急性腰痛にデキサメタゾン静注は有効か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/09/05 神経根障害を伴う腰痛はデキサメタゾン単回静脈内投与により軽減するのだろうか。オーストラリア・ボンド大学のRavichandra Balakrishnamoorthyらが、救急診療部の患者を対象にプラセボ対照二重盲検比較試験を行い、上記治療の通常治療への追加により神経根障害を伴う腰痛患者の疼痛を短期的に改善することを明らかにした。6週後では効果に有意差はみられなかったものの、デキサメタゾン投与により救急診療部滞在時間が減少することが示唆され、著者は「デキサメタゾン単回静脈内投与は標準的治療の補助療法として安全と考えられる」とまとめている。Emergency Medicine Journal誌オンライン版2014年8月13日号の掲載報告。 試験は、3次救急病院1施設および都市部の救急診療部1施設にて行われた。 対象は、救急診療部の神経根障害を伴う腰痛患者58例で、通常の治療にデキサメタゾン8mgまたはプラセボを単回静脈内投与した。 主要評価項目は24時間後における疼痛強度(視覚アナログスケール[VAS])の試験開始時からの変化量、副次的評価項目は6週後の疼痛強度(VAS)、救急診療部滞在時間、下肢伸展挙上テスト(SLR)、およびオスウェストリー機能スコアであった。 主な内容は以下のとおり。 ・24時間後におけるVASスコア変化量は、デキサメタゾン群-2.63(95%信頼区間[CI]:-3.63~-1.63)、プラセボ群-0.77(同:-2.04~0.51)で、デキサメタゾン群がプラセボ群より1.86ポイント(95%CI:0.31~3.42、p=0.019)有意に大きかった。 ・6週後も試験開始時に比べVASスコアの有意な減少が持続していたが、両群で類似していた。 ・デキサメタゾン群はプラセボ群より救急診療部滞在時間が有意に短く(中央値:3.5時間 vs 18.8時間、p=0.049)、退院時のSLRも改善していた(14.7度、p=0.040)。 ・オスウェストリー機能スコアは、両群で差はなかった。 ■「デキサメタゾン」関連記事 術前デキサメタゾン追加で術後24時間の嘔吐が低減/BMJ (ケアネット) 原著論文はこちら Balakrishnamoorthy R, et al. Emerg Med J. 2014 Aug 13. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] Dr.須藤のやり直し酸塩基平衡 (2018/12/15) 肩腰膝の痛みをとる Dr.究のあなたもできるトリガーポイント注射 (2018/11/15) 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.3(2018/08/07) 第4回 特別編 覚えておきたい熱中症の基本事項【救急診療の基礎知識】(2018/07/25) 指導医が語る心得のような本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第5回(2018/05/15) Dr.林の笑劇的救急問答13<下巻>(2018/02/07) Dr.志賀のパーフェクト!基本手技 (2018/01/07) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【整形外科編】(2017/12/07) Dr.林の笑劇的救急問答13<上巻>(2017/10/07) 救急エコー最速RUSH! (2017/07/07)