2013年3月13日から16日までスイス ザンクト・ガレンにて第13回ザンクト・ガレン乳癌カンファレンス2013が開催された。この重要な会議における、実用的な情報をニュートラルに提供するため、ケアネットでは会員現役ドクターによる聴講レポートを企画。現在そして今後の乳がん診療トレンドを本日から紹介する。
レポートより一部抜粋
Dumayら(2013年)は乳がんのサブタイプ別に検討し、
p53変異はluminal A 17%,luminal B 41%,HER2+ 50%,molecular apocrine 69%,basal-like 88%であった。
従来は、p53のwild typeではDNA損傷があるとアポトーシスが起こるため治療効果が高く、p53変異があるとアポトーシスを起こさないため、治療への反応が悪いと考えられてきた。しかしER陽性乳がんでは、しばしばp53 wild typeであるが、p53変異が高頻度であるER陰性乳がんと比べて化学療法への反応性が不良である。p53と化学療法への反応を考えるとき、乳がんのサブタイプ、治療の目的、化学療法のレジメン、そしてp53評価の方法を考慮する必要がある。進行性または炎症性乳がんにおけるdose-dense ACの効果とp53の状況をみたとき、p53 wild typeではpCRが0であったのに対し、p53変異があったものでは15/28でpCRがみられた。予後もp53変異のあったもので良好であったが、タキサンベースでは予後に差がなかった......
その他にも第一弾として
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経過観察中に再発を発見するための検査:患者の安心のため?それとも医学的必要性?
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浸潤前および浸潤性乳がんの補助療法におけるゲノミクスの影響
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ゲノムから臨床へ:我々は翻訳によって混乱するか
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ザンクト・ガレン乳癌カンファレンス2013 会員聴講レポート