医療一般|page:524

てんかん児は本当に外傷が多いのか

 小児てんかんを有した子どもは外傷が多いというエビデンスは、頭部外傷を除けば存在しないことが示された。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のChristine B. Baca氏らが、地域住民コホートから特定した、患児とその健常な兄弟姉妹を対照群とした後ろ向きケースコントール評価にて報告した。Journal of Pediatrics誌オンライン版2013年9月18日号の掲載報告。

身体活動は胃がんリスクにも好影響

 身体活動は胃がんリスクの減少に関連している可能性がある。米国メイヨークリニックのSiddharth Singh氏らは、その関連の程度とエビデンスの質を評価するために系統的レビューとメタアナリシスを実施した。その結果、公表されている観察研究のメタアナリシスにおいて、身体活動と胃がんリスク減少の関連が示された。著者らは、身体活動増加にフォーカスしたライフスタイルへの介入は、多くの健康上のメリットに加え、世界における胃がんの疾病負担を減少させるかもしれないとしている。Cancer Prevention Research誌2013年9月18日号オンライン版に掲載。

アトピー性皮膚炎治療に有用なタンパク質を発見

 抗菌ペプチドのhuman β-defensin-2(hBD-2)は、アトピー性皮膚炎(AD)の疾患重症度および皮膚バリア機能状態を示すマーカーとして有用である可能性が、デンマーク・コペンハーゲン大学のM.-L. Clausen氏らによる検討の結果、明らかにされた。hBD-2はADスキンに存在することが報告されており、皮膚バリア機能障害との関連が示唆されていた。British Journal of Dermatology誌2013年9月号(オンライン版2013年5月6日号)の掲載報告。

ドパミンD2受容体占有率が服薬に影響?:慶應義塾大学

 慶應義塾大学精神・神経科学教室の竹内 啓善氏らは、Clinical Antipsychotic Trials in Intervention Effectiveness(CATIE)のデータを基に、非定型抗精神病薬の血漿中濃度から推定されるドパミンD2受容体の占有率と患者の服薬態度との関連について検討した。その結果、非定型抗精神病薬の種類により傾向は異なるものの、ドパミンD2受容体占有率が統合失調症患者の服薬態度に影響を及ぼす可能性を示唆した。Schizophrenia Research誌オンライン版2013年9月9日号の掲載報告。

椎間板ヘルニアに対して椎弓間硬膜外ステロイド注入は有効か

 腰椎椎間板ヘルニアの治療において硬膜外注射は広く使用されているが、その有効性や必要性、適応症などについては今も議論が続いている。米国・ルイビル大学のLaxmaiah Manchikanti氏らは、腰椎椎間板ヘルニアや神経根炎の疼痛管理に対する最新の介入法である蛍光透視下の椎弓間硬膜外注射の有効性を評価するため、無作為化二重盲検比較試験を行い、この方法による局所麻酔薬の注入は有効であることを明らかにした。

若年発症統合失調症への第二世代抗精神病薬治療で留意すべき点

 統合失調症患者は一般集団と比較して寿命が短く、その主な死亡原因として心血管疾患が関与している。一方で、第二世代抗精神病薬(SGA)の使用は、有意な体重増加と代謝性副作用と関係していることが知られるが、特定の診断群、とくに若年発症統合失調症における情報は限定的であった。オーストラリア・Orygen Youth HealthのBrian O'Donoghue氏らによる検討の結果、若年発症統合失調症へのSGA治療では、代謝性の副作用に関する定期スクリーニングの必要性が強調されるとともに、肥満症やメタボリック症候群に対する予防および治療の介入が必要であることが報告された。Early Intervention in Psychiatry誌オンライン版2013年8月22日号の掲載報告。

成人の慢性疼痛患者 6人に1人は小児期から

 小児期の慢性疼痛は成人期になっても続く場合があることが、米国・ミシガン大学のAfton L. Hassett氏らのアンケート調査で確認された。成人の慢性疼痛患者の6人に1人は小児期または青年期に慢性疼痛の既往があり、こうした患者の多くは広範痛で、神経障害を来しており、精神疾患や身体機能悪化を伴う傾向にあったという。Journal of Pain誌オンライン版2013年9月9日号の掲載報告。

円形脱毛症に多血小板血漿療法が有望

 円形脱毛症治療について、多血小板血漿(platelet-rich plasma:PRP)療法が安全で有効な治療選択肢となる可能性が示された。イタリア・国際毛髪研究財団(IHRF)のA. Trink氏らが無作為化二重盲検試験による予備的研究の結果、報告した。円形脱毛症は自己免疫疾患であり、炎症性の脱毛が引き起こされる。治療可能性は限られており、治癒的または予防的治療法はない。PRP療法は、皮膚科領域に新たに登場した治療法であり、発毛に有益な役割を果たす可能性が予備的エビデンスとして示唆されていた。

ざ瘡瘢痕の治療間隔とその効果:フラクショナルCO2レーザー

 フラクショナルCO2レーザーを用いたざ瘡瘢痕治療について、治療間隔の違いによる効果と副作用が、デンマーク・オーフス大学病院のBjorn M氏らにより調査・報告された。その結果、フラクショナルCO2レーザー治療によりざ瘡瘢痕が改善したこと、治療間隔が1ヵ月であっても3ヵ月であっても、効果と副作用には影響しなかったことが示された。Lasers in Surgery and Medicine誌オンライン版2013年9月9日号掲載の報告。

椎間関節の重度変形性関節症は高齢者腰痛の独立リスク因子

 高齢者の腰痛に、椎間関節の変形性関節症(OA)は関与しているのだろうか。米国・VA Puget Sound Healthcare System/ ワシントン大学のPradeep Suri氏らは、フラミンガム子孫コホートの高齢者を対象に検討した。その結果、CT画像で確認された重度椎間関節OAの存在と程度は、社会人口統計学的および健康要因や椎間板高とは独立して地域の高齢者の腰痛と関連していることが示されたと報告した。Osteoarthritis and Cartilage誌2013年9月号の掲載報告。