腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:146

レンバチニブ、胸腺がんに国内承認/エーザイ・MSD

 エーザイとMSDは、2021年3月23日、エーザイ創製のマルチキナーゼ阻害薬レンバチニブ(商品名:レンビマ)について、「切除不能な胸腺癌」の効能効果追加の承認を取得した。同剤は、日本における「切除不能な胸腺癌」に対する初めての承認薬剤となる。  この承認は、国立がん研究センター中央病院を含む国内8施設で実施された非盲検単群多施設共同の医師主導治験(臨床第II相試験、REMORA試験)の結果に基づくもの。本試験では、少なくとも1レジメン以上のプラチナ製剤による前治療歴のある胸腺がん患者42例が登録され、レンバチニブ単剤の有効性・安全性が評価された。

ベネトクラクス、急性骨髄性白血病の追加承認を取得/アッヴィ

 アッヴィは、再発/難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫(SLL)治療薬であるベネトクラクス(商品名:ベネクレクスタ)について、急性骨髄性白血病(AML)の適応追加承認を取得したことを発表した。この承認は、ベネトクラクスとアザシチジンの併用効果を見た試験(VIALE-A試験)※1とベネトクラクスとシタラビンの併用効果を見た試験(VIALE-C試験)※2の結果を受けたものとなる。  一部の血液がんでは、BCL-2タンパク質がアポトーシスと呼ばれるがん細胞の自然死または自己破壊の過程を阻止するが、ベネトクラクスはこのBCL-2を標的とし、がん細胞により失われたアポトーシスの過程を回復させる作用がある。ベネトクラクス単剤では十分な効果が得られなかったが、2つの試験による併用療法によって有効性が認められた。

早期乳がんアジュバントでCDK4/6阻害薬は有用か/ESMO Open

 HR+/HER2-の進行乳がんにおいてはCDK4/6阻害薬と内分泌療法の併用は標準治療だが、アジュバントにおけるCDK4/6阻害薬の評価は一定していない。イタリア・Hunimed UniversityのElisa Agostinetto氏らは、系統的レビューとメタ解析により、HR+/HER2-早期乳がんのアジュバントにおける内分泌療法へのCDK4/6阻害薬追加による生存および安全性アウトカムへの影響を評価した。その結果、無浸潤疾患生存(IDFS)におけるベネフィットの傾向と、毒性(全Grade)および投与中止リスクの増加がみられた。ESMO Open誌2021年3月17日号に掲載。

乳がんリスクの高い9遺伝子を同定(解説:下村昭彦氏)-1369

1月20日のNEJM誌に乳がんリスク遺伝子を網羅的に解析した大規模試験が2本掲載された。そのうちの1つは英国からの報告であり、11万3,000例以上のBreast Cancer Association Consortiumに参加した乳がん患者と対象者において34遺伝子を搭載したパネルで5つ(ATM、BRCA1、BRCA2、CHEK2、PALB2)の乳がんリスク遺伝子を同定した。また4つの遺伝子(BARD1、RAD51C、RAD51D、TP53)におけるタンパク切断型変異も乳がんリスクと関連した。もう1つは米国からの同様の研究であり、こちらは6万5,000例以上を解析し、BRCA1、BRCA2、PALB2、BARD1、RAD51C、RAD51D、ATM、CDH1、CHEK2の9遺伝子がリスクを増加させる遺伝子として報告され、またそれぞれの遺伝子ごとにリスクの高い乳がんのサブタイプが示された。

TRK阻害薬ラロトレクチニブ、NTRK陽性固形がんに国内承認/バイエル

 バイエル薬品は、2021年3月23日、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)融合遺伝子陽性の進行・再発固形がん治療薬として、ラロトレクチニブ(商品名:ヴァイトラックビ)の製造販売承認を取得した。  ラロトレクチニブは、NTRK遺伝子融合陽性の進行・再発の固形がんの治療に特化した経口トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬として開発され、TRK融合を有する成人および小児固形がん患者に対し、高い奏効割合と持続的な奏効を示し、TRK融合を有する中枢神経系原発腫瘍に対して高い病勢コントロール率を示している。

末梢性T細胞リンパ腫および皮膚T細胞性リンパ腫に、デニロイキン ジフチトクス国内承認/エーザイ

 エーザイは、2021年3月23日、デニロイキン ジフチトクス(商品名:レミトロ)について、「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」、「再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫」の効能効果で日本における製造販売承認を取得したと発表。  この承認申請は、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)および皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)の患者を対象に国内で実施された多施設共同非盲検単群II相205試験などの結果に基づいて行われた。

血液検体による固形がんCGP「FoundationOne Liquid CDx」国内承認/中外

 中外製薬は、2021年03月23日、固形がんに対する包括的ゲノムプロファイリング(CGP: comprehensive genomic profiling)を提供するリキッドバイオプシー(LB: liquid biopsy)検査として、「FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル」の承認を、3月22日に厚生労働省より取得したと発表。血液検体を用いた固形がんに対するCGPと、国内で承認された複数のコンパニオン診断機能を併せ持ったがん遺伝子パネル検査として国内初の承認となる。  FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルは、進行固形がん患者を対象とし、血液中の循環腫瘍DNA(ctDNA: circulating tumor DNA)を用いることで、324のがん関連遺伝子を解析する。がんゲノムプロファイリング機能と併せ、厚生労働省より承認されている複数の分子標的治療のコンパニオン診断機能も有しており、これらの結果を一つのレポートとして提供する。

既治療NSCLCへのニボルマブ、5年生存率の結果/JCO

 免疫療法は、進行非小細胞肺がん(NSCLC)の治療に革命をもたらした。すでに、既治療の扁平上皮および非扁平上皮NSCLC患者を対象とした2つの第III相試験(CheckMate-017およびCheckMate-057)において、ニボルマブはドセタキセルと比較し、全生存(OS)期間の改善と良好な安全性を示している。米国・Fox Chase Cancer CenterのHossein Borghaei氏らは、両試験の5年間における有効性および安全性に関するプール解析を行い、ニボルマブはドセタキセルと比較して、OS延長効果が持続し、新たな安全性の懸念はなかったことを明らかにした。Journal of Clinical Oncology誌2021年3月1日号掲載の報告。

医者にかかる10箇条に見る新たな医師と患者の関わり方

 インフォームド・コンセント(IC)の場において、医師の努力もさることながら患者にも自発性を促す必要がある。ではどのような方法が有力なのだろうかー。3月12日に開催された「カルテコいきいきPHRウェブセミナー」にて、山口 育子氏(NPO法人ささえあい医療人権センター[COML]理事長)が『新・医者にかかる10箇条』について解説し、病院受診する患者が持つべき心構えや責任について語った(主催:メディカル・データ・ビジョン[MDV])。

レンバチニブ、子宮体がんに対する希少疾病用医薬品に指定/エーザイ

 エーザイは、2021年3月12日、マルチキナーゼ阻害薬レンバチニブ(商品名:レンビマ)について、子宮体がんを予定される効能又は効果として、厚生労働省から希少疾病用医薬品に指定されたと発表。  プラチナ製剤による1レジメン以上の前治療歴のある進行子宮体がんを対象に、日本、米国、欧州などで実施している第III相KEYNOTE-775試験において、レンバチニブとペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の併用は、全生存期間と無増悪生存期間の2つの主要評価項目および奏効率の副次評価項目を達成。現在、日本を含む世界各国で、本試験のデータに基づく効能・効果追加申請の準備中である。