大腿骨頚部骨折患者における人工股関節全置換術(THA)の施行に関して、患者間格差が存在することが、英国・リバプール大学のDaniel C Perry氏らが行った全英大腿骨骨折データベース(NHFD)を活用した観察コホート研究の結果、明らかにされた。貧困層や手術を週末に希望する患者でTHA施行が低い傾向が判明したという。大腿骨骨折患者には、半関節形成術よりもTHAのほうが機能的アウトカムは良好であり、同国NICE(National Institute for Health and Care Excellence)ガイドラインは、THAの施行を推奨している。しかし、今回の調査でガイドライン順守の低調さも明らかになった。著者は、「至適患者には適切に手術が行われるよう、改善に努めなくてはならない」と提言している。BMJ誌オンライン2016年4月27日号掲載の報告。