医療一般|page:411

自殺企図後も生き続けるためのプロセス

 うつ病は、自殺や自殺企図の強力な危険因子である。これまでの研究では、自殺企図へのパスウェイについて検討されてきたが、自殺克服のために重要な点について検討した研究はほとんどない。スウェーデン・ルンド大学のLisa Crona氏らは、自殺企図後、生き続けるための個人の戦略について検討を行った。BMC psychiatry誌2017年2月13日号の報告。

質の高い論文はここが違う~日本の無作為化比較試験

 読む価値のある論文を、アブストラクトで効率よくスクリーニングすることはできないだろうか。東京大学の米岡 大輔氏らが、どのような文章が質の高い無作為化比較試験(RCT)の指標となるのかを調べるために、日本のRCTの論文を評価したところ、質の高いRCTと質の低いRCTではアブストラクトの文章の特徴にいくつかの有意な差があることがわかった。著者らは、この結果がrisk-of-bias tool の代わりに、価値のある論文をすばやくスクリーニングする新たな判断基準として使用できるとしている。PLOS ONE誌2017年3月9日号に掲載。

MRI対応の新型S-ICD、AFモニタリング機能も:ボストン・サイエンティフィック

 現在日本では、1年間に約7万6,000人が心臓突然死により命を落としているといわれている。その心臓突然死に対する治療方法の1つとして植込み型除細動器(ICD)治療が存在する。ICD患者の半数以上が10年以内にMRI検査と推察されているが、心血管系の埋め込みデバイス患者へのMRI施行は長年にわたり禁忌である。このMRI検査とICD装着患者の安全性については議論が繰り広げられ、本サイトでもいくつかの記事が取り上げられている。

増殖性硝子体網膜症へのデキサメタゾンの有用性

 徐放性デキサメタゾン硝子体内インプラントは、増殖性硝子体網膜症(PVR)の硝子体手術後のアウトカムを改善するのか。英国・Moorfields Eye HospitalのPhilip J Banerjee氏らによる140例を対象とした前向き無作為化試験の結果、主要評価項目とした解剖学的改善を示した患者割合は、標準ケア群と同程度で有意差は示されなかった。試験結果を踏まえて著者は、「さらなる臨床試験によって解剖学的および視覚的アウトカムの改善が示唆されている。一方で、今回の試験では徐放性デキサメタゾン投与を受けた手術眼では、6ヵ月時点で嚢胞様黄斑浮腫(CMO)がより少なかったことが示された」としている。Ophthalmology誌オンライン版2017年2月22日号掲載の報告。

抗精神病薬のプロラクチンへの影響、ARPとQTPどちらが低い

 高プロラクチン血症は、抗精神病薬により問題となる副作用の1つである。これまで、高プロラクチン血症に関する第2世代抗精神病薬間での直接比較を行った臨床事例はほとんどない。スペイン・カンタブリア大学のBenedicto Crespo-Facorro氏らは、プロラクチンへの影響が少ないといわれている第2世代抗精神病薬の種類によりプロラクチンレベルに違いがあるか、それは性別により影響を受ける可能性があるかを検討した。Schizophrenia research誌オンライン版2017年2月17日号の報告。

日本成人の自殺予防に有効なスクリーニング介入:青森県立保健大

 自殺予防にスクリーニング介入が有効であることが示唆されている。しかし、中年期の自殺による死亡など、アウトカム対策への影響について報告された研究はほとんどない。青森県立保健大学の大山 博史氏らは、日本のコニュニティベースにおける介入群と対照群の自殺率の比較を行った。Psychological medicine誌オンライン版2017年2月14日号の報告。

心房細動患者のCCrとイベントの関連、日本の実臨床では?

 心房細動(AF)患者における非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)の投与量調節と禁忌患者の除外のために、クレアチニンクリアランス(CCr)が広く使用されているが、AF患者のCCrと有害な臨床転帰との関連をみたリアルワールドデータはほとんどない。今回、国立病院機構京都医療センターの阿部 充氏らは、日本のAF患者の大規模前向きコホートである「伏見心房細動患者登録研究」で、CCr 30mL/分未満の患者が脳卒中/全身塞栓症および大出血などのイベントと密接に関連していたことを報告した。The American Journal of Cardiology誌オンライン版2017年1月25日号に掲載。

双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント

 双極性障害(BD)のとくに疾患フェーズに関連する自殺企図の発生率やリスク因子を調査した長期的な研究は少ない。フィンランド・National Institute of Health and WelfareのSanna Pallaskorpi氏らは、双極I型障害(BD-I)および双極II型障害(BD-II)患者の長期プロスペクティブコホート研究において、BDのさまざまなフェーズにおける自殺企図の発生率とうつ病エピソード期における自殺企図のリスク因子について調査した。Bipolar disorders誌オンライン版2017年2月8日号の報告。

セリチニブがALK陽性肺がん1次治療の優先審査対象に:FDA

 ノバルティスは2017年2月23日、米国食品医薬品局(FDA)が、ALK陽性の転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の患者に対する1次治療薬として、セリチニブ(商品名:ジカディア)の医薬品承認事項変更申請(sNDA)を受理したと発表した。 FDAはまた、脳転移を伴うALK陽性の転移性NSCLC患者のセリチニブをブレークスルーセラピーに指定した。

座高は循環器・呼吸器疾患の死亡率と逆相関

 成人の身長および座高は、遺伝的・環境的要因を反映しうる。以前の研究で、身長とがんや循環器疾患の死亡率との関連は報告されているが、座高と死亡率との関連の報告は少ない。今回、欧州における40万人以上の大規模コホート研究で、身長はがん死亡率と正相関する一方、循環器疾患死亡率とは逆相関を示し、また座高は循環器疾患死亡率および呼吸器疾患死亡率と逆相関を示した。PLOS ONE誌2017年3月3日号に掲載。

CKD患者に対するトルバプタン、反応予測因子は:横浜市大センター病院

 バソプレシンV2受容体拮抗薬であるトルバプタンは、心不全患者の利尿作用を有する。しかし、慢性腎臓病(CKD)患者におけるトルバプタンの効果に関するデータは少ない。横浜市立大学附属市民総合医療センターの勝又 真理氏らは、慢性心不全およびCKD患者に対するトルバプタンの効果をレトロスペクティブに解析した。Clinical and experimental nephrology誌オンライン版2017年2月11日号の報告。

日本人高齢者の不眠、男女間で異なる特徴:岡山大

 不眠症の患者数は、高齢化社会に伴い急速に増加している。認知機能、情動機能、ADL機能に対する不眠症の影響は十分に研究されていない。岡山大学の菱川 望氏らは、日本人高齢者の不眠の有病率や認知機能、情動機能、ADL機能に対する影響について、性別、年齢により比較した。Neurological research誌オンライン版2017年2月9日号の報告。

多枝病変STEMIには完全血行再建か、責任病変のみか

 近年のランダム化研究では、プライマリPCIでの完全血行再建が多枝病変の予後の改善につながることが示唆されている。しかしながら、非責任病変に対するPCIのタイミングについてははっきりとした答えが出ていない。そこで、米国のElgendy氏およびMahmoud氏らが、多枝病変を伴うST上昇心筋梗塞に対するPCIにおいて、どのような戦略が有効かを検証するメタアナリシスを行った。Journal of the American College of Cardiology誌2017年2月号に掲載。