二尖弁大動脈弁狭窄症の患者に対する経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)は三尖弁大動脈弁狭窄症と比較して、30日および1年後の死亡、30日および1年後の脳卒中の発生に有意な差はなく、1年後の大動脈弁圧較差や中等度~重度の人工弁周囲逆流の頻度にも差はないことが、米国・シダーズ・サイナイ医療センターのRaj R. Makkar氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2021年9月21日号で報告された。  研究グループは、手術リスクの低い二尖弁大動脈弁狭窄症と三尖弁大動脈弁狭窄症の患者における、第3または4世代のバルーン拡張型人工弁(Sapien 3、Sapien 3 Ultra、米国・Edwards Lifesciences製)のアウトカムの比較を目的に、レジストリを用いたコホート研究を行った(Edwards Lifesciencesの助成による)。

急性低酸素性呼吸不全、超低容量換気は転帰を改善せず/JAMA

 急性低酸素性呼吸不全(AHRF)患者において、従来の低容量人工換気(low-tidal-volume mechanical ventilation)と比較して、体外式二酸化炭素除去装置(ECCO2R)を用いた超低容量人工換気は、90日死亡率を改善しないことが、英国・クイーンズ大学ベルファストのJames J. McNamee氏らによる多施設共同無作為化非盲検実用的臨床試験「REST試験」で示された。機械的人工換気を必要とするAHRFにおいて、従来の低容量換気よりも1回換気量をさらに減少することで、転帰が改善する可能性が考えられていた。JAMA誌2021年9月21日号掲載の報告。

モデルナ製ワクチン第III相最終解析、重症化予防効果は/NEJM

 mRNA-1273ワクチン(Moderna製)は、2回接種後5ヵ月以上にわたり新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症および重症化の予防に有効で、無症候性感染も減少した。米国・Baylor College of MedicineのHana M. El Sahly氏らが、mRNA-1273ワクチンの安全性および有効性を検証した無作為化観察者盲検プラセボ対照第III相試験における盲検期の最終解析結果を報告した。mRNA-1273ワクチンは、この試験の中間解析で有効率94.1%を示し、緊急使用が許可された後、プロトコールが修正され非盲検期が追加されていた。NEJM誌オンライン版2021年9月22日号掲載の報告。