腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:145

ニボルマブ+イピリムマブの肺がん術前治療、主要評価項目を達成(NEOSTAR)/Nat Med

 手術可能NSCLC患者を対象に、ニボルマブ+イピリムマブによる術前治療の有効性と安全性を評価する第II相NEOSTAR試験の追跡結果がNature Medicine誌に掲載された。 ・対象:切除可能Stage I~IIIA 非小細胞肺がん(Single N2) ・arm A:ニボルマブ3mg/kg+イピリムマブ1mg/kg→ニボルマブ2週ごと3サイクル(NI群) ・arm B:ニボルマブ3mg/kg→ニボルマブ2週ごと3サイクル(N群) ・評価項目: [主要評価項目]N群とNI群のMPR(Major Pathologic Response、生存しうる腫瘍細胞10%以下) [副次評価項目]毒性、周術期罹患率/死亡率、奏効率(ORR)、無再発生存期間、全生存期間など

抗LAG-3抗体relatlimab+二ボルマブ、未治療の黒色腫の主要評価項目PFSを達成(RELATIVITY-047)/BMS

 ブリストルマイヤーズスクイブは、2021年3月25日、未治療の切除不能な悪性黒色腫を対象に抗LAG-3抗体relatlimabとニボルマブの固定用量配合剤とニボルマブ単剤を比較した第II/III相RELATIVITY-047(CA224-047)試験の主要結果を発表。relatlimabと二ボルマブの併用療法は、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を達成した。副次評価項目である全生存期間(OS)の追跡調査は進行中である。固定用量の併用療法の忍容性は良好で、併用療法群およびニボルマブ単剤療法とも新たな安全性シグナルは報告されなかった。これらは、抗LAG-3抗体を評価した試験で報告された初めての第III相データである。

ポラツズマブ べドチン、再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する承認取得/中外

 中外製薬は、抗CD79bを標的とする抗体薬物複合体であるポラツズマブ べドチン(商品名:ポライビー)が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する承認を得たことを発表した。今回の承認は、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発または難治性DLBCL患者の初回治療として、ポラツズマブ べドチンとベンダムスチン+リツキシマブ(BR療法)との併用療法としてのものとなる。DLBCLは悪性リンパ腫の一種で、リンパ球の中のB細胞から発生する非ホジキンリンパ腫としては最も発生頻度が高い。

FDA、ペムブロリズマブの食道がん1次治療を承認/Merck

 メルク社は、2021年3月23日、米国食品医薬品局(FDA)が、局所進行または転移のある食道または胃食道接合部(GEJ)がん治療に抗PD-1抗体ペムブロリズマブを承認したと発表。この承認は組織学的またはPD-L1発現状態に関係なくOSおよびPFSを改善した第III相KEYNOTE-590試験の結果に基づくもの。  KEYNOTE-590試験では、FU+シスプラチン群に比べ、ペムブロリズマブとFU+シスプラチン併用群では、OSリスクが27%(HR:0.73、95%CI:0.62〜0.86、p<0.0001)、PFSリスクが35%(HR:0.65 、95%CI:0.55〜0.76、p<0.0001)減少した。また、奏効率も、ペムブロリズマブとFU+シスプラチン併用群は45%、FU+シスプラチン群は29%とペムブロリズマブとFU+シスプラチン併用群で良好であった(p<0.0001)。

レンバチニブ、胸腺がんに国内承認/エーザイ・MSD

 エーザイとMSDは、2021年3月23日、エーザイ創製のマルチキナーゼ阻害薬レンバチニブ(商品名:レンビマ)について、「切除不能な胸腺癌」の効能効果追加の承認を取得した。同剤は、日本における「切除不能な胸腺癌」に対する初めての承認薬剤となる。  この承認は、国立がん研究センター中央病院を含む国内8施設で実施された非盲検単群多施設共同の医師主導治験(臨床第II相試験、REMORA試験)の結果に基づくもの。本試験では、少なくとも1レジメン以上のプラチナ製剤による前治療歴のある胸腺がん患者42例が登録され、レンバチニブ単剤の有効性・安全性が評価された。

ベネトクラクス、急性骨髄性白血病の追加承認を取得/アッヴィ

 アッヴィは、再発/難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫(SLL)治療薬であるベネトクラクス(商品名:ベネクレクスタ)について、急性骨髄性白血病(AML)の適応追加承認を取得したことを発表した。この承認は、ベネトクラクスとアザシチジンの併用効果を見た試験(VIALE-A試験)※1とベネトクラクスとシタラビンの併用効果を見た試験(VIALE-C試験)※2の結果を受けたものとなる。  一部の血液がんでは、BCL-2タンパク質がアポトーシスと呼ばれるがん細胞の自然死または自己破壊の過程を阻止するが、ベネトクラクスはこのBCL-2を標的とし、がん細胞により失われたアポトーシスの過程を回復させる作用がある。ベネトクラクス単剤では十分な効果が得られなかったが、2つの試験による併用療法によって有効性が認められた。

早期乳がんアジュバントでCDK4/6阻害薬は有用か/ESMO Open

 HR+/HER2-の進行乳がんにおいてはCDK4/6阻害薬と内分泌療法の併用は標準治療だが、アジュバントにおけるCDK4/6阻害薬の評価は一定していない。イタリア・Hunimed UniversityのElisa Agostinetto氏らは、系統的レビューとメタ解析により、HR+/HER2-早期乳がんのアジュバントにおける内分泌療法へのCDK4/6阻害薬追加による生存および安全性アウトカムへの影響を評価した。その結果、無浸潤疾患生存(IDFS)におけるベネフィットの傾向と、毒性(全Grade)および投与中止リスクの増加がみられた。ESMO Open誌2021年3月17日号に掲載。

乳がんリスクの高い9遺伝子を同定(解説:下村昭彦氏)-1369

1月20日のNEJM誌に乳がんリスク遺伝子を網羅的に解析した大規模試験が2本掲載された。そのうちの1つは英国からの報告であり、11万3,000例以上のBreast Cancer Association Consortiumに参加した乳がん患者と対象者において34遺伝子を搭載したパネルで5つ(ATM、BRCA1、BRCA2、CHEK2、PALB2)の乳がんリスク遺伝子を同定した。また4つの遺伝子(BARD1、RAD51C、RAD51D、TP53)におけるタンパク切断型変異も乳がんリスクと関連した。もう1つは米国からの同様の研究であり、こちらは6万5,000例以上を解析し、BRCA1、BRCA2、PALB2、BARD1、RAD51C、RAD51D、ATM、CDH1、CHEK2の9遺伝子がリスクを増加させる遺伝子として報告され、またそれぞれの遺伝子ごとにリスクの高い乳がんのサブタイプが示された。

TRK阻害薬ラロトレクチニブ、NTRK陽性固形がんに国内承認/バイエル

 バイエル薬品は、2021年3月23日、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)融合遺伝子陽性の進行・再発固形がん治療薬として、ラロトレクチニブ(商品名:ヴァイトラックビ)の製造販売承認を取得した。  ラロトレクチニブは、NTRK遺伝子融合陽性の進行・再発の固形がんの治療に特化した経口トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬として開発され、TRK融合を有する成人および小児固形がん患者に対し、高い奏効割合と持続的な奏効を示し、TRK融合を有する中枢神経系原発腫瘍に対して高い病勢コントロール率を示している。