米国食品医薬品局(FDA)は2015年10月2日、抗PD-1抗体pembrolizumab(Keyrtruda, Merck&Co.)を進行非小細胞肺がん(NSCLC)治療薬として迅速承認した。PDL-L1のコンパニオン診断キットPD-L1 IHC 22C3 pharmDx(Daco North America Inc.)とともに用いることとなっている。
pembrolizumabの有効性は、550例の進行NSCLC患者による多施設、オープンラベル試験Keynote001のサブグループ解析として61例の患者で評価された。対象はプラチナベースの化学療法治療によって、またALKやEGFRなどの遺伝子変異がある場合は適切な分子標的薬によって治療されたにもかかわらず進行したNSCLCで、PD-L1発現陽性の患者。被験者はpembrolizumab10mg/kgを2週または3週ごとに投与された。その結果、患者の41%に腫瘍縮小がみられ、効果は2.1~9.1ヵ月持続した。
安全性は、Keynote001に登録された550例で評価された。頻度の高い有害事象は疲労感、食欲減退、息切れ、呼吸困難、咳であった。免疫関連有害事象の発症は肺、結腸、内分泌腺にみられ、まれなものとして皮疹、血管炎などがあった。また、発育中の胎児、新生児の影響から、妊娠中および授乳中の患者への投与は避けることとなっている。
pembrolizumabは当該適応のブレークスルー治療薬に指定され、優先審査の対象となっていた。
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(ケアネット 細田 雅之)