腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:351

大腸がん診断後のカルシウム・牛乳摂取量が生存率に関連

 カルシウム、ビタミンD、乳製品の高い摂取量は大腸がん発生率の低下と関連しているが、大腸がんの生存率に及ぼす影響は不明である。米国がん協会(ACS)のBaiyu Yang氏らは、大腸がん患者において、がん診断前後のカルシウム(全体、食事由来、サプリメント)、ビタミンD(全体、食事由来)、乳製品(全体、牛乳のみ)の摂取量と、全死因死亡率および大腸がん特異的死亡率との関連を評価した。その結果、非転移性大腸がん患者では、がん診断後における総カルシウムと牛乳の高い摂取量が死亡リスクの低下に関連する可能性が示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2014年6月23日号に掲載。

がんの痛みは我慢しない! 疼痛管理の現状と問題点を第一人者がレクチャー

 6月24日、金原出版は、患者向けの解説書である『患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド(第1版)』(特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会編)の出版を記念し、編者の1人である佐藤 哲観氏(弘前大学医学部附属病院 麻酔科 緩和ケア診療室)を講師に迎え、「がんの痛みはとれるんです!」と題するプレスセミナーを開催した。同書は、患者にがん性疼痛管理の内容を知ってもらうために制作されたものである。

乳がんリスクが上がるタンパク源は?~約9万人の前向き研究/BMJ

 乳がんリスクへの高タンパク摂取の影響が報告されているが、タンパク源となる食物は栄養プロファイルがさまざまであり、乳がんリスクへの影響が異なる可能性がある。米国ハーバード大学のMaryam S Farvid氏らは、成人早期の食事性タンパクと乳がんリスクとの関連を調べるため、米国の看護師における前向きコホート研究を実施した。その結果から、成人早期の赤肉(red meat;牛、羊、豚などの成獣肉)の多量摂取が乳がんの危険因子であり、赤肉を豆類・鶏肉(七面鳥も含む)・ナッツ類・魚の組み合わせに置き換えることで乳がんリスクが減少する可能性が示唆された。BMJ誌オンライン版2014年6月10日号に掲載。

日本発! 大豆・イソフラボンの摂取は子宮内膜がん発症予防に関与するか

 日本人女性の集団ベース前向きコホート研究では、大豆やイソフラボンの摂取が子宮内膜がんの発症リスクを防ぐ関連性は認められないことが、国立がん研究センター・がん予防・検診研究センターのSanjeev Budhathoki氏らの報告によって明らかとなった。BJOG誌オンライン版2014年6月18日号掲載の報告。

Stage IV非小細胞肺がんの2次治療におけるラムシルマブの有用性/Lancet

 ラムシルマブ(国内未承認)+ドセタキセル併用療法は、Stage IV非小細胞肺がん(NSCLC)の2次治療において生存期間を有意に延長し、ラムシルマブ追加によるQOLの増悪も認めないことが、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のEdward B Garon氏らが行ったREVEL試験で示された。ラムシルマブは、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)-2の細胞外ドメインを標的とするヒトIgG1モノクローナル抗体で、すべてのVEGFリガンドの結合と受容体の活性化を阻害する。本薬剤は、進行胃がんの2次治療に関する2つの第III相試験で、単剤またはパクリタキセルとの併用で生存期間を有意に改善することが示されている。Lancet誌オンライン版2014年6月2日号掲載の報告。

ネクサバール、分化型甲状腺がんに対する適応追加承認を取得

 2014 年6月20日、バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:カーステン・ブルン)は、抗悪性腫瘍剤/キナーゼ阻害剤ネクサバール錠200mg(一般名:ソラフェニブトシル酸塩錠)について、厚生労働省より「根治切除不能な分化型甲状腺がん」に対する追加効能・効果の承認を取得したと発表。ネクサバールの効能効果は、根治切除不能又は転移性の腎細胞がん、切除不能な肝細胞がんに次いで3つ目。

アロマターゼ阻害薬補助療法が閉経前乳がんでも有意に抑制/NEJM

 閉経前ホルモン受容体陽性早期乳がん患者に対して、補助療法としてアロマターゼ阻害薬のエキセメスタン(商品名:アロマシン)+卵巣機能抑制のほうが、タモキシフェン(同:ノルバデックスほか)+卵巣機能抑制よりも5年再発を有意に抑制したことが明らかになった。南スイスがん研究所のOlivia Pagani氏ら国際乳がん研究グループ(IBCSG)が、2003年に開始した2件の第III相無作為化試験の結果から報告した。これまでに閉経後の同患者では、タモキシフェン補助療法よりもアロマターゼ阻害薬のほうがアウトカムを改善することが報告されていた。NEJM誌オンライン版2014年6月1日号掲載の報告より。

化学療法非選択の転移性前立腺がんに、新たな治療選択肢/NEJM

 化学療法を受けておらずアンドロゲン除去療法後に進行がみられた転移性前立腺がん患者に対し、経口アンドロゲン受容体阻害薬エンザルタミドは、増悪および死亡のリスクを有意に低下し、化学療法の開始を有意に延長したことが示された。米国・オレゴン健康科学大学のTomasz M Beer氏らによる第III相二重盲検無作為化プラセボ対照試験の結果で、試験は当初計画した中間解析後に、試験薬の有益性が示されたとして早期終了となった。エンザルタミドは、転移性去勢抵抗性前立腺がん患者で化学療法後の進行例に対し生存を延長することは確認されていた。NEJM誌オンライン版2014年6月1日号掲載の報告より。