化学療法、免疫療法、標的療法、ホルモン療法は、がんが進行して終末期に近い状態になったがん患者の生存率を改善しないことが、新たな研究で明らかになった。米イエール大学がんセンターのMaureen Canavan氏らによるこの研究結果は、「JAMA Oncology」に5月16日掲載された。Canavan氏は、「末期がん患者に治療を施しても生存率の改善は認められなかった。がん専門医はこの研究結果を患者に説明し、治療目標に関する話し合いを見直すべきだ」と述べている。
末期がん患者に対する全身性抗がん療法(SACT)は、入院率や集中治療室の利用率の増加、ホスピスへの移行の遅れ、生活の質(QOL)の悪化、医療費の増加と関連することが示されている。米国臨床腫瘍学会(ASCO)と全国品質フォーラム(NQF)は、このことを踏まえ、末期がん患者の終末期ケアを改善するために、「死亡前14日以内に化学療法を受けた患者の数」をNQF 021と呼ぶ指標として設定した。NQF 021の対象は、化学療法以外にも免疫療法や標的療法など全ての全身療法に拡大されつつある。