NEJMに掲載された論文でも世界の標準治療に影響を与えるとは限らない?(解説:後藤信哉氏)
心筋梗塞と脳梗塞の病態には類似点が多い。心筋梗塞は冠動脈の動脈硬化巣破綻部位に形成される血栓が原因であるのに対して、脳梗塞の原因には塞栓症、微小血管障害などもあり複雑である。心筋梗塞により病態の似ているlarge-vessel occlusionによる脳梗塞が本研究の対象とされた。脳も心臓も虚血臓器に速やかに血液を灌流することが重要である。虚血の原因は血栓であるため、血栓溶解療法に期待が大きかった。しかし、心筋梗塞治療では血栓溶解療法の役割は残らなかった。病院への搬送に時間がかかる場合には救急車内にて血栓溶解療法を施行することも検討されたが、再灌流障害としての心室細動なども考えると、ともかくカテーテル治療のできる施設に素早く搬送することが何よりも重要との結論になった。