腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:351

CTL019、再発・不応性ALLに有効/NEJM

 CD19を標的とするキメラ抗原受容体を導入したT細胞(CTL019、以前はCART19と呼ばれた)は、再発・不応性の急性リンパ性白血病(ALL)に対し完全寛解率90%、最長で2年の寛解維持をもたらしたとの研究結果が、米国・フィラデルフィア小児病院のShannon L Maude氏らにより、NEJM誌2014年10月16日号で報告された。再発ALLの治療は、積極的なアプローチが可能な場合であっても困難であり、遺伝子操作を加えたT細胞療法は新たな治療戦略とされる。CTL019は、従来治療の限界を克服し、不応例にも寛解導入をもたらす可能性があることが示されている。

肺葉切除の長期転帰、胸腔鏡下は開胸と同等/BMJ

 肺がん患者の肺葉切除術について、胸腔鏡下手術vs. 開胸手術の長期生存を検討した結果、全生存、がん特異的生存および無増悪生存のいずれも同等であったことが報告された。米国・ウェイル・コーネル・メディカル大学のSubroto Paul氏らが、肺葉切除術を受けた6,008例について傾向スコア適合分析を行い明らかにした。胸腔鏡下肺葉切除術は開胸肺葉切除術よりも、術後合併症が少ないことは知られている。しかし長期アウトカムへの影響については不明であった。今回の結果を踏まえて著者は、「胸腔鏡下手術は、肺葉切除後のアウトカムを損なうことがないようだ」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年10月2日号掲載の報告。

ROS1陽性NSCLCへのクリゾチニブ、奏効率72%/NEJM

 ROS1遺伝子再構成陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害薬クリゾチニブ(商品名:ザーコリ)の投与は、奏効率は72%、期間中央値は17.6ヵ月であった。米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのAlice T. Shaw氏らが、患者50例について行った試験の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「クリゾチニブは、ROS1遺伝子再構成陽性NSCLCに対し、顕著な奏効を示した」とまとめている。また、本検討で新たに2種を含む7種のクリゾチニブが奏効する遺伝子サブグループが判明した。NEJM誌オンライン版2014年9月27日号掲載の報告より。

大腸がんの予後、血中循環腫瘍細胞と関連

 大腸がん患者において、血中循環腫瘍細胞(CTC)数で全生存期間(OS)を予測できるかどうか、関心が持たれている。イタリアのラ・サピエンツァ大学のAdriana Romiti氏らは、限局型および切除不能な大腸がん患者において、予後予測におけるCTC数の役割を検討した。その結果、大腸がん患者におけるCTCの存在は予後不良に関連することが認められた。Journal of gastrointestinal and liver diseases誌2014年9月号の掲載報告。

肺がんPET、肺感染症流行地では不適/JAMA

 18F-フルオロデオキシグルコース(FDG)PET検査による肺がんの診断は、肺感染症の流行を繰り返したり蔓延している地域(流行地)での使用は支持できないことが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのStephen A. Deppen氏らによるメタ解析の結果、明らかにされた。FDG-PETによる肺結節に対する診断精度は非常にばらついており、FDG-PET+CTによる悪性腫瘍の特定は、肺感染症流行地では同非流行地と比べて低いことが判明したという。FDG-PETは肺がん疑い症例への非侵襲的な診断手法として使用が推奨されているが、著者は、「今回のデータは、肺感染症流行地での使用は、診断精度が同程度にならない限り支持できないことを示すものであった」とまとめている。JAMA誌2014年9月24日号掲載の報告。

化療奏効の進展型SCLCへの胸部RTは有用/Lancet

 化学療法奏効の進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)患者に対し、胸部放射線療法を行うと、1年生存率は変わらないものの、2年生存率は有意に増大することが判明した。また6ヵ月の無増悪生存を達成した割合も、胸部放射線療法を行った群で高率だった。オランダ・VU大学医療センターのBen J. Slotman氏らが、498例の患者について行った第III相無作為化比較試験の結果、明らかにした。結果を踏まえて著者は、「化学療法が奏効したすべてのES-SCLC患者について、予防的全脳照射に加えて胸部放射線療法を考慮すべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年9月14日号掲載の報告より。