呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:255

PD-L1陽性肺がん1次治療におけるペムブロリズマブ単剤の効果(KEYNOTE-042)/Lancet

 米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表された、PD-L1発現1%以上の進行または転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対するペムブロリズマブ単剤の1次治療を評価する第III相試験KEYNOTE-042試験の結果が、Lancet誌オンライン版2019年4月4日号に掲載された。  KEYNOTE-042は32ヵ国、213施設で行われたオープンラベル第III相試験。

ラムシルマブ+エルロチニブ、EGFR陽性NSCLCの1次治療で主要評価項目を達成/リリー

 イーライリリーアンドカンパニーは、2019年3月12日、ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)の第III相試験(RELAY)で、サイラムザ+エルロチニブ併用療法がプラセボ+エルロチニブの併用に比べ、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に延長したことを発表。本試験は、転移のあるEGFR変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)  患者の1次治療で、サイラムザ+エルロチニブの併用療法をプラセボ+エルロチニブの併用と比較している。

肺がんの予後、正常組織の肺マイクロバイオームと関連

 腸内フローラなどとともに注目されている“ヒトマイクロバイオーム”が、肺がん予後に関わるという興味深い知見が示された。ヒトマイクロバイオームは、局所の発がんまたはがん進行に寄与する可能性のある多くの機能を有しているが、これまで肺がんの予後と肺マイクロバイオームとの関連は知られていなかった。米国・ニューヨーク大学のBrandilyn A. Peters氏らは、予備研究として少数例で解析を行い、正常な肺マイクロバイオームが肺がんの予後と潜在的に関連していることを初めて明らかにした。

がんサバイバーのオピオイド使用、米国での実態/JCO

 オピオイド依存が深刻な米国では、疼痛マネジメントへの懸念も高いようだ。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのTalya Salz氏らは、「がんサバイバーは、オピオイド関連被害を受けるリスクが高い可能性がある」として、オピオイドの継続的使用と高用量使用について、大腸がん、肺がん、乳がんの高齢がんサバイバーと非がん対照集団の比較解析を行った。これまで、診断後のオピオイド使用の経時的傾向は知られていなかったという。

NSCLC:ニボルマブ治療後のドセタキセル・ラムシルマブ併用の有効性

 免疫療法後の化学療法による有効性を評価した論文が、わが国で初めて報告された。  今回、埼玉医科大学国際医療センターの塩野 文子氏らによる後ろ向き研究では、非小細胞肺がん(NSCLC)患者における抗PD-1抗体ニボルマブの非奏効例に対し、ドセタキセルとラムシルマブを併用投与した場合、ニボルマブ投与なしのレジメンと比較して高い奏効率が得られた。Thoracic Cancer誌オンライン版2019年2月27日号に掲載。

リファンピシン耐性結核に短期レジメンが有望/NEJM

 リファンピシン耐性結核の治療において、高用量モキシフロキサシンを含む9~11ヵ月の短期レジメンは、2011年のWHOガイドラインに準拠した長期レジメン(20ヵ月)に対し、有効性が非劣性で安全性はほぼ同等であることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのAndrew J. Nunn氏らが実施したSTREAM試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年3月13日号に掲載された。

喫煙する高血圧患者に厳格血圧管理は有用か~SPRINTの2次分析

 Systolic Blood Pressure Intervention Trial(SPRINT)では、収縮期血圧を120mmHg未満に厳格管理することにより、心血管系疾患の罹患率と死亡率が低下することが示された。しかし、厳格血圧管理による全体的なベネフィットがリスクの不均一性をマスクしていないだろうか。今回、マウントサイナイ医科大学のJoseph Scarpa氏らが実施したSPRINTデータの2次分析により、ベースライン時点に現喫煙者で収縮期血圧144mmHg超であった参加者では、標準治療群より厳格治療群で心血管イベント発生率が高かったことが報告された。JAMA Network Open誌2019年3月8日号に掲載。

NSCLC1次治療のニボルマブ+低用量イピリムマブにおけるORR:PD-L1 1%以上 vs.1%未満(CheckMate-568)/JCO

 転移のある進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療として、ニボルマブと低用量イピリムマブ併用の効果と安全性を評価した、オープンラベル第II相CheckMate-568試験。  今回、米国・Duke University Medical CenterのNeal Ready氏らによる結果が、Journal of clinical oncology誌オンライン版2019年2月20日号に掲載された。ニボルマブ+低用量イピリムマブは、転移のある進行NSCLCの1次治療として有効かつ忍容性が高いことが示唆された。

結核治療、スマホによる監視が有望/Lancet

 直接監視下治療(DOT)は、1990年代初頭から結核の標準治療とされるが、患者や医療サービス提供者にとっては煩雑である。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのAlistair Story氏らは、スマートフォンを利用するビデオ監視下治療(VOT)はDOTよりも有効であり、簡便で安価な結核治療の監視アプローチであることを示した。WHOは、2017年、DOTの代替法としてVOTを条件付きで推奨したが、無作為化対照比較試験がほとんどないためエビデンスのグレードは低いという。Lancet誌オンライン版2019年2月21日号掲載の報告。

血液1滴で13がん種を同時診断、日本発miRNA測定技術

 血液中に含まれるマイクロRNA(miRNA)をマーカーとして、13種類のがんを同時診断する検査システムの開発が進み、実用化が近づいている。2019年3月1日、都内で「1滴の血液や尿で、がんが分かる時代へ」と題したメディアセミナーが開催された(共催:日本臨床検査薬協会、米国医療機器・IVD工業会)。落谷 孝広氏(国立がん研究センター研究所分子細胞治療研究分野)が登壇し、自身が開発のプロジェクトリーダーを務めるmiRNAによるリキッドバイオプシーの精度や、実用化に向けた動きなどについて解説した。