整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:46

統合失調症や双極性障害、ビタミンD欠乏の有病率は

 いくつかの研究において、ビタミンD低レベルと統合失調症との関連が示唆されている。現時点で、双極性障害患者におけるビタミンD欠乏症の有病率に関する研究のみが存在する。オランダ・Mental Health Care Organisation Noord-Holland-NoordのRemco Boerman氏らは、ビタミンD欠乏症は、統合失調症や統合失調感情障害患者より、双極性障害患者で一般的であるとの仮説と一般オランダ人よりも、統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害患者で一般的であるとの仮説について検証を行った。なお、これまでの研究では入院患者を対象としていたが、本研究では唯一、外来患者を含み検討を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌オンライン版2016年9月21日号の報告。

高齢者の足関節骨折にはギプスか? 手術か?/JAMA

 不安定型足関節骨折の高齢患者において、close contact casting(ごく少量のパッドを用いた成形型膝下ギプス)は、外科手術と比べて6ヵ月後の機能予後が同等であり、高齢者に適した治療法である可能性が示唆された。英国、ジョン・ラドクリフ病院のKeith Willett氏らがAnkle Injury Management(AIM)試験の結果、報告した。足関節骨折は高齢者に多くの病的状態を引き起こすが、外科的固定術は感染症や他の回復中の合併症が課題となっていた。JAMA誌2016年10月11日号掲載の報告。

慢性腰痛患者が医師に診せない理由

 2016年10月17日(月)、塩野義製薬株式会社/日本イーライリリー株式会社主催のプレスセミナー「慢性腰痛治療の現状と課題―患者と医師の対話の中で見えてくること―」が開催された。まず、日本イーライリリー株式会社 臨床開発医師 榎本 宏之氏より、慢性腰痛に伴う痛みが患者の日常生活に及ぼす影響に関するインターネット全国調査の結果が発表された。その結果を受け、慢性腰痛治療に造詣の深い浜松医科大学 整形外科 教授の松山 幸宏氏より、慢性腰痛治療の現状や患者コミュニケーションの重要性、治療ゴール設定のポイントなどが語られた。

下肢関節置換術、包括支払制導入でどう変わる?/JAMA

 包括支払制度(Bundled Payments for Care Improvement:BPCI)導入後最初の21ヵ月間において、下肢関節置換術に関するメディケア(高齢者および障害者向け公的医療保険)の支払い額は、対照病院との比較でBPCI参加病院で低下したが、医療の質に重要な変化はなかったことが示された。BPCIとは、エピソードごとに一連の医療行為(episode of care)として提供されるすべての治療やサービスの診療報酬を一括して支払う方法で、メディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)の自発的イニシアチブである。下肢関節置換術は、メディケア受給者で最も一般的な手術であることから、米国・Lewin GroupのLaura A. Dummit氏らは、BPCIの導入で医療の質を低下させることなく費用を削減できるかどうかを評価し、報告した。JAMA誌2016年9月27日号(オンライン版2016年9月19日号)掲載の報告。

閉経後骨粗鬆症、romosozumabで椎体骨折リスク7割減/NEJM

 閉経後骨粗鬆症の女性に対し、モノクローナル抗体romosozumabの月1回投与は、1年時点の椎体骨折リスクを7割超低減し、臨床骨折リスクについても3割超の低減が認められたことが報告された。米国ヘレン・ヘイズ病院のF. Cosman氏らが、7,180例の閉経後女性を対象に行った第III相国際共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果で、これまでの検討で、romosozumabはスクレロスチンに結合し、骨形成を増強し、骨吸収を減少することが示されていた。NEJM誌オンライン版2016年9月18日号掲載の報告。

骨粗鬆性脊椎骨折への椎体形成術、急性期が至適/Lancet

 発症後6週未満の急性期有痛性骨粗鬆性脊椎骨折に対する椎体形成術は、偽処置より除痛効果に優れていることが認められた。オーストラリア・St George Private HospitalのWilliam Clark氏らが、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。椎体形成術の至適時期については議論の的となっており、発症後12ヵ月までの骨粗鬆性脊椎骨折患者を対象とした2件の無作為化二重盲検プラセボ対照試験では有益性が認められなかった。しかし、これらの研究で6週未満の患者は少なく、急性期患者に対する椎体形成術の有効性の評価は不十分であった。著者は今回の結果から、「椎体形成術は、急性疼痛を伴う骨粗鬆性脊椎骨折患者の新たな疼痛コントロール法となりうる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2016年8月17日号掲載の報告。

閉経後の骨粗鬆症性骨折、開発中のabaloparatideが有用/JAMA

 骨粗鬆症を有する閉経後女性に対し、abaloparatideはプラセボと比較して新規椎体および非椎体の骨折を低下することが、米国・Colorado Center for Bone ResearchのPaul D. Miller氏らによる第III相二重盲検無作為化試験ACTIVE(Abaloparatide Comparator Trial In Vertebral Endpoints)の結果、示された。abaloparatideは、開発中の副甲状腺ホルモン1型受容体選択的活性薬。18ヵ月間の試験期間中、新規椎体骨折を有意に抑制、非椎体骨折は有意差は示されなかったが減少が認められた。結果を踏まえて著者は、「さらなる検討を行い、リスク差の臨床的意義、abaloparatide治療のリスク・ベネフィット、その他の骨粗鬆薬との有効性の比較などを行う必要がある」とまとめている。JAMA誌2016年8月16日号掲載の報告。