日本メドトロニック株式会社は10月5日、不整脈の一種である薬剤抵抗性を有する再発性症候性の発作性心房細動を目的とした冷凍アブレーションカテーテル「Arctic Front Advance 冷凍アブレーションカテーテル(以下、Arctic Front Advance)」を、全国で発売開始した。バルーン型、冷凍方式のアブレーションカテーテルは日本国内で初となる。
冷凍アブレーションシステムを用いたバルーン形状のアブレーションカテーテルArctic Front Advanceにより、肺静脈を閉塞しながら円周状に冷凍焼灼を行うことで、心房細動を引き起こす不要な電気刺激の回路を遮断する経皮的カテーテル心筋冷凍焼灼術(冷凍アブレーション)治療が可能になる。
心房細動は肺静脈内からの異常な電気信号が原因であることが多く、治療法としては根治を目的とした、肺静脈入口部に電気的な絶縁部(隔離)を形成する心筋焼灼術が知られる。既存のアブレーションは高周波電流で点状あるいは線状で心筋を焼灼することで不要な電気刺激の回路を遮断しているのに対し、Arctic Front Advanceを用いた冷凍アブレーションはバルーンの形状のアブレーションカテーテルにより円周状に焼灼し遮断できるため、手技時間の短縮が期待されるという。
また、従来の高周波電流を用いた焼灼術と比較し、血栓形成リスクの低さや結合組織(コラーゲンなど)の温存など合併症発生の軽減につながることが期待されている。そして、亜酸化窒素ガスによる冷却を利用した治療法であるため、肺静脈周囲の組織とバルーンが固着することにより、カテーテルを安定的に保持することが可能になった。
なお、Arctic Front Advanceの導入には、日本不整脈心電学会のウェブサイトに掲載されている「経皮的カテーテル心筋冷凍焼灼術に関する施設基準」を満たす必要がある。
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(ケアネット)