眼科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:24

眼外科領域でヒューマンエラー回避訓練は可能か?

 医療の特定領域では、チームワークを強化しエラーを減少させるヒューマンファクターに関する訓練が定期的に行われているが、眼科では確立されていない。英国・Moorfields Eye HospitalのGeorge M. Saleh氏らは、眼外科チームのための没入型ヒューマンファクターシミュレーション訓練を考案・検討し検証試験を行った。評価ツールとして、麻酔科医用ノンテクニカルスキル(ANTS)および外科医用ノンテクニカルスキル(NOTSS)が使用でき、重大な安全性に関するイベントが減少できることを示した。著者は、「眼科学のヒューマンファクターシミュレーションは、チームメンバーに対する新しい教育法であり、今後、さらにその有用性と実用的な適用法について検討することが望まれる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年6月16日号掲載の報告。

DPP-4阻害薬は糖尿病網膜症の進行を抑制する!?

 DPP-4阻害薬による糖尿病治療は、糖尿病網膜症の進行に対し血糖コントロールの改善とは独立した防御因子であることを、韓国・亜洲大学校のYoo-Ri Chung氏らが報告した。DPP-4阻害薬の糖尿病網膜症に対する有用性を示した最初の研究であり、著者らは「DPP-4阻害薬の糖尿病網膜症の進行に対する有効性について、無作為化二重盲検プラセボ比較試験によりさらなる評価を行うことを促す予備的データである」とまとめている。Retina誌オンライン版2016年6月9日号の掲載の報告。

スマホを毎日長時間利用する若者、複数眼症状の有病率3倍

 スマートフォンの利用が、若者の眼の健康に悪影響をもたらしている可能性があることを、韓国・ソウル大学校のJoowon Kim氏らが715例の調査の結果、明らかにした。近年、スマートフォンの利用は激増しているが、携帯電話としての利用よりも、画面を見つめての利用時間のほうが長く、とくに眼の健康に有害作用をもたらす可能性が示唆されていた。Ophthalmic Epidemiology誌オンライン版2016年6月2日号の掲載の報告。

黄斑下血腫、ラニビズマブ硝子体内注射は有用

 黄斑下血腫に対し、組み換え組織プラスミノーゲン活性化因子(rt-PA)ラニビズマブおよびガス硝子体内注射は血腫の移動と病変改善に有用であることを、日本大学 医学部視覚科学系眼科学分野の北川 順久氏らが前向き研究により示した。著者は、「視力の改善・維持には、治療後の再発を早期に発見し、必要に応じて血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬硝子体注射を行うことが大切」とまとめている。Ophthalmology誌2016年6月号(オンライン版2016年3月2日号)の掲載の報告。

ジカウイルス胎内感染児の3分の1に先天性眼障害

 ジカウイルス感染は、2015年にブラジル北東部で流行が確認され、南北アメリカの多くの地域にまで急速に拡大している。最近、新生児の小頭症とこれら小頭症児における視力を脅かす所見が増加していることから、ブラジル・ロベルト サントス総合病院のBruno de Paula Freitas氏らは、胎内感染が疑われる小頭症児の眼所見について調査した。

緑内障点眼治療の片眼トライアルは簡便で有効

 緑内障の薬物治療では、真の眼圧下降効果を評価することが重要となる。英国・ノッティンガム大学病院のAnthony J. King氏らは、プロスタグランジン関連薬による単剤治療について、片眼のみ1週間早く点眼を開始する片眼トライアルの前向き試験を行い、この方法は未治療眼の治療への反応の予測に有効であり、先行投与眼の効果が他眼への治療効果も予測できることを示した。

糖尿病網膜症の発症、血清リポ蛋白(a)値と関連

 リポ蛋白(a)(Lp(a))は、主に心血管疾患発症の予測因子と考えられている。先行研究では、Lp(a)と糖尿病性細小血管合併症は関連している可能性が示された。韓国カトリック大学のJae-Seung Yun氏らは、2型糖尿病患者を対象とした前向きコホート研究を行い、糖尿病網膜症は血清Lp(a)値と関連していることを明らかにした。Journal of Clinical Lipidology誌2016年3・4月号(オンライン版2016年1月7日号)の掲載報告。