整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:83

患者評価の変形性関節症治療の疼痛改善報告、実臨床と臨床試験で異なる

 疼痛管理をより適切に行うため患者自身による治療効果評価尺度が開発されているが、フランス・INSERM/パリ第5大学のSerge Perrot氏らによる多施設前向きコホート研究の結果、患者が容認できる症状状態スコアならびに疼痛が改善したと報告した患者の疼痛スコアの変化の最小値は、実臨床と臨床試験とで異なっていることが明らかとなった。

腰椎椎間板切除術、日帰り手術により短期合併症が減少

 腰椎椎間板切除術は最も頻度の高い脊椎手術で、外来でも実施可能である。同外来手術は、低コストでより大きな患者満足度が得られ安全性に問題はないことがこれまで報告されていたが、今回、米国・アイオワ大学病院のAndrew J. Pugely氏らによる前向きコホート研究において、入院手術に比べ術後短期合併症が少ないことが確認された。

長距離ランナーは、疼痛知覚が低い

 疼痛への感受性の違いが疼痛性障害の発症リスクと関わりがあるかもしれないことから、ドイツ・ウルム大学病院のWolfgang Freund氏らは、興味深い研究対象として「疼痛に高い耐性を示す人」について研究を行った。対象としたのは長距離ランナーで、その疼痛耐性および性格特性を調べた結果、健常対照者および慢性疼痛患者と異なっていることが明らかになったという。

プライマリ・ケアにおける脊椎MRI検査、その意義に疑問符

 プライマリ・ケアで脊椎MRI検査の利用が増加しているが、MRI所見とその後の診療との関連についてはほとんど知られていない。カナダ・マックマスター大学/Institute for Clinical Evaluative SciencesのJohn J. You氏らは、プライマリ・ケアで脊椎MRI検査を受けた患者のうち半数近くが手術評価のため整形外科または神経外科に紹介されるが、その大半は手術を受けていないことを、後ろ向き研究により明らかにした。

術後のAcute Pain Serviceを利用できない患者には経口オピオイド療法を

 術後痛など急性痛に対応するAcute Pain Service(APS)を受けない、すなわち局所麻酔法や患者自己管理鎮痛法を受けることができない患者は、激しい術後疼痛に苦しむ。こうした患者に対しては経口オピオイド療法が有効であり、治療アルゴリズムは外科病棟で実行可能であることがドイツ・ミュンスター大学病院のE.M. Pogatzki-Zahn氏らによる前向き観察研究で示された。