日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1102

最も「辞めたい」と思っている業界はどこか?

ネットマイルの調査によると、会社を辞めたいと思ったことのある割合が一番高い業界は「衣料・雑貨・日用品系」で52.1%、次いで「医療・福祉系」(49.4%)、「商社系」(49.0%)という結果だったという。一方で「辞めたいとは思わない」のは「電力・ガス・水道」が44.0%でトップで「専門コンサル系」(30.5%)、「団体・連合会・官公庁」(29.5%)と続いた。

ボーナス付きP4Pが住民健康格差を解消

イギリスでは2004年に、開業医に対して新たにQOF(quality and outcomes framework)という診療報酬支払制度(P4P:pay for performance)が導入された。プライマリ・ケアの構成、プロセス、予後を135のパフォーマンス指標(現在)で評価し、指標の目標値達成の場合ボーナスが支給されるというもので、契約開業医の年収は30%強増したと言われている。指標の大半は健康保持・増進、疾病予防に関するもので、慢性疾患を有する45歳以上の全患者については血圧モニタリングが毎年義務づけられている。この制度導入には、生活レベルの異なる地域住民間の健康格差解消も期待されていた。ロンドン大学医療・社会・ケア調査部門/一般診療・プライマリ・ケア部門のMark Ashworth氏らが、導入後3ヵ年(2005~2007年)の推移について調査をしたところ、ねらいどおりの変化が起きていることが報告された。BMJ誌2008年11月22日号(オンライン版2008年10月17日号)掲載より。

アメリカ医療研究品質機構のノウハウを活用して患者安全指標はつくれそうだ

患者安全は国際的な問題だが、その指標づくりは容易ではない。アメリカには、医療研究品質機構(AHRQ:Agency for Healthcare Research and Quality:http://www.ahrq.gov/)が病院診療データを基に開発した患者安全の指標があり、数ヵ国がその指標を自国の患者安全指標づくりに活用しているがイギリスでも活用できないか。Healthcare Commission(ロンドン)のVeena S Raleigh氏らが、29あるAHRQの指標のうち9つについて症例対照試験を行い有用性を検証した。BMJ誌2008年11月22日号(オンライン版2008年10月17日号)掲載より。

ゲフィチニブは進行非小細胞肺癌の2nd-line治療として妥当:INTEREST試験

再発進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対するゲフィチニブ(商品名:イレッサ)療法の有用性は標準治療であるドセタキセル療法に劣らないため、進行NSCLCの2nd-line治療として妥当であることが、国際的な第III相試験INTEREST試験で明らかとなった。米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのEdward S Kim氏が、Lancet誌2008年11月22号で報告した。

子宮頸がん予防ワクチンのCervarixがオランダの国民予防接種プログラムに組み入れ

グラクソ・スミスクライン株式会社は11月28日、オランダのNetherlands Vaccine Institute (NVI)が、オランダ国民に対する子宮頸がん予防接種プログラムのためのワクチンとして、英グラクソ・スミスクラインplc(GSK)の子宮頸がん予防ワクチンCervarixを選択したと発表した。

リピトールに心血管イベントリスク低下と腎機能改善の相関が認められる

ファイザー株式会社は11月28日、米国心臓協会(American Heart Association)の年次学術総会で発表された5年間にわたるTreating to New Targets(TNT)試験の事後サブ解析の結果によると、心血管疾患の既往のある患者にリピトール(一般名:アトルバスタチンカルシウム)を投与したところ、腎機能の改善と主要な心血管イベントのリスク低下に強い相関があることが認められたと発表した。

HIV感染乳児への抗レトロウイルス療法戦略

HIV感染乳児は年長児よりも疾患の進行が早く、死亡率も高い。特にCD4リンパ球の割合(CD4パーセンテージ)が高いほどその傾向が強まる。そのため抗レトロウイルス療法の早期開始が求められるが、利用できる薬剤や毒性の問題などが解決されていなかった。本報告は、HIV感染乳児への抗レトロウイルス療法戦略を検討するChildren with HIV Early Antiretroviral Therapy(CHER)試験のフェイズIIIからの早期アウトカムの報告で、NEJM誌2008年11月20日号に掲載された。

ロスバスタチン、健康そうな人にも有益:JUPITER

高脂血症治療薬ロスバスタチン(商品名:クレストール)について、高脂血症ではない(LDL-C値が正常か低値)が高感度CRP(C反応性蛋白)が上昇している健康そうな人も、投与によって利益が得られることが報告された。高感度CRPは炎症バイオマーカーで、心血管イベントを予測できる。スタチンがコレステロールだけでなくCRPも低下することから検証されたJUPITER試験の結果で、NEJM誌2008年11月20日号(オンライン版2008年11月9日号)にて掲載された。

停留睾丸の男児に、クラインフェルター症候群などの遺伝子変調が高率

持続性または両側性の停留睾丸の男児には、クラインフェルター症候群などの遺伝子変調が、そうでない男児より高率で見られることが明らかにされた。これは、イタリアUniversity of PadovaのAlberto Ferlin氏らが、600人の停留睾丸の男児について行ったケース・コントロール試験で明らかにしたもので、JAMA誌2008年11月19日号で発表されている。

イチョウ葉エキスに認知症予防効果なし

イチョウ葉エキス(学術名:ギンコウ・ビロバ)サプリメントには、認知症の発症予防効果はないようだ。米National Center for Complementary and Alternative MedicineのSteven T. DeKosky氏らが、5ヵ所の医療施設で行った、無作為化プラセボ対照二重盲検試験で明らかにしたもので、JAMA誌2008年11月19日号で発表された。ギンコウは、認知力や記憶力の温存に効果があるとして広く使われているものの、これまで、その効果の有無を示す適切な研究は少なかった。

医学生の不節制飲酒を正すためにも

米国医学生の多飲、不節制飲酒は、同年代で広がっているほどではないものの、ごく一般的に見られること、また医学教育のルーチンな臨床トレーニングとして、飲酒に関するスクリーニングやカウンセリングを取り入れることが、ガイドラインで推奨され費用対効果に優れたカウンセリングによる患者ケアの実施率を上げ、学生および一般の多飲酒者を減らすことに結びつくとの報告が、ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)のErica Frank氏らによって報告された。BMJ誌2008年11月15日号(オンライン版2008年11月7日号)より。

カウンセリングに「満足」→消耗感軽減→労働時間短縮:ノルウェー医師

医師のメンタルヘルスに関して、バーンアウト(燃え尽き症候群)や情緒的消耗感予防のためにも早期介入が必要であるとの研究報告は多いが、介入を評価した報告はほとんどなく、あっても追跡期間が短い。Modum Bad Research Institute/オスロ大学(ノルウェー)のKarin E Isaksson Ro氏らは、ストレス下にある医師へのカウンセリング介入後1年間追跡調査を行い、バーンアウトのレベルや変化の現れを調査した。BMJ誌2008年11月15日号(オンライン版2008年11月11日号)より。