売買契約が決まったのに、スタッフの大量退職で大ピンチ!【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第2回

印刷ボタン

公開日:2020/10/12

医業承継

診療所を売買する「医業承継」。売る側は後継者と譲渡金が手に入り、買う側は集患の手間なく初期費用も減って…、といいことづくしのようですが、実はあちこちに落とし穴が!最低限の知識をマンガで解説。

登場人物紹介

ひつじ先生

ひつじ先生

43歳。専門は消化器内科で大阪の100床規模の病院で勤務中。父親も医師で地方で開業している。そろそろ自分も独立して開業しようかなーと思いつつ、思い切れず、妻に尻を叩かれている。私立中学に通う1人息子がいる。

ひつじ先生

ひつじ先生

43歳。専門は消化器内科で大阪の100床規模の病院で勤務中。父親も医師で地方で開業している。そろそろ自分も独立して開業しようかなーと思いつつ、思い切れず、妻に尻を叩かれている。私立中学に通う1人息子がいる。

ヤギ先生

ヤギ先生

72歳。専門は整形外科で地方都市でクリニックを開業して30年を迎えた。患者やスタッフから慕われ、経営は順調だが、そろそろ体力が厳しく、引退を考えるように。子供たちは医師だが承継の意志はなく、設備と患者を誰かに引き継いでもらえないかと考え中。

ヤギ先生

ヤギ先生

72歳。専門は整形外科で地方都市でクリニックを開業して30年を迎えた。患者やスタッフから慕われ、経営は順調だが、そろそろ体力が厳しく、引退を考えるように。子供たちは医師だが承継の意志はなく、設備と患者を誰かに引き継いでもらえないかと考え中。

第2回 売買契約が決まったのに、スタッフの大量退職で大ピンチ!

漫画・イラスト:かたぎりもとこ

診療所の買い手にとって、一番の価値はすでに通っている「患者さんを引き継げる」ということです。加えて、現在のスタッフを引き継げることも大きな魅力といえます。というのも、患者さんは、(売り手である)現院長やそこで働く顔なじみのスタッフへの信頼や安心感から通院しているのであり、スタッフを引き継ぐことは患者さんの離反防止にもつながるからです。また、スタッフも現院長や同僚、現在の雇用環境に満足しているからこそ働いているのです。

医業承継が決まり、新院長に交代する話は、基本的に買い手との最終契約が締結されてからスタッフへ開示することが鉄則です。ここで一定の割合で発生するのが「そんな話は聞いていない! 院長が交代するなら辞めます!」と言ってスタッフが大量に離職してしまうケースです。スタッフを引き継ぎたいと考えている買い手にとって、これは大きな痛手です。実際、スタッフの離職が原因となって買い手に辞退されるケースもあるのです。

では、このようなケースはどうしたら防ぐことができるでしょうか? 私たちは以下のようにアドバイスをしています。

それは「最終契約を締結した後に、新院長になる方に引き継ぎ先の診療所にて数ヵ月の間アルバイトをしてもらい、スタッフとの関係性を築いたうえで情報を開示する」というものです。これでスタッフの不安を払拭し、院内での人間関係もできたタイミングでスムーズに開業することができます。

設備や医療機器と違って、スタッフや患者さんは人間です。その気持ちに配慮しながら、上手にコミュニケーションをとることが開業の成功につながります。スタッフへの告知時期や方法は仲介会社などのアドバイスを受けて決定するとよいでしょう。

医業承継とは?

医業承継とは、診療所を開業するとき、既存の診療所の事業を引き継いで開業することです。

買い手からすると、施設や医療機器がそろっているため、開業に当たっての初期費用を数千万円単位で節約することができ、既存の患者さんの来院も見込めるため、経営が安定します。

売り手からすると、自院の施設や設備を無駄にすることなく、譲渡金を得ることができ、かつ患者さんを引き継げる安心感があります。

医業承継の大まかな流れは以下のとおりです。

医業承継の基本の流れと要する期間

ケアネット医業承継チーム

ケアネットでは2020年に医業承継チームが発足しました。業界経験の長い2人の女性メンバーと男性メンバー1人で構成。3人で合計100件超の成約実績があります。

ケアネットの医業承継事業の特長

ケアネットの会員医師23万人(2024年5月現在)の中から最適な候補者を紹介します。

これから開業したい医師や、すでに開業している理事長、いずれとの接点も豊富にあるため、希望の条件に沿った相手探しが可能です。

医業承継という業界の歴史は浅く、未経験のアドバイザーも多い業界ですが、ケアネットには業界経験5年以上のスタッフが複数在籍しています(全メンバーで計100件超の成約実績あり)。

事業者の中には、着手金や相談料が発生する場合もありますが、ケアネットの医業承継事業は成功報酬型で医業承継を支援します。

サイトはこちら

バックナンバー
売り手