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うつ病に対するケタミン、効果的な投与量は

 低用量ケタミンは、速やかな抗うつ効果を発揮することが最近の研究で示されている。しかし、用量反応性、患者群間の一貫性、自殺傾向への影響、クロスオーバー試験に起因するバイアスの可能性などは明らかになっていない。オーストラリア・シドニー大学のYing Xu氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を行い、低用量ケタミンは超低用量ケタミンより有効であることを示した。ただし、5分の1の患者は1週間で寛解したが、その他の大半の患者では効果が長続きせず、臨床的効果にはかなりばらつきがみられたという。著者らは、「有効性を向上させるため、また安全性についてさらに評価するため、より大規模で長期的な比較試験が必要である」とまとめている。International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2015年11月17日号の掲載報告。

第2世代抗精神病薬、小児患者の至適治療域を模索

 イタリア・Scientific Institute IRCCS Eugenio MedeaのMarco Pozzi氏らは、薬物血中濃度モニタリング(TDM)の観察研究にて、小児患者の実生活における第2世代抗精神病薬(SGA)の血中濃度特性を調べた。その結果、リスペリドンは成人よりも低値だが、アリピプラゾールは類似しているなどの特性が明らかになったという。著者らは、「今回のデータをより大規模な患者集団で検証すれば、小児患者におけるリスペリドンやアリピプラゾールの至適治療域を明確化できる可能性がある」と報告している。European Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2015年11月28日号の掲載報告。

子供の近視、今も昔も変わらぬ“あの”原因

 先行研究で、15~22歳の近視/強度近視について出生順との関連を調べた結果、長子のほうが次子以降よりも約10%多いとの報告がある。同関連について英国・カーディフ大学のJeremy A. Guggenheim氏らは、40~69歳集団について調べ、より上の世代でも同様の傾向がみられるのか、また関連の傾向は「次子以降では親の教育熱心さが低減するから」という仮説によって予測可能なのかを検証した。その結果、仮説を裏付ける結果が得られたという。JAMA Ophthalmology誌2015年12月号の掲載報告。

認知症ドライバーの通報規定、どう考えますか

 米国では、各州で医師による認知症ドライバーに関する州政府自動車省(DMV)への通報規定が異なっており、義務となっている州もあれば任意の州もある。また、この問題に関して規定がない州もあり、アーカンソー州もその1つである。一方でアーカンソー州の医師には、意に反して患者をDMVへ通報した場合に法的責任を負わされるリスクがある。そこで、ニューメキシコ州立大学のErika M. Gergerich氏がアーカンソー州の医師が抱える認知症ドライバー問題を明らかにする目的で調査を行ったところ、アーカンソー州議会が任意の通報規定を採択するよう求める結果が示された。著者は、「認知症患者の運転適性評価の訓練と同様、州の通報規定に関する医師への教育も必要である」と述べている。Gerontologist誌オンライン版2015年11月25日号の掲載報告。

ドパミンD2/3受容体拮抗薬、統合失調症患者の脳白質を改善

 精神病症状は、統合失調症の中核症状だが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のBjorn H. Ebdrup氏らは、陽性症状は前頭皮質に投影している白質路の不規則性に起因するという最近の仮説を検証する目的で、拡散テンソル画像を用いた解析を行った。その結果、未治療の統合失調症患者では、白質の微細な障害が認められることを明らかにした。とくに陽性症状は前頭の神経線維束の整合性と関連しており、選択的ドパミンD2/3受容体拮抗薬が白質を修復する可能性が示唆されたという。結果を踏まえて、著者らは「ドパミンD2/3受容体拮抗薬の再ミエリン化作用をさらに検討する必要がある」とまとめている。Journal of Psychiatry Neuroscience誌オンライン版2015年11月24日号の掲載報告。

メイヨー・クリニックで疼痛関連疾患への補完代替医療が増加

 補完代替医療(CAM)は、先進国で広く行われている。中国中医科学院広安門医院のRan Pang氏らは、米国のメイヨー・クリニックにおけるCAMの実施について調査した。その結果、CAMが主に疼痛関連疾患および精神障害(ストレス)に対して利用されており、CAMを受けている患者数は増加傾向にあることを報告した。American Journal of Chinese Medicine誌オンライン版2015年11月30日号の掲載報告。

うつ病のプラセボ効果、そのメカニズムとは

 米国・ミシガン大学のMarta Pecina氏らは、大うつ病性障害(MDD)患者におけるプラセボ効果のメカニズムを明らかにするため、プラセボを用いた導入期、主に選択的セロトニン再取り込み阻害薬を用いたオープンラベル期の2期で構成した臨床試験を実施した。その結果、プラセボによりμ-オピオイドシステムの活性化がもたらされ、これがプラセボによる抗うつ効果に関連し、さらに抗うつ薬の効果にも関連している可能性を報告した。JAMA Psychiatry誌2015年11月号の掲載報告。

高血圧に関する川柳・標語を募集中【日本高血圧学会/日本高血圧協会 共同企画のご案内】

 日本高血圧学会と日本高血圧協会は2016年1月10日より、「高血圧」に関する川柳と標語の募集を開始した。本企画は、高血圧学会と高血圧協会と共同企画で、会員の意識を高めると同時に一般市民への啓発を図る目的で展開するもの。川柳・標語のお題はともに「高血圧」で、減塩・減量などの生活習慣、医師・患者関係、家族関係、社会風刺などユーモアやウイットに富んでインパクトのある、多くの人に親しまれる作品が集まることが期待される。

閉経後の女性統合失調症、陰性症状改善にSERM併用が有用

 閉経後の統合失調症女性に対し、通常療法にラロキシフェンを併用することで、陰性症状や総合精神病理、会話能力の低下などの改善が認めたことが示された。スペイン・カタロニア女性メンタルヘルス研究グループのJudith Usall氏らが、無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。統合失調症において、エストロゲンの治療的有用性に関する認識が高まっている。選択的エストロゲン受容体モジュレーターであるラロキシフェンは、ドパミン・セロトニン脳システムに対しエストロゲン様作用を示すと考えられ、著者らは先行研究において、ラロキシフェンがエストロゲンに起因する有害事象を示すことなく、陰性症状、陽性症状、総合精神病理の改善に有用であることを明らかにしていた。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2015年11月20日号の掲載報告。

ビタミンDによるうつ症状軽減の可能性は

 大うつ病性障害(MDD)患者に対する8週間のビタミンD投与は、プラセボと比較してうつ症状を改善し、インスリン抵抗性や酸化ストレスに対しても好影響を及ぼすことが、イラン・カシュハン医科大学のZahra Sepehrmanesh氏らによる無作為化二重盲検試験の結果、報告された。ビタミンDについては、神経伝達物質、代謝プロファイル、炎症性バイオマーカーおよび酸化ストレスに有益な影響を及ぼし、うつ症状を軽減させる可能性が示唆されていた。The Journal of nutrition誌オンライン版2015年11月25日号掲載の報告。

ADHDに対するメチルフェニデートは有益なのか

 デンマーク・南デンマーク大学のOle Jakob Storeboe氏らは、小児および青少年の注意欠陥・多動性障害(ADHD)に対するメチルフェニデートの有益性と有害性を調査するため、コクラン・システマティックレビューを実施した。その結果、ADHDと診断された小児および青少年において、メチルフェニデートは教師の評価によるADHD症状と一般行動、ならびに保護者の評価による患児のQOLを改善する可能性があることが示唆された。しかし、解析に組み込まれた試験はバイアスリスクが高くエビデンスの質は非常に低かったことから、著者らは「メチルフェニデートの効果の大きさについてはまだ不明である」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年11月25日号の掲載報告。

尿もれ治療の経口抗コリン薬、ドライアイの原因に

 切迫性尿失禁や過活動膀胱の主たる治療薬である経口抗コリン薬は、排尿筋以外に眼や唾液腺などのムスカリン受容体も阻害する。トルコ・Zekai Tahir Burak Women's Health Education and Research HospitalのZuhal Ozen Tunay氏らは、過活動膀胱の女性患者において前向き研究を行い、経口抗コリン薬が涙液分泌に対し有意な悪影響を及ぼし、投与期間が長いほどその影響が大きくなる可能性があることを報告した。International Urogynecology Journal誌オンライン版12月7日号の掲載報告。

統合失調症の遺伝的脆弱性を示す新たなマーカー

統合失調症では構造的脳内ネットワークを構成する白質統合が不十分な状況が認められ、脳領域での情報伝達能を減弱させると考えられている。しかし、これらの異常が、統合失調症発症の遺伝的リスクに影響する程度については不明であった。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのMarc M. Bohlken氏らは、統合失調症発症の遺伝的リスクと脳内ネットワークを構成する白質統合性との関連について検討した結果、白質統合指標のMRI画像上のfractional anisotropy(FA)が、統合失調症発症リスクと関連する可能性を明らかにした。JAMA Psychiatry誌オンライン版2015年11月25日号の掲載報告。

非薬物的介入の併用で認知症への抗精神病薬使用が減らせるか

 英国・ロンドン大学のClive Ballard氏らは、介護施設に入居中の認知症患者を対象に、抗精神病薬の見直し、社会的交流、運動などの介入が、抗精神病薬の使用状況や興奮、うつなどの症状に及ぼす影響を評価した。その結果、抗精神病薬の見直しにより使用が減少したが、より高いベネフィットを期待するには、その他の非薬物的介入も併用することが望ましいと報告した。American Journal of Psychiatry誌オンライン版2015年11月20日号の掲載報告。

医療関係者向けLINE公式アカウントから情報提供を開始:アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪府大阪市北区、代表取締役社長:ガブリエル・ベルチ、以下、アストラゼネカ)は、LINE株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 CEO: 出澤剛、以下、LINE)が提供するコミュニケーションアプリ「LINE」の公式アカウントを開設し、医療関係者を対象に同社サイト「MediChannel」の登録会員に対する利便性を向上させた情報配信サービスを2015年12月25 日より提供開始した。日本において、医療関係者向けにLINE公式アカウントを開設し情報提供をするのは、アストラゼネカが初めて。