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抗精神病薬のアジア実態調査:高用量投与は36%

 アジア人の高齢統合失調症患者における抗精神病薬の処方状況が調査された。その結果、50歳以上のアジア人統合失調症患者の3分の1以上が高用量の抗精神病薬を使用しており、低~中用量を処方されている患者に比べ罹病期間が長く、現在陽性症状または陰性症状を呈している割合が多く、処方されている抗精神病薬の種類が多いことなどを香港中文大学のYu-Tao Xiang氏らが報告した。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2013年8月13日号の掲載報告。

ビタミンDはアトピー性皮膚炎に有用

 ビタミンDの補給は、アトピー性皮膚炎の臨床症状改善に有用である可能性が示された。安全性、忍容性とも良好だという。ポーランド・ワルシャワ医科大学のZbigniew Samochocki氏らによる検討の結果、報告された。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年8月号(オンライン版2013年5月2日号)の掲載報告。  ビタミンDには免疫調整作用がある。免疫機構はアトピー性皮膚炎(AD)の病因となっていることから、ビタミンDがADの病態に影響を及ぼす可能性があった。そこで研究グループは、AD患者におけるビタミンD濃度と臨床的・免疫学的・体質的・環境的因子との関連を調べること、またビタミンDの補給がADの臨床症状に影響を及ぼすかどうかについて検討することを目的とした。

確実な紫外線対策は物的バリアで

 日焼けによる損傷は、悪性黒色腫と関連した最も重要な環境要因だが、スペイン・バルセロナ大学のCristina Carrera氏らは、母斑への紫外線誘発の影響を防御することを目的とした日焼け止め外用の効果について、物的バリアとの比較で検証した。その結果、日焼け止めには物的バリアほど炎症性の紫外線の影響を防御する効果がないことを報告した。JAMA Dermatology誌2013年7月号の掲載報告。

SSRI/SNRI治療患者の約7割はアドヒアランス不良

 イタリア・ボローニャ大学のElisabetta Poluzzi氏らは、過去6年間の抗うつ薬処方の傾向と、SSRIまたはSNRIの治療を受ける患者のアドヒアランスについて評価した。その結果、過去6年間で抗うつ薬消費量は20%増えていたこと、SSRI/SNRI治療のアドヒアランスは23.8%であったことなどを報告した。European Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2013年8月1日号の掲載報告。

大腸用カプセル内視鏡が承認取得~こわくない、恥ずかしくない大腸検査~

 大腸がん検診で便潜血検査が陽性となり要精密検査とされても、大腸内視鏡検査を受診しない人は4割以上に上る。その理由としては「自覚症状がないから」が最も多いが、「痛くてつらそう」「恥ずかしい」という理由も多いという。こうした状況のなか、2013年7月、ギブン・イメージング株式会社の大腸用カプセル内視鏡「PillCam® COLON 2カプセル内視鏡システム」が、審査期間10ヵ月というスピードで承認された。これにより、大腸内視鏡検査をさまざまな理由で受けられない人たちの精密検査のオプションとして提供されることになった。今後、保険適用が認められれば検査数が大幅に増加することが予想される。  

腰痛予後不良の予測因子は疼痛強度と思い込み

 腰痛の長期予後に関する予測因子はほとんどわかっていない。英国・キール大学のPaul Campbell氏らは、プライマリ・ケアにおける腰痛患者を前向きに5年間追跡した結果、疼痛強度および腰痛が持続するかどうかについての患者の認識が、6ヵ月後および5年後の予後不良を予測する因子であることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「両因子が臨床的な介入目標となる可能性がある」と結論している。

抗精神病薬による高プロラクチン血症に関するレビュー

 フランス・Etablissement Public De Sante Mentale(EPSM)のI. Besnard氏らは、抗精神病薬の有害事象である高プロラクチン血症に着目し、文献から得られた知見を基にレビューを行った。プロラクチンを増加させる抗精神病薬とプロラクチン増加を起こしにくい抗精神病薬があること、高プロラクチン血症は男性に比べ女性でより高頻度にみられ、性腺機能不全による症状がみられること、必要に応じて抗精神病薬の減量または変更を行う必要性などを報告した。Encephale誌オンライン版2013年8月5日号の掲載報告。

コクサッキーウイルスと天疱瘡は関連しているのか

 天疱瘡は自己免疫性水疱症であり、原因とされるウイルスは複数あるとされている。トルコ・パムッカレ大学のNida Kacar氏らは、コクサッキーウイルス(CV)が天疱瘡患者において認められるかを調べた。CVは、手足口病の原因ウイルスの一つであり、自己免疫疾患と強い関連がある。著者らは、CV感染とセファロスポリンによる治療後に天疱瘡の発症が報告されたことを受けて本検討を行った。

母乳での哺乳で学童期の肥満リスクが低下~全国縦断調査データより

 これまでの研究では母乳での哺乳が子供の肥満を予防することが示唆されているが、社会経済的な状況や子供の生活習慣による交絡の可能性があるため、決定的なエビデンスはない。また、これまではほとんどが欧米先進国の子供での研究であったため、他の対象における研究が待たれている。岡山大学の山川路代氏らは、日本における母乳での哺乳と学童期の過体重・肥満との関連について、潜在的な交絡因子を調整して検討し、その結果をJAMA pediatrics誌オンライン版2013年8月12日号に報告した。

ミノサイクリン、腰椎ヘルニア術後疼痛を改善せず

 腰椎椎間板切除の周術期におけるミノサイクリン(商品名:ミノマイシン)8日間投与の術後疼痛の軽減効果について検討したフランス・INSERMのValeria Martinez氏らによる無作為化二重盲検比較試験の結果、有効性は認められなかったことが報告された。ミノサイクリンは、慢性疼痛の主な発症機序である中枢性感作に関与するミクログリアの活性化を強く阻害することから、腰椎椎間板切除後の持続性疼痛を軽減することが期待されていた。

セロトニン3受容体、統合失調症の陰性症状改善に期待:藤田保健衛生大学

 統合失調症患者に対する5-HT3受容体拮抗薬による治療成績は、それぞれの無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験の結果により異なっている。藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、5-HT3受容体拮抗薬は統合失調症治療に有効であると仮説を立て、検証を行った。Neuromolecular medicine誌オンライン版2013年7月30日号の報告。

脳卒中の死亡率と治療コストは病院規模により異なる

 病院規模と脳卒中患者の転帰の関係は明らかではなく、脳卒中のサブタイプごとの関係はほとんど知られていない。ハーバード大学の津川友介氏らは、病院規模(退院数)と脳卒中の院内死亡率や治療コストとの関連を、国立病院データベースの二次データ分析によって検討した。その結果をMedical care誌2013年9月号に報告した。