腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:123

非小細胞肺がん1次治療cemiplimab+化学療法(EMPOWER-Lung3)/ESMO2021

 変異のない進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に対する新PD-1阻害薬cemiplimabと化学療法の併用を評価するEMPOWER-Lung3試験の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)で発表された。cemiplimab+化学療法のNSCLC1次治療としての可能性が示唆されている。  EMPOWER-Lung3は2部構成の無作為化第III相試験。今回発表されたのは、Part2試験の2回目の中間解析の結果である。

胃、食道腺がん1次治療のニボルマブ+化学療法の追加解析、ニボルマブ+イピリムマブ初回解析(CheckMate 649)/ESMO2021

 胃がん、胃食道接合部がんおよび食道腺がんの1次治療において、ニボルマブ+化学療法(NIVO+Chemo)は化学療法単独と比較し、追跡期間を1年延長しても全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)の有意な改善が引き続き認められた。ただし、ニボルマブ+イピリムマブ(NIVO+IPI)については、PD-L1 CPS≧5の患者において化学療法単独と比較しOSの有意な改善は認められなかった。  第III相CheckMate-649試験の最新解析結果を、米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのYelena Y. Janjigian氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)で発表した。

乳がん術後の放射線寡分割照射と通常分割照射の急性毒性を比較(HypoG-01)/ESMO2021

 乳がん術後の放射線療法の照射回数と期間が照射後の安全性に与える影響を検討したHypoG-01試験の結果がフランス・Institut Gustave RoussyのSofia Rivera氏より、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)にて発表された。  同試験はフランス国内で実施された多施設共同の非劣性検証第III相試験である。

ペムブロリズマブとルテチウム177の併用は去勢抵抗性前立腺がん治療に有望(PRINCE)/ESMO2021

 ルテチウム177-PSMA-617(LuPSMA)とペムブロリズマブの併用療法が、転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対して良好な効果と安全性を示すことが、オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのShahneen Sandhu氏より、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)にて発表された。  今回のPRINCE試験は第I相b試験であり、試験薬おnLuPSMAは、すでに欧米で承認され、その放射線による殺細胞作用と免疫チェックポイント阻害薬の併用効果が期待されていた。

mCRC、テモゾロミド後のイピリムマブ+ニボルマブ、PFSを延長(MAYA)/ESMO2021

 MGMT(O6-メチルグアニン-DNA メチルトランスフェラーゼ)発現陰性およびMGMTプロモーター領域のメチル化が確認されたMGMTサイレンシング、かつマイクロサテライト安定性(MSS)の転移大腸がん(mCRC)に対し、テモゾロミドによる過剰変異を利用することで、低用量イピリムマブ+ニボルマブ併用療法の持続的な効果を誘導できることが、「MAYA試験」で示され、イタリア・IRCCS財団国立がん研究所のFillippo Pietrantonio氏が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)で発表した。

カボザンチニブとアテゾリズマブの併用は去勢抵抗性前立腺がんに有用な可能性(COMIC-021)/ESMO2021

 カボザンチニブとアテゾリズマブの併用療法が、転移を有する去勢抵抗性の前立腺がん(mCRPC)に対して良好な抗腫瘍効果を示すことが、米国・The University of Utah Huntsman Cancer InstituteのNeeraj Agarwal氏より、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)にて発表された。  この試験はCOSMIC-021試験で、腎細胞がん、尿路上皮がん、肺がんなどを対象にした第I相b試験でる。今回はそのなかから、mCRPC(コホート6)の解析結果が報告された。

術後化療なしのTN乳がん患者、TILとPD-L1で予後を層別化可能/ESMO2021

 早期トリプルネガティブ(TN)乳がんにおいて、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)とPD-L1を組み合わせると、術後補助化学療法を受けていないTN乳がん患者の予後を層別化できることが示された。間質TIL(sTIL)が30%以上かつPD-L1陰性の患者は予後が良好であり、補助化学療法を省略できる可能性がある。国立がん研究センター中央病院の矢崎 秀氏らは、補助化学療法を受けていない早期TN乳がん患者の予後と、TILとPD-L1、Tertiary lymphoid structures(TLS)の関連を検討した後ろ向き解析の結果を、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)で発表した。

高齢の進行乳がん、実臨床でのパルボシクリブ上乗せ効果は/ESMO2021

 米国のリアルワールドデータから、高齢のホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2-)進行乳がん(MBC)患者の1次治療で、パルボシクリブ+レトロゾールがレトロゾール単独に比べて無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を有意に延長したことが示された。米国・UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer CenterのHope S. Rugo氏が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)で発表した。

EGFR変異陽性肺がん1次治療、オシメルチニブ+ベバシズマブ併用の結果は?(WJOG9717L)/ESMO2021

 未治療の進行EGFR変異陽性非扁平上皮非小細胞肺がん(Ns-NSCLC)に対して、オシメルチニブとベバシズマブの併用療法はオシメルチニブ単剤と比べて、無増悪生存(PFS)を有意に改善できなかった。静岡県立静岡がんセンターの釼持広知氏が、日本で行われた「WJOG9717L試験」の結果を、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)プレジデンシャル・シンポジウムで発表した。  WJOG9717L試験は、2018年1月~9月に21医療機関で行われた第II相無作為化試験。

乳がん1次治療でのパルボシクリブ、PPI併用でPFSが悪化/ESMO2021

 パルボシクリブで治療された転移を有する乳がん(mBC)患者の後ろ向き観察研究により、プロトンポンプ阻害薬(PPI)を併用していた患者で無増悪生存期間(PFS)が有意に減少していたことがわかった。イタリア・Azienda Ospedaliera Universitaria Santa ChiaraのMarzia Del Re氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)で発表した。  薬剤による上部消化管障害を軽減するため、がん患者ではPPIが広く使用されているが、薬物相互作用により抗がん剤の吸収が阻害され臨床アウトカムに影響を与える恐れがある。パルボシクリブはpH依存性の溶解性を持つ弱塩基の薬剤である。この観察研究では、1次治療でパルボシクリブを投与されたホルモン受容体陽性HER2陰性のmBC患者を後ろ向きに調査した。パルボシクリブ投与中にPPIが投与されていなかった場合は併用なし、パルボシクリブ治療期間の全体または3分の2以上でPPIが投与されていた場合は併用ありと定義した。