医療一般|page:266

ペムブロリズマブ+アキシチニブ、腎細胞がん1次治療のOS延長持続(KEYNOTE-426)/Lancet Oncol

 化学療法未治療の進行性腎細胞がん患者に対する、ペムブロリズマブ+アキシチニブ併用とスニチニブ単独の有効性を比較したKEYNOTE-426試験の長期有効性・安全性を支持する結果が示された。同試験の中間解析では併用群が優れていることが示されているが、英国・Barts Cancer CentreのThomas Powles氏らは長期追跡の探索的解析を行い、その優れた有効性が維持されていたと発表した。結果を踏まえて著者は、「今回示された結果は、進行性腎細胞がんの標準治療としてのペムブロリズマブ+アキシチニブ併用による1次治療を、さらに支持するものである」とまとめている。Lancet Oncology誌オンライン版2020年10月23日号掲載の報告。

新型コロナ、どの国のワクチンを希望する?医師1,000人アンケート

 新型コロナワクチン接種の優先対象について、厚生労働省は11月9日の厚生科学審議会において、高齢者や基礎疾患がある人を優先的に接種する方針を固めた。今後はどのような基礎疾患を有する人を対象にするのかが話し合われる予定だ。今回の話し合いでは医療者への優先接種が見送りとなったが、医療者では接種を求める者と接種に抵抗を示す者はどの程度いるのだろうかー。そこで、ケアネットでは10月15日(木)~21日(水)の期間、会員医師1,000人に対し「医師のワクチン接種に対する心境について」に関するアンケートを実施。その結果、全回答者のうち接種を希望するのは61.2%だった。

COVID-19への初期診療の手引きVer.3.0公開、改訂点は?/日本プライマリ・ケア連合学会

 日本プライマリ・ケア連合学会(理事長:草場 鉄周)は、11月12日の同連合学会のホームページ上で冬季の診療に対応するために改訂した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き Ver.3.0」(ダウンロード可能)を公開した。  今回の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き」の改訂では、最新の疫学データのほか、PCR検査を希望する患者への説明、各種検査法、医療従事者が暴露した場合の対応、参照資料の充実など変更されたほか、各章の図表などもアップデートされている。

禁煙とうつ病~メタ解析

 禁煙は健康、とくにメンタルヘルスに好影響を及ぼす可能性がある。イラン・Baqiyatallah University of Medical SciencesのSohrab Amiri氏は、禁煙者におけるうつ病有病率を明らかにするため、検討を行った。Journal of Addictive Diseases誌オンライン版2020年10月21日号の報告。  PRISMAガイドラインを用いて、メタ解析を実施した。2020年7月までに英語で報告された研究を、PubMed、Scopusより検索した。うつ病の有病率に関連する結果を算出し、プールした。

Moderna社の新型コロナワクチン、有効率94.5%を示す/第III相試験中間解析

 Moderna社は、COVID-19に対するワクチン候補であるmRNA-1273の第III相試験(COVE試験)の最初の中間分析において、ワクチンの有効率が94.5%と統計学的な有意差を示したことを11月16日に発表した。今後数週間以内に米国食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可(EUA)を申請する予定という。  第III相COVE試験は、米国で18歳以上の参加者を対象に、用量100μgで28日間隔・2回投与でmRNA-1273の有効性を評価する無作為化1:1プラセボ対照試験。10月22日に3万人の登録を完了した。参加者には7千人以上の高齢者(65歳以上)、5千人以上の慢性疾患(糖尿病、重度の肥満、心臓病など)を有する患者が含まれる。

HPVワクチン、国は積極的勧奨を早急に再開すべき/日本癌治療学会

 7月に9価HPVワクチンが国内承認され、10月に4価HPVワクチンの有効性を確認した論文がNEJM誌に掲載されるなど、今年に入ってHPVワクチンに関連する動きが出ている。10月に開催された第58回日本癌治療学会学術集会では、こうした動向を踏まえ、会長企画シンポジウム「HPV関連癌の疫学からみる予防戦略」が開催された。  この中で、大阪労災病院の田中 佑典氏は「HPV感染から見る子宮頸癌の現在の問題点と予防対策」と題し、国内のHPVワクチン接種に関するこれまでの経緯を振り返り、今後の予防戦略をどう行っていくべきかをテーマに講演を行った。

PALB2病的変異を有する遺伝性乳がん、日本での臨床的特徴は/日本癌治療学会

 PALB2はBRCA2と相互作用するDNA修復に関連する分子で、PALB2遺伝子変異は乳がん、卵巣がんのリスクを増加させ、すい臓がんとの関連も指摘される。PALB2生殖細胞系列病的遺伝子変異(pathogenic or likely-pathogenic germline variant: PGV)を有する女性の70歳までの乳がんリスクは約35~50%、生涯の乳がんリスクは約5~8倍とされるが1)、その臨床的特徴に関する知見は限られる。樋上 明音氏(京都大学乳腺外科)らは、日本人乳がん患者約2千例を調査し、PALB2 PGV症例の頻度と臨床的特徴について、第58回日本癌治療学会学術集会(10月22~24日)で報告した。

双極性障害の自殺リスクと関連因子

 双極性障害(BD)の重要な特徴の1つとして、非精神医学的合併症や自殺による過剰な死亡リスクとの関連が挙げられる。米国・ハーバード大学医学大学院のLeonardo Tondo氏らは、BDにおける自殺の状況をレビューし、自殺リスクを予防できる可能性を検討した。Bipolar Disorders誌オンライン版2020年10月9日号の報告。  BDにおける自殺に関連する最近の研究報告についてセミシステマティックレビューを実施した。  主な結果は以下のとおり。

ニボルマブ・イピリムマブ併用NSCLC1次治療、日本人の結果(CheckMate-227)/日本肺癌学会

 第61回日本肺癌学会学術集会においてがん研有明病院の西尾 誠人氏が非小細胞肺がん(NCSLC)1次治療CheckMate-227試験Part1の3年フォローアップデータから、ニボルマブ・イピリムマブ併用の日本人サブセットの分析結果を発表した。 ・対象:未治療のPD-L1発現1%以上(Part1a)および1%未満(Part1b)のStageIVまたは再発NSCLCの初回治療患者(PS 0~1、組織型問わず) ・試験群:ニボルマブ+イピリムマブ群      ニボルマブ単剤群(TPS1%以上)      ニボルマブ+化学療法群(TPS1%未満) ・対照群:化学療法(組織型により選択)単独群 ・評価項目:

内視鏡検査・治療法の選択肢広がる―『大腸ポリープ診療ガイドライン2020』

 日本人のがん死亡数を部位別にみると、大腸がんは女性で1位、男性で3位となっている(男女合わせると第2位)。 早期発見・早期の適切な治療により完治を目指せるが、欧米諸国と比較すると検診受診率が大幅に低く、死亡数は増加が続いている。今年6月に6年ぶりに改訂された日本消化器病学会編『大腸ポリープ診療ガイドライン2020』(改訂第2版)では、新たなスクリーニング手法として大腸カプセル内視鏡検査、内視鏡治療法としてcold snare polypectomy(CSP)が加わり、検査・治療における選択肢が広がっている。ガイドライン作成委員長を務めた田中 信治氏(広島大学病院内視鏡診療科 教授)に、大腸ポリープ診療ガイドライン2020の改訂のポイントについてインタビューを行った(zoomによるリモート取材)。  今回の大腸ポリープ診療ガイドライン2020の改訂ではCQ(clinical question)として推奨文を明記するのは「診療において複数の選択肢がある」18項目に絞り、すでに結論が明らかなものはBQ(background question)として整理された(57項目)。また、エビデンスが存在せず、今後の研究課題であるものとして3項目のFRQ(future research question)が設定されている。

統合失調症の日本人高齢者に対するブレクスピプラゾールの長期有効性、安全性

 東京女子医科大学の稲田 健氏らは、統合失調症の日本人高齢者に対するブレクスピプラゾールの長期的な有効性、安全性、忍容性を評価するため、検討を行った。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2020年10月6日号の報告。  4週間の切り替え期間と52週間の非盲検期間の2つのフェーズで構成された56週間にわたるブレクスピプラゾール長期試験の事後分析を行った。陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)合計スコアの平均変化量、治療反応率、治療中に発現した有害事象(TEAE)の数と発生率、その他の安全性パラメータの分析には、年齢層ベース(65歳以上の高齢者と65歳未満の非高齢者)の記述統計学を用いた。

医療従事者の新型コロナ感染に対応の補償制度スタート/日本医師会

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に限定した医療従事者対象の労災補償上乗せ保険として、新たな補償制度が創設された。11月9日から募集がスタートしている。COVID-19対応医療機関でなくてもすべての医療機関が加入可能で、より少ない負担で医療従事者に対する補償を行うことができる仕組みとなっている。11月11日の日本医師会定例記者会見で、今村 聡副会長が活用を呼びかけた。  治療の最前線で働く医療従事者が、万一感染した場合であっても一定の収入が補償されることが重要であるとして、COVID-19患者に対応した医療従事者が感染し休業した場合の支援制度への補助を日本医師会では国に対して要望してきた。今回創設された本制度では日本医師会他医療団体からの寄付金、国の補助金が充当される。今村氏は、「感染拡大が顕著になる中、医療従事者が万一罹患した場合の収入面の不安を少しでも解消し、安心して医療に従事するためのサポートとして、より多くの医療機関に加入していただきたい」と話した。

認知症予防に対するサウナの効果

 サウナのような温熱環境の繰り返しの利用は、認知症発症を予防するうえで、有益である可能性が示唆されている。しかし、疫学的エビデンスはあまり多くない。フィンランド国立保健福祉研究所のPaul Knekt氏らは、サウナによる温熱環境(サウナの利用頻度、セッション回数、滞在時間、温度)とその後の認知症発症リスクとの関連を調査するため、プロスペクティブコホート研究を実施した。Preventive Medicine Reports誌2020年10月2日号の報告。  対象は、Finnish Mobile Clinic Follow-up Surveyにおける認知症でない30~69歳の男女1万3,994例。フォローアップ期間39年の間に、1,805例が認知症と診断された。サウナの利用状況は、アンケートにより収集した。Coxモデルに基づく分析には、サウナ利用変数と潜在的な交絡因子を含めた。

双極性障害の向精神薬多剤併用に影響を及ぼす因子~MUSUBI研究の分析

 北海道・足立医院の足立 直人氏らは、医師が双極性障害に用いる治療薬を選択する際に影響を及ぼす因子を明らかにするため、日本における全国調査のデータを用いて検討を行った。Human Psychopharmacology誌オンライン版2020年10月22日号の報告。  精神科クリニック176施設より、双極性障害外来患者3,130例の臨床データを、連続的に収集した。患者の一般的特性5項目(性別、年齢、教育、職業、社会的適応)、患者の精神疾患特性5項目(発症年齢、併存する精神疾患、ラピッドサイクラー、精神病理学的重症度、フォローアップ期間)、医師特性5項目(性別、年齢、専門医経験年数、開業年数、開業場所)の合計15項目について評価を行った。薬物療法の指標として、向精神薬(気分安定薬、抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬、催眠鎮静薬)の数を用いた。各クリニックから収集したデータを分析した。

未治療CLLへのベネトクラクス+オビヌツズマブ、PFS延長を維持/Lancet Oncol

 ベネトクラクス+オビヌツズマブ療法の長期有効性の知見が報告された。同療法はCLL14試験において、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対する固定期間治療のレジメンとして確立されたが、ドイツ・ケルン大学のOthman Al-Sawaf氏らは、同試験における治療中止後の有効性をchlorambucil+オビヌツズマブ療法と比較した。その結果、治療中止から2年後においても、ベネトクラクス+オビヌツズマブは、chlorambucil+オビヌツズマブと比較し無増悪生存期間(PFS)の有意な改善を維持していることが示された。著者は「この結果は、ベネトクラクス+オビヌツズマブを固定期間治療の選択肢として支持するものだ」とまとめている。Lancet Oncology誌2020年9月号掲載の報告。  CLL14試験は、21ヵ国196施設で実施された多施設共同無作為化非盲検第III相試験。研究グループは、18歳以上で併存疾患(累積疾患評価尺度[CIRS]の総スコアが6超またはクレアチニンクリアランスが30~69mL/分)を有する未治療CLL患者を、ベネトクラクス+オビヌツズマブ群とchlorambucil+オビヌツズマブ群に、1対1に無作為に割り付けた。

がん患者、抗凝固薬の中止時期を見極めるには/日本癌治療学会

 がん患者は合併症とどのように付き合い、そして医師はどこまで治療を行うべきか。治療上で起こりうる合併症治療とその中止タイミングは非常に難しく、とりわけ、がん関連血栓症の治療には多くの腫瘍専門医らは苦慮しているのではないだろうかー。  10月23日(金)~25日(日)にWeb開催された第58回日本癌治療学会学術集会において、会長企画シンポジウム「緩和医療のdecision making」が企画された。これには会長の弦間 昭彦氏の“Decision Makingは患者の治療選択時に使用される言葉であるが、医療者にとって治療などで困惑した際に立ち止まって考える機会”という思いが込められている。

「新型コロナウイルス感染症~日独の対応」Web講演開催/日本国際医学協会

 日本国際医学協会では、2020年11月26日(木)18時より、第60回国際治療談話会総会「新型コロナウイルス感染症~日独の対応」をWeb講演で開催する。日独それぞれにおける治療の実際、防疫課題についての講演が行われる。 <新型コロナウイルス感染症~日独の対応> 日時:2020年11月26日(木) 18:00~21:00(Web講演) 司会:近藤 太郎氏、ゲオルグ・K・ロエル氏(日本国際医学協会) 【講演I】新型コロナウイルス感染症の臨床像と治療の実際 演者:大曲 貴夫氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター長)、オリバー・ヴィッツケ氏(エッセン大学病院感染症科 教授、西ドイツ感染症センター[WZI] 理事)

境界性パーソナリティ障害患者の再入院と抗精神病薬使用量との関係

 国立精神・神経医療研究センターの山田 悠至氏らは、境界性パーソナリティ障害の入院患者における再入院に関連する予測因子を特定するため、検討を行った。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2020年10月10日号の報告。  本観察研究では、2013年1月~2016年1月に国立精神・神経医療研究センター病院に入院した境界性パーソナリティ障害患者83例を対象に評価を行った。データは、電子カルテよりレトロスペクティブに収集した。

Pfizer社の新型コロナワクチン、接種28日目以降の予防効果確認/第III相試験中間解析

 Pfizer社とBioNTech社が開発している、SARS-CoV-2に対するmRNAベースのワクチン候補BNT162b2の第III相試験の最初の中間解析で、感染歴のないボランティアへの2回目の投与(初回から21日後)の7日目以降に90%以上のワクチン有効率を示した。これは、ワクチン接種の開始から28日目以降の予防効果が達成されたことを意味する。Pfizer社とBioNTech社が11月9日に発表した。11月第3週に米国食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可(EUA)を申請する予定という。  BNT162b2の第III相試験は7月27日に開始。現在までに4万3,538人が登録され、そのうち3万8,955人が11月8日時点で21日間隔・2回目の投与を受けている。中間解析は、評価可能なCOVID-19症例数が94例に達した時点で外部の独立データモニタリング委員会により行われ、2回目の投与の7日後に90%を超えるワクチン有効率を示した。今後の研究の進行に応じて、最終的な有効率は変わる可能性がある。

双極性うつ病に対する補助的ブライトライト光療法~メタ解析

 双極性障害の効果的な補助療法の1つとして、ブライトライト光療法(BLT)が報告されている。これまでのメタ解析では、光療法による補助療法が、双極性うつ病の重症度を有意に改善させることが示唆されている。しかし、メタ解析に含まれた多くの研究は、ケースコントロール研究であり、不眠症治療と組み合わせたBLTに焦点が当てられていた。大分大学の平川 博文氏らは、双極性うつ病に対する補助的BLTに関するランダム化比較試験(RCT)を抽出し、メタ解析を実施した。Brain and Behavior誌オンライン版2020年10月9日号の報告。