膝・股関節炎の治療薬、8製剤23種を比較/Lancet
膝関節炎および股関節炎の管理では、用量にかかわらずパラセタモール(日本ではアセトアミノフェン)に治療上の役割はなく、現時点では疼痛緩和と機能改善の両面でジクロフェナク150mg/日が最も有効とのネットワークメタ解析の結果を、スイス・ベルン大学のBruno R da Costa氏らがLancet誌2016年3月17日号で報告した。関節炎による疼痛に非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を処方する際、医師は多くの種類の製剤とさまざまな用量に直面することとなり、臨床的な意思決定上の課題となっている。また、NSAIDによる初回治療は薬剤の変更や投与中止で特徴づけられるが、これが不適切な疼痛管理の原因となっている可能性があるという。これまでの系統的レビューは、個々のNSAIDの疼痛緩和という限られた効果をプラセボと比較した試験を対象としているが、ネットワークメタ解析では直接的および間接的なエビデンスを統合することで、個々の製剤のさまざまな用量での効果の評価が可能とされる。