腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:96

低用量メトトレキサート、悪性黒色腫リスク増大と関連?

 メトトレキサート(MTX)は関節リウマチを含む炎症性疾患の治療で幅広く使用されているが、低用量MTX曝露は悪性黒色腫のリスク増大と関連することが、オーストラリア・アルフレッド病院のMabel K. Yan氏らが行ったシステマティック・レビューとメタ解析の結果、示された。ただし、著者は結果を踏まえて、「リスク増大の絶対値は取るに足らないもので、現実的な影響は無視できるものだ」としている。JAMA Dermatology誌オンライン版2022年8月31日号掲載の報告。

KRASG12C阻害薬ソトラシブ、パニツムマブ併用でmCRC患者に有用性示す(CodeBreaK101)/ESMO2022

 CodeBreaK100試験によって、KRASG12変異のある固形がん患者に対するKRASG12C阻害薬ソトラシブの有用性が報告されている。CodeBreaK101試験は、KRASG12変異陽性で転移のある大腸がん(mCRC)患者を対象に、ソトラシブ単剤療法およびほかの抗がん療法と併用した場合の安全性、忍容性、薬物動態、および有効性を評価することを目的としている。大腸がんにおいてはKRASG12変異のある患者は全体の3%ほどとなっている。

閉経後乳がん術後内分泌療法の延長、6年vs.3年(DATA)/ESMO2022

 術後に2~3年のタモキシフェン投与を受け、無病状態にあったホルモン受容体(HR)陽性の閉経後乳がん患者において、続いてアナストロゾールを投与した場合の延長効果を複数の期間で検討した結果が報告された。オランダ・マーストリヒト大学病院のVivianne Tjan-Heijnen氏が、第III相非盲検無作為化比較試験(DATA試験)の最終解析結果を、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2022)で発表した。 ・対象:ER+および/またはPR+、2~3年の術後タモキシフェン投与を受け、再発のない閉経後乳がん患者1,660例

医師のがん検診受診状況は?/1,000人アンケート

 定番ものから自費で受ける最先端のものまで、検査の選択肢が多様化しているがん検診。CareNet.comが行った『がん検診、医師はどの検査を受けている?/医師1,000人アンケート』では、40~60代の会員医師1,000人を対象に、男女別、年代別にがん検診の受診状況や、検査に関する意見を聞いた。その結果、主ながん種別に受ける割合の多い検査が明らかとなったほか、今後受けたい検査、がん検診に感じる負担など、さまざまな角度から意見が寄せられた(2022年8月26~31日実施)。

肝細胞がん1次治療 レンバチニブ+ペムブロリズマブの成績(LEAP-002)/ESMO2022

 切除不能な肝細胞がん(aHCC)に対する1次治療としてのレンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法は、レンバチニブ単独に比べ、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)ともに統計学的な有意差は認められなかった。  日本も参加した国際共同の二重盲検第III相LEAP-002試験の解析結果である。米国・カリフォルニア大学のRichard S. Finn氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2022)で発表した。 ・対象:前治療歴を持たない切除不能なaHCC症例 ・試験群:ペムブロリズマブ3週ごと+レンバチニブを連日投与(Pem群:395例) ・対照群:プラセボ3週ごと+レンバチニブを連日投与(Len群:399例)

がん患者は血圧140/90未満でも心不全リスク増/東京大学ほか

 がん患者では、国内における正常域血圧の範囲内であっても心不全などの心血管疾患の発症リスクが上昇し、さらに血圧が高くなるほどそれらの発症リスクも高くなることを、東京大学の小室 一成氏、金子 英弘氏、佐賀大学の野出 孝一氏、香川大学の西山 成氏、滋賀医科大学の矢野 裕一朗氏らの研究グループが発表した。これまで、がん患者における高血圧と心血管疾患発症の関係や、どの程度の血圧値が疾患発症と関連するのか明らかではなかった。Journal of clinical oncology誌オンライン版2022年9月8日号掲載の報告。  本研究では、2005年1月~2020年4月までに健診・レセプトデータベースのJMDC Claims Databaseに登録され、乳がん、大腸・直腸がん、胃がんの既往を有する3万3,991例(年齢中央値53歳、34%が男性)を解析対象とした。血圧降下薬を服用中の患者や、心不全を含む心血管疾患の既往がある患者は除外された。主要アウトカムは、心不全の発症であった。

大腸がん術後の低分子ヘパリン、投与期間延長は有効か?/BMJ

 低分子量ヘパリンtinzaparinによる大腸がん切除術の周術期抗凝固療法は、投与期間を延長しても入院中のみの投与と比較して、静脈血栓塞栓症と術後大出血の発現率は両群で類似していたが、無病生存および全生存を改善しなかった。カナダ・オタワ大学のRebecca C. Auer氏らが、カナダ・ケベック州とオンタリオ州の12病院で実施した無作為化非盲検比較試験「PERIOP-01」の結果を報告した。低分子量ヘパリンは、前臨床モデルにおいてがん転移を抑制することが示されているが、がん患者の全生存期間延長は報告されていない。周術期は、低分子量ヘパリンの転移抑制効果を検証するのに適していると考えられることから、約35%の患者が術後に再発するとされる大腸がん患者を対象に臨床試験が行われた。BMJ誌2022年9月13日号掲載の報告。

超加工食品摂取が多い男性、大腸がんリスク3割増/BMJ

 ソーセージやインスタント麺といった超加工食品の摂取量が多い男性は、大腸がんリスクが高く、女性では超加工食品摂取量と同リスクの関連はなかったが、調理済み/加熱した混合料理の摂取量が多いと、大腸がんリスクが高いといった関連が、米国・タフツ大学のLu Wang氏らによる検討で示された。BMJ誌2022年8月31日号掲載の報告。  研究グループは、米国の医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study、1986~2014年)に参加した男性4万6,341人、看護師健康調査(Nurses' Health Study I[1986~2014年]6万7,425人、II[1991~2015年]9万2,482人)に参加した女性15万9,907人の3つの前向きコホートから、食事摂取量の記録があり、ベースラインでがんの診断を受けていなかった参加者を対象に、超加工食品の摂取と大腸がんリスクとの関連を調べた。  超加工食品の例としては、炭酸飲料、ソーセージ、ビスケット、キャンディー、インスタントスープ/麺、甘味/塩味スナック菓子、加糖牛乳およびフルーツ飲料などが含まれた。

ソトラシブ、KRAS G12C変異陽性NSCLCのPFSを有意に延長(CodeBreaK-200)/ESMO2022

 KRAS G12C変異陽性の既治療の進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対して、ソトラシブがドセタキセルよりも有意に無増悪生存期間(PFS)を延長することが、米国・Sarah Cannon Research InstituteのMelissa L. Johnson氏から、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2022)で発表された。  ソトラシブの有効性は単群試験のCodeBreaK100で示されていたが、今回発表されたのは、日本も参加した国際共同無作為化比較第III相試験CodeBreaK 200試験の主解析の結果である。

T-DXdの作用機序と耐性機序をバイオマーカー解析で検討(DAISY)/ESMO2022

 転移を有する乳がんに対するトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)の有効性をHER2高発現、HER2低発現、HER2陰性の3群で評価したDAISY試験において、T-DXdの作用機序と耐性機序を検討した結果を、フランス・Gustave RoussyのMaria Fernanda Mosele氏が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2022)で発表した。  DAISY試験は多施設共同非盲検第II相試験で、転移を有する乳がんにおけるT-DXdの有効性をHER2高発現群(IHC 3+またはIHC 2+/ISH+)、HER2低発現群(IHC 2+/ISH-またはIHC 1+)、HER2陰性群(IHC 0)の3群に分けて評価し、バイオマーカー解析を実施した。有効性についてはSABCS 2021、バイオマーカー解析についてはESMO BREAST 2022ですでに報告されている。