医療一般|page:377

認知症を除外できない?高齢者の新運転免許制度

 多発する高齢ドライバーによる事故を防ぐため、2017年3月の道路交通法改正で75歳以上の運転免許更新の手続きが変更になったが、新制度でも認知症の高齢者を必ずしもスクリーニングできていない―。八千代病院認知症疾患医療センターの川畑信也氏は、5月25日~27日大阪で開催された日本抗加齢医学会の「自動車運転の現在と未来」と題したシンポジウムで、こうした問題提起を行った。

男女の排尿時間はどちらが長いか?~日本抗加齢医学会総会

 「あなたは自分が何秒間おしっこしているか知っていますか?」  男女別の排尿時間という、これまで泌尿器科、婦人科の世界できちんと検証されてこなかったシンプルな疑問を明らかにしたのは、旭川医科大学病院臨床研究支援センターの松本 成史氏。5月25日~27日に大阪で開催された日本抗加齢医学会のシンポジウム中でその研究成果を発表した。

降圧薬が皮膚がんのリスク増加に関連

 米国・マサチューセッツ総合病院のK.A. Su氏らによる調査の結果、光感作性のある降圧薬(AD)による治療を受けた患者では、皮膚の扁平上皮がん(cSCC)のリスクが軽度に増加することが明らかになった。多くのADは光感作性があり、皮膚の日光に対する反応性を高くする。先行の研究では、光感作性ADは口唇がんとの関連性が示唆されているが、cSCCの発症リスクに影響するかどうかは不明であった。British Journal of Dermatology誌オンライン版2018年5月3日号掲載の報告。

統合失調症におけるアドヒアランス不良と医療費との関係

 統合失調症治療における服薬アドヒアランス不良は、重大な問題となっている。アドヒアランス不良が医療費に及ぼす影響を理解することは、治療アドヒアランスが懸念される際に行われる介入の費用対効果を評価するうえで重要である。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのMark Pennington氏らは、統合失調症治療における抗精神病薬のアドヒアランス不良が医療費へ与える影響に関して、利用可能な文献による包括的なレビューを行った。PharmacoEconomics誌オンライン版2018年4月26日号の報告。

リアルワールドエビデンスを活用したSGLT2阻害薬の治療ゴールとは

 2018年5月15日、アストラゼネカ株式会社は、「リアルワールドデータから見えるSGLT2阻害剤による糖尿病治療の新たなステージ~日本人を含むCVD‐REAL2研究の結果によって示唆される日本人糖尿病患者さんのベネフィットや真の治療ゴールとは~」をテーマとしたプレスセミナーを開催した。香坂 俊氏(慶應義塾大学医学部 循環器内科 講師)と門脇 孝氏(東京大学医学部付属病院 特任研究員・帝京大学医学部 常勤客員教授)の2名が講師として招かれ、リアルワールドエビデンス(RWE)の未来と糖尿病治療のエビデンスへの活用についてそれぞれ解説した。

ミルクチョコ vs.ダークチョコ、視力に良いのは?

 ダークチョコレートは、短期間の血流改善や、気分および認知機能を改善するが、視機能に対する影響はほとんど知られていない。米国・University of the Incarnate Word Rosenberg School of OptometryのJeff C. Rabin氏らは、無作為化クロスオーバー単盲検試験の結果、ダークチョコレートはミルクチョコレートと比較し、摂取2時間後のコントラスト感度と視力を有意に改善したことを報告した。著者は「これらの効果の持続期間や日常臨床での影響については、さらなる検討が待たれる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2018年4月26日号掲載の報告。

複合型ADHD児における運動能力がADHD症状と睡眠問題に及ぼす影響

 複合型注意欠如多動症(ADHD-Combined Type:ADHD-CT)の小児は、睡眠や運動に関する問題を有する割合が高いといわれている。オーストラリア・ディーキン大学のNicole Papadopoulos氏らは、小児においてADHD-CTの有無にかかわらず、運動能力がADHD症状と睡眠問題との関係を緩和するか、この緩和によりADHD診断に違いがあるかについて検討を行った。Behavioral sleep medicine誌オンライン版2018年3月12日号の報告。

きっちり飲める降圧薬は2剤まで?

 高血圧症治療に対する医師の満足度は、2014年度時点で98.9%と高いにもかかわらず、降圧目標達成率は、2013年の研究によると男性30%、女性40%と低いことが報告されている。日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は「医師および高血圧患者の高血圧治療に対する意識の実態調査」を実施し、その結果は医学雑誌「血圧」に調査研究として掲載された。

中高生時代の部活が心血管死リスクに影響か~日本人7万人調査

 日本人の中高生時代における運動部への参加と成人期の運動習慣が心血管疾患(CVD)死亡率にどのように関連するのかを、米国・Harvard T.H. Chan School of Public Healthのゲロ クリスティーナ氏らが調査した。その結果、成人期に運動している男性において、中高生時に運動部に参加していた人の冠動脈疾患(CHD)死亡リスクはより低いことが示唆された。Preventive Medicine誌オンライン版2018年5月10日号に掲載。

コーヒー豆は浅煎りを選んでがん予防

 コーヒーは世界で最も広く飲まれている飲料の1つであり、健康に有益な多くの植物性化合物を含んでいる。これまでに、浅いローストレベル(焙煎度)の豆が、高い抗酸化活性を持つという報告1)があるが、抗がん作用との関わりは明確にされていなかった。今回、米国・カリフォルニア州立大学のBenigno E. Mojica氏らの研究結果より、浅めに焙煎されたコーヒー豆が、口腔および結腸がんのような、特定のがん予防に寄与する可能性が示唆された。Journal of food science誌2018年4月号に掲載。

アジアの小児自閉スペクトラム症の過敏性に対するアリピプラゾールのオープンラベル試験

 アジアの小児および青年(6~17歳)の自閉スペクトラム症の過敏性に対する、アリピプラゾールの有効性および忍容性を調査するため、韓国・蔚山大学校のHyo-Won Kim氏らは、12週間の多国籍多施設オープンラベル試験を実施した。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2018年4月24日号の報告。

ニボルマブ・イピリムマブ併用、高腫瘍変異負荷肺がん1次治療でPFS延長/NEJM

 ニボルマブとイピリムマブは、第I相CheckMate-012試験で非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に有効性を示し、また腫瘍変異負荷(TMB)はバイオマーカーとして注目されている。そのような中、ニボルマブおよびニボルマブベースのレジメントと化学療法を比較した、無作為化オープンラベルマルチパート第III相CheckMate-227試験から、TMB高レベル患者(1メガベースあたりの変異が10個以上)における、ニボルマブ+イピリムマブ群と化学療法群を比較したPart1の結果が、NEJM誌2018年4月16日号とAACR2018で同時に発表された。