腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:350

大腸がん肝転移切除患者の予後予測バイオマーカー

 大腸がん肝転移の根治的切除により長期的ベネフィットがもたらされる患者の割合は40%以下である。そのため、臨床管理を改善し、無意味な手術を減らすために、予後予測バイオマーカーが必要となる。上皮成長因子受容体(EGFR)およびプロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2(PTGS2)の発現が、発がんおよび生存期間と関連したことから、オランダ・VU大学医療センターのJ A C M Goos氏ら(the DeCoDe PET group)は、大腸がん肝転移切除後の患者におけるEGFRとPTGS2発現の予後予測的価値を調べた。その結果、これらの発現は、切除可能な大腸がん肝転移患者における予後予測分子バイオマーカーであることが示唆された。British Journal of Cancer誌オンライン版2014年7月1日号に掲載。

トラスツズマブ、長期補助療法での心イベント発症は?(BIG1-01)

 トラスツズマブの忍容性は一般的に高いものの、心機能障害については、とくにアントラサイクリンベースの化学療法との併用において、議論となっている。今回の研究は、トラスツズマブの補助療法を評価する世界的臨床試験HERA(Herceptin Adjuvant )トライアルの8年にわたる観察期間における心イベント発症について、ベルギー・Jules Bordet InstituteのEvandro de Azambuja氏らが検討している。Journal of clinical oncology誌オンライン版2014年6月9日号の掲載報告。

前立腺がん治療剤ザイティガ(アビラテロン)日本での承認取得

 ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ブルース・グッドウィン)および、アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ガブリエル・ベルチ)は、7月4日付で、前立腺癌治療剤ザイティガ錠250mg(一般名:アビラテロン酢酸エステル)の日本における製造販売承認を取得した。  ザイティガ錠は、アンドロゲン合成酵素であるCYP17を選択的に阻害することで抗腫瘍効果を示すCYP17阻害剤で、「去勢抵抗性前立腺癌」を適応とする。

隔年マンモグラフィ検診導入後、乳がん死は約3割減/BMJ

 マンモグラフィ検診導入前後の乳がん死亡率比を検討した結果、導入後は乳がん死が約28%減少したことが、ノルウェー科学技術大学のHarald Weedon-Fekjaer氏らによる住民前向き追跡コホート研究から報告された。1970~80年代に行われた無作為化試験でマンモグラフィ検診は、乳がん死を予防可能であることが示され、ノルウェーでは1995~2005年に順次検診プログラムが導入されている。しかしその後、初期に行われた試験の方法論に問題があることが指摘され、結果の妥当性に疑念が及ぶこととなった。研究グループは、検診導入効果を検討する新たな試験を行うことは非現実的であるとして、今回観察研究のアップデートにより検診群と非検診群の比較を行い検討した。BMJ誌オンライン版2014年6月17日号掲載の報告より。

ホルモン療法未施行前立腺がん患者に対するエンザルタミドの効果

 エンザルタミドは、ドセタキセル投与後進行例の去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対して承認されている抗アンドロゲン受容体阻害剤である。この試験では、ホルモン療法未施行患者群に対する、エンザルタミド単独使用の効果と安全性の評価を目的としている。オープンラベル、シングルアームの第II相試験で、ヨーロッパの12施設で行われた。対象は、テストステロン未去勢レベル、PSA2ng/ml以上、PS=0のホルモン未治療の前立腺がん患者。これらの対象患者に、エンザルタミド160mg/日を連日投与し、25週におけるPSAが80%以上減少患者の割合をプライマリエンドポイントとしている。ベルギー ルーヴァン・カトリック大学Tombal氏らの研究。Lancet Oncology誌2014年5月号の報告。

【JSMO見どころまとめ(2)】小児がん患者のサバイバーシップ

 2014年7月17日(木)から福岡国際会議場ほかにて開催される、第12回日本臨床腫瘍学会学術集会に先立ち、先月27日、東京都中央区にて日本臨床腫瘍学会(JSMO)主催のプレスセミナーが開催された。そこで行われた、石井 榮一氏(愛媛大学大学院医学系研究科 小児科学講座)による講演「小児がん患者のサバイバーシップについて」を簡潔にまとめる。

【JSMO見どころまとめ(1)】トランスレーショナルリサーチ

 2014年7月17日(木)から3日間にわたり、福岡国際会議場ほかにて、第12回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立ち、先月27日、東京都中央区にて日本臨床腫瘍学会(JSMO)主催のプレスセミナーが開催された。そこで行われた、後藤 功一氏(国立がん研究センター東病院 呼吸器内科)による講演「トランスレーショナルリサーチ」について簡潔にまとめる。