腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:353

乳がん、新たな抗HER2療法にさらなる期待

 乳がんの抗HER2療法はトラスツズマブの登場後、飛躍的な進化を遂げているが、さらに新たな展開が期待できそうである。2014年8月28日~30日、横浜市で開催された日本癌治療学会学術集会にて、米国スタンフォード大学のMark D.Pegram氏が「New paradigms in the treatment of HER2+ BC」と題し、抗HER2療法の3つの新しいアプローチについて紹介した。

抗PD-1抗体は卵巣がんの新たな治療となるか

 卵巣がんは婦人科がん死亡の第1位であり、罹患率は8,000人/年、死亡者4,500人/年と年々増加している。2014年8月28日~30日、横浜市で開催された日本癌治療学会学術集会にて、京都大学医学部附属病院 産科婦人科の濱西 潤三氏は「抗PD-1抗体(ニボルマブ)を用いた卵巣がんに対する第II相医師主導治験」 と題し、自施設での臨床試験の結果を紹介した。

大腸がん死亡率、切除腺腫のリスクで差/NEJM

 大腸腺腫切除後の大腸がん長期死亡率について、一般集団と比較して、切除した腺腫が低リスクであった患者では低下がみられた一方、高リスクであった患者は高かったことが明らかにされた。ノルウェー・オスロ大学のMagnus Lphiberg氏らが1,273例を中央値7.7年間追跡し報告した。腺腫切除後には大腸内視鏡によるサーベイランスが広く推奨されているが、同患者における大腸がん死亡についてはこれまでほとんど報告されていなかった。NEJM誌2014年8月28日号掲載の報告より。

ピロリ感染と糖尿病、胃がん発症に相乗効果

 Helicobacter pylori(以下、HP)感染は胃がんの最も強力な危険因子と認められている。しかし、HP感染者の9割以上は胃がんを発症しないことから、HP感染下に胃がん発症リスクを増大させる他の要因があることが考えられる。久山町研究での検討結果から、その要因の1つに糖代謝異常が示唆されることを、第52回日本癌治療学会学術総会(2014年8月28日~30日、横浜市)にて、九州大学大学院医学研究院環境医学分野の池田 文恵氏が紹介した。