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セロトニン症候群を起こしやすい薬剤は

 フランス・トゥールーズ大学のDelphine Abadie氏らは、同国の市販後調査報告データベースに報告登録された症例よりセロトニン症候群の特徴を解析した。その結果、抗うつ薬とトラマドールによる発現頻度が高いだけでなく、薬物相互作用(DDI、薬力学的および薬物動態学的の両方)の重要性、さらに標準用量でのセロトニン作動薬単剤でさえもセロトニン症候群リスクが有意であることが示された。本検討は、セロトニン症候群に関する大規模な市販後調査データベースを基にした、英語で発表された初の検討となる。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2015年8月号の掲載報告。

NSCLCにおけるAZD9291の新たなエビデンス―世界肺がん学会

 アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、9月8日、2015年世界肺がん学会議において、上皮成長因子受容体変異陽性(EGFRm)進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療ならびに過去に治療歴を有する患者を対象とした、AZD9291の最新データを発表した。本データは、AURA第I相1次治療群と2本のAURA第II相試験によって得られたもの。

うつ病の精神療法、遠隔医療でも対面療法と同程度

 米国・Health Equity and Rural Outreach Innovation CenterのLeonard Egede氏らは、無作為化非盲検非劣性比較試験にて、高齢うつ病患者に対する遠隔医療による精神療法は対面治療に比べ劣っていないことを明らかにした。多くの大うつ病の高齢者(とくに退役軍人)は、エビデンスに基づく精神療法を利用しようとしない。一方で、移動の制限があったり、地理的に孤立していたりする高齢者に対して、遠隔医療は最適な治療を提供する機会を増やす可能性が示唆されていた。検討の結果を踏まえて著者は、「遠隔医療は、移動せずに家庭にいながらエビデンスに基づく治療を受けることができ、対面治療が難しい高齢者の治療障壁を取り除くのに有用と思われる」とまとめている。Lancet Psychiatry誌2015年8月号(オンライン版2015年7月16日号)の掲載報告。

DPP-4阻害薬がよく効く患者の特徴

 2型糖尿病患者において、DPP-4阻害薬による治療12ヵ月後に高い有効性を示すのは、肥満でない患者、冠動脈疾患を持っていない患者であることが、徳島大学の八木 秀介氏らの研究により明らかになった。また、DPP-4阻害薬の長期の有効性は、治療3ヵ月後のHbA1cの低下によって予測することができるという。Diabetes and metabolism journal誌2015年8月号(オンライン版2015年7月21日号)の報告。

双極性障害患者の約半数が不安障害を併存

 双極性障害患者において不安障害は、アウトカムの重大要素としての認識がますます強くなっている。しかし、報告されている有病率はばらつきが大きく、信頼性の高い推定値は得られていない。カナダ・ダルハウジー大学のBarbara Pavlova氏らは、双極性障害患者における不安障害の生涯有病率を、システマティックレビューとメタ解析により調べた。その結果、双極性障害患者の不安障害のリスクは非患者と比べて約3倍有意に高く、2人に1人が一生涯のうちに不安障害を有することが示されたという。結果を踏まえて著者らは、「双極性障害患者では不安障害と気分障害とを並行して評価すべきである」と提言している。Lancet Psychiatry誌2015年8月号の掲載報告。

緑内障による失明、その移行率や予測因子は?

 緑内障は失明の主たる原因である。イタリア・ミラノ大学のLuca Rossetti氏らは、欧州の大学病院7施設で治療した緑内障患者を対象に、失明への移行率や危険因子について後ろ向きに調査した。その結果、約20%の患者が失明に至っていた。緑内障による失明の特徴としては、診断あるいは専門医への紹介が遅いことと、多くの症例が正常眼圧で疾患が進行し、目標眼圧は達成されていたことが挙げられたという。

音楽療法が不眠症に有用

 不眠症は、現代社会において一般的な睡眠障害であり、生活の質の低下を引き起こし、身体的および精神的健康を損なう。音楽鑑賞が睡眠を助ける手段として広く用いられているが、それが成人の不眠症を実際に改善しうるか否かは依然不明確であった。デンマーク・オーフス大学のKira V Jespersen氏らは、成人の不眠症に対する音楽療法の有効性を明らかにするため、メタ解析を行った。その結果、音楽療法は通常の治療法に比べ、睡眠の質の改善に有効であることを示唆するエビデンスが得られたことを報告した。今回の結果を踏まえて著者らは、「音楽療法は安全で、その導入は簡便である。さらなる研究により、音楽鑑賞等の睡眠の側面に対する効果や、不眠症に起因する日中の症状に対する効果を確立することが求められる」とまとめている。Cochrane Database Systematic Reviews誌オンライン版2015年8月13日号の掲載報告。

新生児ビタミンA補給によるアトピーのリスクは女児のみ?

 現在、新生児へのビタミンA補給は、欠乏症のリスクのある国では政策となりつつあるが、先行研究においてアトピーの増加と関連がある可能性が示唆されている。そこで、デンマーク・Statens Serum InstitutのSofie Aage氏らは、ギニアビサウで実施した無作為化比較試験後の長期追跡調査を行った。その結果、女児においてのみ新生児ビタミンA補給がアトピーならびに喘鳴のリスク増加と関連が認められたことを報告した。

精神病性うつ病に対する最も効果的な薬物治療は

 精神病性うつ病に対する最も効果的な薬物治療(抗うつ薬と抗精神病薬の併用、抗うつ薬単独療法、または抗精神病薬単独療法)に関するエビデンスは限られている。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのJaap Wijkstra氏らは、急性の精神病性うつ病患者に対する薬物治療について、抗うつ薬単独療法、抗精神病薬単独療法、抗うつ薬と抗精神病薬の併用療法を比較することを目的にレビューを行った。その結果、抗うつ薬と抗精神病薬の併用療法は、抗うつ薬単独療法、抗精神病薬単独療法、プラセボのいずれと比較しても高い有効性を示すことを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewオンライン版2015年7月30日号の掲載報告。

チック症に対する非定型抗精神病薬の有用性は

 チック症群は、小児における一般的な神経精神疾患である。これまで、チック症状をコントロールするため、ハロペリドールやピモジドといった古典的な抗精神病薬が第1選択薬として用いられてきた。最近では、副作用の問題から新規抗精神病薬が用いられており、アリピプラゾールは、その選択肢の1つである。中国・四川大学中国西部第二病院のChun-Song Yang氏らは、チック症群の小児に対するアリピプラゾールの有効性、安全性を評価するため、系統的レビューとメタ分析を行った。BMC psychiatry誌2015年7月29日号の報告。

アジアの潜在的緑内障患者は60%、多くが中等度以上に進行

 緑内障は、かなり進行するまで自覚症状がないため潜在的な緑内障患者は多い。またアジアに多く、世界の緑内障患者の60%を占める。これまで緑内障患者の民族的な違いを検討した研究はなかったが、シンガポール・国立眼科センターのJacqueline Chua氏らは、中国人、インド人およびマレー人を対象としたシンガポール眼疾患疫学研究において、潜在的な緑内障患者はマレー人に多く、有病率に民族間で差がみられることを報告した。新たに原発性緑内障と診断された患者の約半数は、視野障害の重症度がすでに中等度以上であることも明らかになった。

ニボルマブ、FDAに非扁平上皮NSCLCへの適応拡大を申請

 2015年9月2日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国・ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、米国食品医薬品局(FDA)が、治療歴を有する非扁平上皮非小細胞肺がん(非小細胞肺がん、以下NSCLC)患者を対象としたニボルマブ(商品名:オプジーボ)に関する生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理したことを発表した。このsBLAは、ニボルマブの現在の適応である、治療歴を有する扁平上皮NSCLCからの拡大を目的とするもの。FDAによる審査完了の目標期日は 2016年1月2日。

精神疾患の診断、過去の診断名が大きく影響

 精神医学において診断はユビキタスであり、ベネフィットをもたらす一方で、ラベリング効果の弊害となりうる。英国・キングストン大学のDanny C.K. Lam氏らは、境界性パーソナリティ障害(BPD)併存の診断という不適切な提示がパニック症患者に対する臨床医の判断に影響を及ぼすかどうかを評価した。その結果、診断がもたらす保険数理的価値にかかわらず、現在も問題が併存しているように見える状況下では、臨床医は過去の診断名に大きく影響されることを明らかにした。著者らは、「したがって臨床医は、患者の記述に診断ラベルを使用すること、および過去の診断名が今もなお妥当であるかを確かめることに注意すべきだ。そうしたラベルが自身の臨床診断に影響しうることを忘れず、絶えず診断名に疑問を持つよう努めるべきである」とまとめている。British Journal of Clinical Psychology誌オンライン版2015年7月25日号の掲載報告。

オキシコドン徐放性製剤Xtampza ER、中~重度の慢性腰痛を改善

 オピオイド鎮痛薬は慢性腰痛の治療に用いられるが、一方では乱用が大きな懸念となっている。米国・Analgesic Solutions社のNathaniel Katz氏らは、オキシコドンの乱用防止製剤であるXtampza ER(オキシコドン徐放性製剤)の安全性および有効性を評価する第III 相臨床試験を行い、Xtampza ERは中等度~重度慢性腰痛患者において臨床的に有意な鎮痛効果を発揮することを示した。Pain誌オンライン版2015年8月6日号の掲載報告。