腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:129

がん治療用ウイルスG47Δテセルパツレブ発売/第一三共

 第一三共は、2021年11月1日、同社が東京大学医科学研究所の藤堂具紀氏と共同で開発したがん治療用ウイルス G47Δテセルパツレブ(製品名:デリタクト)を国内で発売した。  G47Δは、がん細胞でのみ増殖可能となるよう設計された人為的三重変異を有する増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルス1型で、藤堂氏らにより創製された。  同剤は、膠芽腫患者を対象とした国内第II相臨床試験(医師主導治験)の結果に基づき、2021年6月に悪性神経膠腫の治療を目的とした再生医療等製品として、国内で条件及び期限付承認に該当する製造販売承認を取得した。同剤は当面の間、治験実施施設のみへの供給となる。

アテゾリズマブ+ベバシズマブ+化学療法のNSCLC1次治療、EGFR変異、肝臓/脳転移例への有効性(IMpower150)/JTO

 アテゾリズマブ+ベバシズマブ+カルボプラチン/パクリタキセル(ABCP)またはアテゾリズマブ+カルボプラチン/パクリタキセル(ACP)とベバシズマブ+カルボプラチン/パクリタキセル(BCP)を評価する第III相IMpower150試験の、EGFR変異および肝臓または脳転移サブグループに関する全生存(OS)の最終解析が報告された。  IMpower150試験の対象は、化学療法未治療の切除不能な進行・再発の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者1,202例。安定した既治療の脳転移症例は許可されている。  試験群はABCP群とACP群で対照群はBCP群である。対象患者は各群に無作為に割り付けられた。

デュルバルマブ+化学療法、胆道がん1次治療で全生存期間を有意に延長(TOPAZ-1)/AZ

 アストラゼネカは、2021年10月25日、第III相TOPAZ-1試験の中間解析の結果を発表。  進行胆道がん患者の1次治療において、デュルバルマブと標準化学療法の併用療法は、化学療法単独と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)の延長を示した。また、主要な副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)および全奏効率でも改善を示した。  デュルバルマブと化学療法の併用療法は良好な忍容性を示しており、化学療法単独となる対照群と同様の安全性プロファイルであった。また、有害事象を原因とする投与中止率も化学療法単独と比較して増加は認めらなかった。

『がん治療におけるアピアランスケアガイドライン 2021年版』が発刊

 日本がんサポーティブケア学会が作成した『がん治療におけるアピアランスケアガイドライン2021年版』が10月20日に発刊した。外見(アピアランス)に関する課題は2018年の第3期がん対策推進基本計画でも取り上げられ、がんサバイバーが増える昨今ではがん治療を円滑に遂行するためにも、治療を担う医師に対してもアピアランス問題の取り扱い方が求められる。今回のがん治療におけるアピアランスケアガイドライン改訂は、分子標的薬治療や頭皮冷却法などに関する重要な臨床課題の新たな研究知見が蓄積されたことを踏まえており、患者ががん治療に伴う外見変化で悩みを抱えた際、医療者として質の高い治療・整容を提供するのに有用な一冊となっている。

HR+進行乳がん、パルボシクリブ後のアベマシクリブの効果/日本癌治療学会

 ホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)の進行・再発乳がんの1次/2次治療では、内分泌療法との併用によるCDK4/6阻害薬投与が標準治療となっているが、進行後の治療についてはまだ定まっていない。最近、リアルワールドデータがいくつか発表されており、今回、パルボシクリブ投与後に進行したHR+/HER2-進行・再発乳がんに対するアベマシクリブの効果を後方視的に検討した結果を、兵庫県立がんセンターの高尾 信太郎氏が、第59回日本癌治療学会学術集会(10月21~23日)で発表した。

HR+/HER2-進行乳がんへのCDK4/6阻害薬+フルベストラントのOS、FDAがプール解析/Lancet Oncol

 CDK4/6阻害薬は、ホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)進行・再発乳がんの1次/2次治療における内分泌療法との併用で、米国・食品医薬品局(FDA)に承認されている。今回、FDAのJennifer J. Gao氏らがCDK4/6阻害薬とフルベストラントによる全生存期間(OS)のプール解析を行ったところ、患者全体および調査したほとんどの臨床病理学的サブグループでOSベネフィットが示された。Lancet Oncology誌オンライン版2021年10月14日号に掲載。  この探索的解析では、フルベストラントとCDK4/6阻害薬もしくはプラセボを併用した3つの第III相無作為化試験の患者データを統合した。解析した患者はすべて18歳以上で、ECOG PS 0~1のHR+/HER2-進行・再発乳がんだった。患者全体のほか、ライン別(1次治療と2次治療以降)、臨床病理学的サブグループ別に解析した。

デュルバルマブ+tremelimumab、肝がん1次治療として全生存期間を有意に延長(HIMALAYA)/AZ

 アストラゼネカは、2021年10月15日、第III相HIMALAYA試験の結果を発表。局所療法が適さない切除不能な肝細胞がん患者の1次治療として、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)に、免疫反応を誘導(プライミング)する高用量のtremelimumab単回投与を追加した併用療法が、ソラフェニブと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間の延長を示したことを明らかにした。

急性尿閉は泌尿生殖器・大腸・神経系オカルトがんの臨床指標?/BMJ

 急性尿閉は、泌尿生殖器や大腸、神経系のオカルトがん(潜在がん)の臨床マーカーとなる可能性があり、急性尿閉を呈する年齢50歳以上の患者で、明確な基礎疾患がみられない場合は、オカルトがんを考慮すべきとの知見が、デンマーク・オーフス大学のMaria Bisgaard Bengtsen氏らの調査で得られた。研究の成果は、BMJ誌2021年10月19日号で報告された。  本研究は、急性尿閉と診断された患者における泌尿生殖器、大腸、神経系のがんのリスクの評価を目的とするデンマークの全国的なコホート研究である(研究助成は受けていない)。

Stage IV乳がんの原発巣切除の意義とは?/日本癌治療学会

 わが国で実施されているJCOG1017試験(PRIM-BC)「薬物療法非抵抗性Stage IV乳がんに対する原発巣切除の意義(原発巣切除なしversusあり)に関するランダム化比較試験」は、来年8月に追跡期間が終了する予定で結果が待たれている。第59回日本癌治療学会学術集会(10月21~23日)におけるシンポジウム「乳癌治療におけるデエスカレーションとエスカレーション-さらなる個別化-」において、本試験の研究事務局である岡山大学の枝園 忠彦氏が、すでに発表されている海外での4つの前向きランダム化比較試験の結果と問題点を紹介し、それらのメタ解析の結果や今後の課題について発表した。

卵巣がん患者アンケート、6割が情報収集に困難/AZ

 アストラゼネカは卵巣がん患者の情報収集の実態と一般女性の卵巣がんに対する認識・理解度を把握するためのWebアンケートを実施し、結果を発表した。卵巣がんは国内の年間新規患者数約1万3,000人、初期は自覚症状がほとんどなく、検診での早期発見も難しいとされる。アンケートの回答者は「10年以内に卵巣がんと診断された20代以上の卵巣患者111名(患者調査)」と「卵巣がんに罹患していない女性1,314名(一般調査)」の2群。 【患者調査】  93%が卵巣がんに関する情報を自ら調べていると回答し、情報収集源は医療情報関連サイトや病院HP、患者のブログなど多岐にわたっていた。また、62%が「情報収集時に困難を感じた」と回答し、困りごとの内訳としては、「信頼できる情報がどれだかわからなかった」(56%)、次いで「いろいろなサイトを見に行かなければならなかった」(39%)が続いた。