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眼外科領域でヒューマンエラー回避訓練は可能か?

 医療の特定領域では、チームワークを強化しエラーを減少させるヒューマンファクターに関する訓練が定期的に行われているが、眼科では確立されていない。英国・Moorfields Eye HospitalのGeorge M. Saleh氏らは、眼外科チームのための没入型ヒューマンファクターシミュレーション訓練を考案・検討し検証試験を行った。評価ツールとして、麻酔科医用ノンテクニカルスキル(ANTS)および外科医用ノンテクニカルスキル(NOTSS)が使用でき、重大な安全性に関するイベントが減少できることを示した。著者は、「眼科学のヒューマンファクターシミュレーションは、チームメンバーに対する新しい教育法であり、今後、さらにその有用性と実用的な適用法について検討することが望まれる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年6月16日号掲載の報告。

てんかん患者の携帯電話使用、発作への影響は

 てんかんは、脳内の異常な神経インパルスによる発作が起こる状態である。発作患者における携帯電話の電磁波の影響は知られていない。インド・グントゥール医科大学のSundarachary Nagarjunakonda氏らは、携帯電話使用の有無による患者の発作プロファイルについて比較を行った。Postgraduate medical journal誌オンライン版2016年6月6日号の報告。

AGA治療前に評価すべき項目

 男性型脱毛症(AGA)の若年男性ではボディイメージの変化が心理社会的な障害となることが多い。ボディイメージへの不満は性機能の問題の増大に関連しているが、これまで心理社会的障害がAGA男性の性機能障害に及ぼす影響についての検討はなかった。スペイン・Hospital TorrecardenasのAlejandro Molina-Leyva氏らは、AGAの若年男性を対象に、抜け毛による心理社会的障害が性機能障害に及ぼす影響を検討した。AGAの主な治療の1つであるフィナステリド(1mg)には、性機能障害の副作用が現れることがある。著者らは「とくにフィナステリド治療を検討する際に、AGA男性では精神的健康状態および性機能の評価が重要といえる」と結論付けている。Acta dermatovenerologica Croatica誌2016年4月号掲載の報告。

パリペリドン持効性注射剤、国内市販後の死亡例分析結果

 統合失調症治療薬であるパリペリドンパルミチン酸エステル月1回注射剤(PP1M)は、日本や諸外国で承認されている。日本の市販直後調査(EPPV)期間の6ヵ月間に、死亡例が32例報告された。米国・ヤンセンファーマのPhillip Pierce氏らは、PP1M治療患者における致死的な転帰への潜在的な要因を検討した。Current medical research and opinion誌オンライン版2016年6月5日号の報告。

DPP-4阻害薬は糖尿病網膜症の進行を抑制する!?

 DPP-4阻害薬による糖尿病治療は、糖尿病網膜症の進行に対し血糖コントロールの改善とは独立した防御因子であることを、韓国・亜洲大学校のYoo-Ri Chung氏らが報告した。DPP-4阻害薬の糖尿病網膜症に対する有用性を示した最初の研究であり、著者らは「DPP-4阻害薬の糖尿病網膜症の進行に対する有効性について、無作為化二重盲検プラセボ比較試験によりさらなる評価を行うことを促す予備的データである」とまとめている。Retina誌オンライン版2016年6月9日号の掲載の報告。

広汎性発達障害に日本で使用されている薬剤は:東北大学

 日本において、広汎性発達障害(PDD)に適応を有する薬剤は、ピモジドだけである。いくつかの抗精神病薬は、日本でも適応外で使用されているが、これら薬剤の処方および使用に関する詳細は不明な点が多い。東北大学の佐藤 倫広氏らは、日本のPDD児における薬物治療の実態を明らかにするため調査を行った。World journal of pediatrics誌オンライン版2016年6月10日号の報告。

上海の小児の8.5%がアトピー性皮膚炎、そのリスク因子とは

 中国・上海の3~6歳児のうち、8.5%がアトピー性皮膚炎(AD)を有しており、そのリスク因子として、家の改築/改装、新調した家具や室内のカビ、都心の住宅、遺伝的素因、食物アレルギーが考えられることを、復旦大学のFeng Xu氏らが報告した。アンケート断面調査の結果であるという。上海の就学前小児においてADの頻度が高いことは知られていたが、研究グループは今回、発症のリスク因子を特定することを目的に本調査を行った。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2016年5月27日号の掲載の報告。

中枢神経系作用薬による高齢者入院リスクは

 認知障害に対する中枢神経系(CNS)作用薬の効果を評価したほとんどの研究は、個々の薬剤使用に焦点を当ててきた。他のCNS作用薬を追加した際の認知機能への影響は、よくわかっていない。南オーストラリア大学のLisa M Kalisch Ellett氏らは、CNS作用薬の併用薬剤数および標準用量(1日用量)の増加と高齢患者における錯乱、せん妄、認知症による入院リスクとの関連を検討した。Journal of the American Medical Directors Association誌2016年6月1日号の報告。

ESS留置後のDAPT、6ヵ月と12ヵ月の比較

 薬剤溶出ステント(DES)留置後は、ステント血栓症を防ぐため、12ヵ月間の抗血小板薬2剤併用療法(dual antiplatelet therapy:DAPT)が推奨されている。近年の無作為化試験では、新世代のDES留置後のDAPTの3~6ヵ月投与は12ヵ月投与と同等の成績が得られることが報告されており、また新世代DESの死亡、心筋梗塞、ステント血栓症のリスクがベアメタルステントや第1世代のDESと比べて低いことも示唆されている。しかし、新世代のエベロリムス溶出ステント留置後のDAPTの最適な投与期間について、適切に計画、実施された試験は少ない。

子供の運動能力とADHDは相関するのか

 運動能力と過体重/肥満との重要な関連が示唆されている。運動困難な多くの子供たちは、ADHD症状を経験し、それは過体重/肥満と関連している。これまでの研究では、過体重/肥満との関連を調査する際、ADHDと運動能力の両方について考えられていなかった。ブラジル・サンパウロ大学のJuliana B Goulardins氏らは、子供の運動能力とADHD症状、肥満との関連を調査した。Research in developmental disabilities誌オンライン版2016年5月20日号の報告。

スマホを毎日長時間利用する若者、複数眼症状の有病率3倍

 スマートフォンの利用が、若者の眼の健康に悪影響をもたらしている可能性があることを、韓国・ソウル大学校のJoowon Kim氏らが715例の調査の結果、明らかにした。近年、スマートフォンの利用は激増しているが、携帯電話としての利用よりも、画面を見つめての利用時間のほうが長く、とくに眼の健康に有害作用をもたらす可能性が示唆されていた。Ophthalmic Epidemiology誌オンライン版2016年6月2日号の掲載の報告。

リアルワールドの成績はどう読み解くべき?

 無作為化比較試験(RCT)の結果を基に承認された薬剤が、実臨床でも開発試験と同様の成績が得られるかを確認するためのリアルワールド・エビデンス。その特性や限界、結果を読み解く際の注意点について、井上 博氏(富山県済生会富山病院 院長/富山大学名誉教授)が、6月8日都内にて、バイエル薬品株式会社主催の会合で講演した。

うつ病の寛解率、職業で差があるか

 うつ病は、仕事のストレスにより悪化し、職場における障害の主な原因である。有効な治療を行っても、最初の治療で寛解する患者は全体の3分の1に過ぎず、約半数は治療に反応しない。職業レベルは、一般集団における健康アウトカムの確かな予測因子であるといわれている。イタリア・ボローニャ大学のLaura Mandelli氏らは、大規模国際サンプルを用い、うつ病の治療反応と職業レベルの潜在的な関連について調査した。European neuropsychopharmacology誌オンライン版2016年5月19日号の報告。