精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:115

片頭痛に対するアルコール、コーヒー、喫煙の影響

 アルコール、コーヒーの摂取および喫煙が片頭痛の発症リスク因子であるかを評価するため、スウェーデン・カロリンスカ研究所のShuai Yuan氏らは、メンデルランダム化研究を実施した。Pain誌2022年2月1日号の報告。  大規模ゲノムワイド関連解析におけるP<5×10-8の潜在的なリスク因子に関連する独立した一塩基多型を操作変数として用いた。選択した一塩基多型と片頭痛との関連についてのサマリーレベルのデータを、FinnGenコンソーシアム(片頭痛患者:6,687例、対照群:14万4,780例)およびUKバイオバンク研究(片頭痛患者:1,072例、対照群:36万122例)のデータより抽出した。FinnGenおよびUKバイオバンクのコホートより得られた推定値は、固定効果メタ解析を用いて組み合わせた。

統合失調症患者に対する薬物誘発性パーキンソニズム、遅発性ジスキネジアの影響

 薬物誘発性パーキンソニズムや遅発性ジスキネジアは、統合失調症の健康関連QOLの低下と関連しているといわれているが、これらの相対的な影響を調べた研究はこれまでほとんどなかった。シンガポール・Institute of Mental HealthのGurpreet Rekhi氏らは、統合失調症における薬物誘発性パーキンソニズムおよび遅発性ジスキネジアと健康関連QOLとの関連を調査し、比較を行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2022年1月3日号の報告。

多疾患罹患、中年期の発症で認知症リスク増加 /BMJ

 多疾患罹患(multimorbidity)は、高年期よりも中年期の発症で認知症との関連が強く、併存する慢性疾患の数が多いほど認知症のリスクが高くなることが、フランス・パリ大学のCeline Ben Hassen氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年2月2日号で報告された。  研究グループは、中年期および高年期の多疾患罹患と、認知症の新規発症との関連を評価する目的で、前向きコホート研究を実施した(米国国立老化研究所[NIA]などの助成を受けた)。

治療抵抗性うつ病の負担と課題

 治療抵抗性うつ病は、公衆衛生上の重大な問題である。ギリシャ・Psychiatric Hospital of AtticaのCharalampos Touloumis氏は、治療抵抗性うつ病に関する現状や課題についての報告を行った。Psychiatriki誌2021年12月号の報告。  主な報告は以下のとおり。 ・うつ病エピソード(単極性または双極性)を有する患者の約20~40%は、抗うつ薬治療に臨床的な治療反応(症状スケール50%以上低下)を示さないと考えられる。 ・症状が改善した患者の約半数は、機能の悪影響や再発の可能性が高まる残存症状が認められる。 ・うつ病エピソードの初回治療を受けた患者の20~40%は寛解が認められる(STAR*D研究では36.8%)。

日本食スコアと認知症、腸内細菌との関連

 これまでの研究では、腸内細菌叢や微生物代謝産物と認知機能低下との関連が示唆されている。しかし、この関連に対する食事パターンの影響は十分に調査されていない。国立長寿医療研究センターの佐治 直樹氏らは、日本食の順守や腸内細菌叢と認知機能低下との関連を評価した。さらに、日本食事スコアの3タイプ(JDI9[米、味噌、魚介類、緑黄色野菜、海藻類、漬物、緑茶、牛肉・豚肉、コーヒー]、JDI12[JDI9+大豆・大豆製品、果物、きのこ]、rJDI12[JDI12改訂版のJDI])について評価し、認知機能や腸内細菌叢と関連性を調査した。Nutrition誌2022年2月号の報告。

高齢者の睡眠薬使用に対する薬剤師支援の必要性

 多くの高齢者では、睡眠障害の治療のため、ベンゾジアゼピンや睡眠薬が使用されている。フランス・リール大学のMorgane Masse氏らは、睡眠薬の中止を検討するため、高齢者の就寝時の習慣や睡眠パターンを調査し、使用している睡眠薬の特定を試みた。Healthcare(Basel)誌2022年1月13日号の報告。  患者の就寝時の習慣、睡眠パターン、睡眠薬の使用を評価するため、専門家グループによる構造化面接ガイドを作成した。睡眠障害の訴えがあり、ベンゾジアゼピン、ベンゾジアゼピン誘導体(Z薬)、抗ヒスタミン薬、メラトニンのいずれかまたは複数を使用している65歳以上の高齢者を対象に、地域薬局でインターンシップ中の6年生薬学生103人により、それぞれ10回のインタビューを実施した。2016年1月4日~6月30日の期間にプロスペクティブ観察研究を実施した。

日本人双極性障害外来患者における躁病エピソードの予測因子

 双極性障害は、躁症状とうつ症状が繰り返し発現し、心理社会的機能障害を引き起こす精神疾患である。躁状態/軽躁状態エピソードは、人間関係、社会的および経済的活動に影響を及ぼすが、実臨床診断において躁状態/軽躁状態エピソードの予測因子に関するエビデンスは限られている。獨協医科大学の徳満 敬大氏らは、実臨床診断における双極性障害に関するエビデンスを蓄積するため、日本の精神科クリニックにおける双極性障害に関する多施設治療調査(MUSUBI)を実施した。PLOS ONE誌2021年12月31日号の報告。

カレーライスの消費とうつ病、高血圧、糖尿病との関連

 韓国・順天大学校のHai Duc Nguyen氏らは、カレーライスの消費と心血管疾患(CVD)、2型糖尿病(T2DB)、関節炎、うつ病との関連について調査を行った。Diabetes & Metabolic Syndrome誌オンライン版2021年12月26日号の報告。  18歳以上の1万7,625人を対象に、社会人口統計学的特性、ライフスタイル、病歴、現在使用している薬剤、家族歴、食物消費に関するデータを収集した。カレーライスの消費とCVD、T2DB、関節炎、うつ病との関連を調査するため、多変数調整分析を用いた。

ボルチオキセチンの改善効果予測因子~日本での臨床試験データ

 うつ病患者の治療では、抗うつ薬による治療効果が出るまで数週間を要する場合がある。東京医科大学の井上 猛氏らは、治療反応や寛解に対するボルチオキセチンの早期部分寛解の予測値について調査を行った。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2021年12月18日号の報告。  20~75歳の日本人再発性うつ病患者(Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)スコア26以上)を対象としたボルチオキセチン(10mgまたは20mg)の8週間ランダム化二重盲検プラセボ対照第III相試験の事後分析を行った。主要アウトカムは、ボルチオキセチン治療8週目における治療反応(ベースラインからMADRS合計スコア50%以上減少)および寛解(MADRSスコア10以下に減少)に対する早期部分寛解(ベースラインから2週目までのMADRSスコア20%以上減少)の予測値とした。

COVID-19、ICU退室から1年後の身体・精神・認知症状の割合は?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患し、集中治療室(ICU)で治療を受けた生存例では、1年後に約74%で身体症状が認められ、また約26%で精神症状が、約16%で認知症状が発現していたことが、オランダ・ラドバウド大学医療センターのHidde Heesakkers氏らが同国のICUで行った調査で示された。研究の詳細は、JAMA誌オンライン版2022年1月24日号に掲載された。  本研究は、ICUで治療を受けたCOVID-19生存例における1年後の身体、精神、認知症状の発現の評価を目的とする探索的な前向きコホート研究で、ICU生存例(非COVID-19患者を含む)を対象とした多施設共同試験であるMONITOR-IC試験の一環として実施された。