統合失調症のバイオマーカーとなりうる低メチル化率:愛媛大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/07/07 ドパミン仮説に従って、ドパミンD2受容体(DRD2)の遺伝子についていくつかの研究が行われている。しかし、利用できるDRD2のトライトバイオマーカーはない。愛媛大学の吉野 祐太氏らは、白血球におけるDRD2上流領域におけるメチル化率について、統合失調症患者と対照健常者で異なっているかを検討した。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2016年7月6日号の報告。 著者らは、主要な転写因子を結合することができるDRD2上流領域における7CpGサイトを選択した。薬物治療中の統合失調症患者50例と非薬物療法統合失調症患者18例のメチル化率を、年齢をマッチさせた対照健常者と比較した。 主な結果は以下のとおり。 ・薬物治療中の統合失調症患者のメチル化率は、有意に低かった[CpG2(p<0.0001)、CpG4(p=0.013)、CpG7(p<0.0001)、平均:12.9±1.8 vs.14.1±2.2(p=0.005)]。 ・非薬物療法統合失調症患者のメチル化率も、有意に低かった[CpG1(p=0.006)、CpG2(p=0.001)、CpG3(p=0.001)、CpG5(p=0.02)、CpG6(p=0.015)、CpG7(p=0.027)、平均:9.86±0.9 vs.11.2±1.3(p=0.002)]。 ・白血球におけるDRD2の低メチル化率は、統合失調症のトライトバイオマーカーとなりうることが示唆された。 関連医療ニュース 統合失調症の新たなバイオマーカー:順天堂大学 統合失調症の診断・治療に期待!新たなバイオマーカー 統合失調症の遺伝的脆弱性を示す新たなマーカー (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Yoshino Y, et al. World J Biol Psychiatry. 2016 Jul 6:1-8. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 ドパミンD2受容体占有率が服薬に影響?:慶應義塾大学 医療一般 日本発エビデンス(2013/09/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 早期/局所進行TNBCの術前補助療法、camrelizumab追加でpCR改善/JAMA(2025/01/08) 経口SERDとCDK4/6阻害薬併用の有用性(解説:下村昭彦氏)(2025/01/08) 悪性黒色腫、深達度0.8mm以上で関連死リスク上昇(2025/01/08) ペムブロリズマブ、進行再発子宮体がんの1次治療に承認/MSD(2025/01/08) FGFR-TKIエルダフィチニブ、FGFR3遺伝子異常陽性の尿路上皮がんに承認/J&J(2025/01/08) 抗CD20/CD3二重特異性抗体モスネツズマブ、再発/難治濾胞性リンパ腫に承認/中外(2025/01/08) 医師の学会発表と急性心筋梗塞の院内死亡率が関連~日本の後ろ向き研究(2025/01/08) 高齢者の術後せん妄予防に最も効果的な薬剤は〜ネットワークメタ解析(2025/01/08) 炭水化物制限で糖尿病患者のβ細胞機能が改善(2025/01/08) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)