消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:161

わが国の高齢胃がん患者に対する内視鏡的粘膜下層剥離術、医療経済的な効果は?

 高齢の胃がん患者に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の医療経済的な効果についての情報は、現在ほとんどない。産業医科大学の村田 篤彦氏らは、全国の管理データベースを用いて、高齢患者におけるESDの医療経済的な効果を調査した。その結果、胃がんでESDを受けた高齢患者では、非高齢患者と比べて、ESD関連合併症の発症率に差は認められなかったが、在院日数と入院中の医療費の有意な増加が示された。Journal of Digestive Diseases誌オンライン版2013年10月16日版に掲載。

放射線治療による胃腸症状の改善法/Lancet

 骨盤放射線治療後に慢性的な胃腸症状を有する患者に対し、専門医や看護師がアルゴリズムに基づく治療を行うことで、6ヵ月後の症状がより大幅に改善することが明らかにされた。王立マーズデンNHS財団トラストH. Jervoise N. Andreyev氏らが、200例超について行った無作為化比較試験の結果、報告した。過去30年でがん生存者は3倍に増大したが、生存者の20~25%がQOLにおいて、がん治療の身体的悪影響を被っているという。慢性的な胃腸症状は骨盤放射線治療後の患者で頻度が高く、日常生活にも重大な影響を及ぼしている。Lancet誌オンライン版2013年9月23日号掲載の報告より。

がん患者における婚姻状況と生存率の関連

 婚姻状況(配偶者の有無)によって、がん診断時のステージや根治的治療の実施、がんによる死亡率に違いはあるのだろうか。  ハーバード大学のAyal A. Aizer氏らが、米国のがん登録システムであるSurveillance, Epidemiology and End Results(SEER)programを用いて、死亡数の多いがんについて調査したところ、配偶者のいないがん患者では、診断時における転移、治療の不足、がんによる死亡のリスクが有意に高いことが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年9月23日号に掲載。

ストレス潰瘍予防目的のPPI、術後肺炎リスクを増大/BMJ

 冠動脈バイパス術(CABG)を受ける患者に対してストレス潰瘍の予防目的でしばしば投与される胃酸分泌抑制薬について、プロトンポンプ阻害薬(PPI)のほうがH2ブロッカーよりも、術後肺炎リスクが1.19倍とやや高いことが示された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のBrian T Bateman氏らが、全米約500病院からの患者データが集積されているPremier Research Databaseを用いた後ろ向きコホート研究の結果、報告した。BMJ誌オンライン版2013年9月19日号掲載の報告より。

大腸内視鏡検査はがん発生と死亡率をどのくらい低下させるか/NEJM

 下部消化管内視鏡(大腸内視鏡、S状結腸鏡)検査と、遠位・近位別の大腸がん発生との関連および死亡率との関連を検討した結果が、米国・ダナファーバーがん研究所のReiko Nishihara氏らにより報告された。大腸内視鏡検査およびS状結腸鏡検査が、大腸がん発生の予防に寄与することは知られるが、その効果の大きさや、実施頻度との関連について、とくに近位大腸がんに関しては明らかでなかった。NEJM誌2013年9月19日号掲載の報告より。

重症型アルコール性肝炎の2剤併用療法、予後を改善せず/JAMA

 重症型アルコール性肝炎の治療において、プレドニゾロンにペントキシフィリン(国内未承認)を追加しても予後は改善しないことが、フランス・Hopital HuriezのPhilippe Mathurin氏らの検討で示された。重症型アルコール性肝炎は死亡リスクの高い疾患であり、プレドニゾロンおよびペントキシフィリンはその治療薬として推奨されている。これら2つの薬剤は相乗効果を示す可能性が示唆されていたが、これまで併用療法に関する無作為化試験は行われていなかった。JAMA誌2013年9月11日号掲載の報告。

進化する日本のC型肝炎治療-新規DAAs「シメプレビル」の有効性

 未治療のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1感染患者に対するシメプレビル/ペグインターフェロン(PegIFN)α-2a/リバビリン(RBV)の3剤併用療法は、PegIFNα-2a/RBVの2剤併用療法と比較して強力な抗ウイルス活性を示し、持続性ウイルス応答率(SVR)が有意に高いことが、関西労災病院 林 紀夫氏らのDRAGON studyで明らかになった。重篤な副作用も認めず、治療期間も大幅に短縮されるため、高齢者を含めた多くの患者に有用であると考えられる。Journal of gastroenterology誌オンライン版9月5日号の報告。

身体活動は胃がんリスクにも好影響

 身体活動は胃がんリスクの減少に関連している可能性がある。米国メイヨークリニックのSiddharth Singh氏らは、その関連の程度とエビデンスの質を評価するために系統的レビューとメタアナリシスを実施した。その結果、公表されている観察研究のメタアナリシスにおいて、身体活動と胃がんリスク減少の関連が示された。著者らは、身体活動増加にフォーカスしたライフスタイルへの介入は、多くの健康上のメリットに加え、世界における胃がんの疾病負担を減少させるかもしれないとしている。Cancer Prevention Research誌2013年9月18日号オンライン版に掲載。