医療一般|page:484

日本男性の勃起硬度はアレと関連していた

 日本人男性7,710人を対象としたWEBベースの断面全国調査において、1日2箱以上の喫煙、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病の既往は、勃起の硬さスケール(EHS: Erection Hardness Score)※の低さと有意な関連を認めることが、東邦大学の木村 将貴氏らによる研究で明らかになった。EHSは、加齢、性行為、性的自信、勃起不全(ED)関連のリスク因子などさまざまな要素と相関が認められた。また、EHSは、EDのモニタリングや治療において有益であり、男性とそのパートナーの性生活の質を改善するための貴重なツールとなりうると考えられる。Sexual medicine誌2013年12月号の報告。

遅発型統合失調症、脳の変化に違い:産業医大

 統合失調症は、早期発症例と遅発例とでは臨床的特徴に違いがあることが明らかとなっている。しかし、これらの相違の根底にある神経メカニズムに関してはほとんどわかっていない。産業医科大学の江頭 一輝氏らは、早期発症例と遅発例の統合失調症患者における形態学的異常を比較した。その結果、今回得られた知見は統合失調症の病態生理学的な理解を改善し、早期発症例と遅発例の神経生物学的な基盤の相違や共通点を明らかにするものである、としている。Neuropsychobiology誌オンライン版2014年10月24日号の報告。

抗炎症薬の抗うつ効果を検証

 これまでいくつかの試験で、抗炎症薬の抗うつ効果が報告されている。しかしながら、結果には一貫性がなく、使用を禁忌とする有害事象がある可能性もあった。デンマーク・オーフス大学のOle Kohler氏らは、抗炎症薬による治療の抗うつ効果と有害事象の系統的レビューを行った。その結果、抗炎症薬による治療(とくに選択的COX-2阻害薬セレコキシブ)は、有害事象を増大することなく抑うつ症状を低減することが示された。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年10月15日号の掲載報告。

コーヒーは悪性黒色腫リスクを減らす?

 これまでの研究報告から、コーヒーや紅茶の成分には抗腫瘍効果があることが示されている。また、疫学研究の中には、コーヒーおよび紅茶を摂取する女性は悪性黒色腫(メラノーマ)リスクが低いと報じているものもある。マサチューセッツ大学アマースト校のHaotian Wu氏らは、WHI(Women's Health Initiative)観察研究コホート(フォローアップ中央値 7.7年)に登録されている6万6,484人の閉経後女性を対象に、コーヒー・紅茶と悪性黒色腫リスクとの関連をプロスペクティブに検討した。その結果、長期的にコーヒーを飲む人の間で悪性黒色腫リスクが低いという観察結果は得られたが、著者らは「摂取の量やタイプによる一貫性が欠如していることから、本結果を過剰解釈することは適切ではない」との見解を示している。European journal of cancer prevention誌オンライン版2014年10月16日号に掲載報告。

小児てんかんの予後予測、診断初期で可能

 小児期てんかん発作の最終的なアウトカムは、治療を要することなくすべての発作が完全寛解することである。一方で、てんかんの臨床経過において、どのくらいの頻度で発作が起きるのか、またいかに早期に発作を予測するかは、家族が小児てんかんの特徴を理解すること、ならびに何を予期すべきかを把握する助けとして価値がある。米国・シカゴにあるアン&ロバート H. ルリー小児病院のBerg AT氏らは、小児期てんかんの最終的なアウトカムとしての完全寛解を予測しうるかどうかを検討する前向きコホート研究を行った。その結果、最初の診断から5年以内の情報(発症年齢や子供の学校での状況、てんかんのタイプなどを含む)により、完全寛解が得られるか否かを予測しうることを報告した。Brain誌オンライン版2014年10月22日号の掲載報告。

若年者への抗精神病薬使用、93%は適応外処方

 スペイン・バルセロナ大学病院のInmaculada Baeza氏らは、4~17歳の小児・青少年における抗精神病薬使用および変化について、精神科専門外来受診者259例を対象に1年間追跡調査した。結果、第二世代抗精神病薬が最も多く処方され、約93%は未承認の適応での使用であった。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2014年10月号の掲載報告。

スマホ版うつ病スクリーニングアプリの精度は

 スマートフォンのアプリケーションは、うつ病スクリーニングにおいて、セルフヘルプ的な介入として有益な可能性がある。しかし、それらの実行可能性と有効性、ならびにアプリユーザーの特徴に関する情報は限られていた。オーストラリア・シドニー大学のNasser F BinDhim氏らは、スマホアプリ版うつ病スクリーニングについて、ユーザーの利用理解度、利用状況および利用者特徴を検討するために横断研究を行った。その結果、ユーザーの4分の1がうつ病診断歴を有していたこと、またハイリスク例が6~8割程度含まれていたことなどを報告。多くの国でスマホアプリによるうつ病スクリーニングが実際に活用できる可能性を示唆した。Journal of American Medical Informatics Association誌オンライン版2014年10月17日号の掲載報告。

日本人、レベチラセタム静注の薬物動態

 2014年7月に本邦で承認されたレベチラセタムの静注製剤は、日本を除く世界の実臨床で数年にわたり使用されている。ベルギー・UCB Pharma社のNathalie Toublanc氏らは、日本人健康成人ボランティアにおいて、レベチラセタムの静注製剤と経口製剤の生物学的同等性を評価するとともに、日本人vs. 白人のレベチラセタム静注製剤の薬物動態を検討した。その結果、日本人健康成人においてレベチラセタム1,500mgの、単回静脈内投与と単回経口投与の生物学的同等性は示されなかった。また、レベチラセタム1,500mgの単回および反復静脈内投与後の薬物動態プロファイルについて、日本人と白人でおおむね類似していることを報告した。European Journal of Drug Metabolism and Pharmacokinetics誌オンライン版2014年10月5日号の掲載報告。