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注射時間を問わず一定の有効性と安全性―持効型インスリン デグルデク

 従来の基礎インスリンは注射時間の制限があったが、1日1回投与のインスリン デグルデク(IDeg、商品名:トレシーバ)は、1日のうちどのタイミングで注射しても有効性と安全性を損なうことなく、良好な血糖コントロールが可能であることがベルギー・ルーベン大学Chantal Mathieu氏らの報告で明らかになった。患者さん一人ひとりの多様なニーズに合わせて注射時間を調整できるため、基礎インスリンのアドヒアランス向上につながると考えられる。The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism誌2013年3月号(オンライン版2013年2月7日号)の報告。

切除不能大腸がんの標準化学療法後に新たな治療薬

 現在、切除不能進行・再発大腸がんに対する治療は、大腸癌治療ガイドライン(2010年版)において、KRAS野生型では3次治療、KRAS変異型では2次治療までの治療アルゴリズムが推奨されており、国内では多くの医師がこれを順守している。先月25日、これらの標準化学療法が無効になった症例に対する治療薬として、レゴラフェニブ(商品名:スチバーガ)が承認された。東京医科歯科大学大学院教授の杉原 健一氏は、4月23日のバイエル薬品株式会社主催のプレスセミナーで、本剤の作用機序や第III相臨床試験成績を紹介し、標準化学療法後の新たな治療薬として期待を示した。そのうえで、副作用管理の重要性を強調し、発売後早期に症例データを集積し、自身が会長を務める「大腸癌研究会」のホームページに結果を掲載し注意を喚起していきたいと語った。

小児に多いスピッツ母斑、保存療法戦略を支持

 小児に多く発現するスピッツ母斑の診断と管理については、戦略をめぐって論争がある。Brook E. Tlougan氏らは匿名WEB調査にて、世界中の小児皮膚科医にスピッツ母斑に関する信条、行動および診療経験についてサーベイを行った。その結果、保存療法を支持する結果が得られたことを報告した。JAMA Dermatology誌2013年3月号の掲載報告。

患者自身が申告するアドヒアランスと血糖コントロールの関係-インスリン治療における検討-

 2型糖尿病患者のインスリン療法において、患者自身が申告するアドヒアランスと血糖コントロールとの関係が検討された。この結果、患者の自己申告であっても、アドヒアランスが高ければ良好な血糖コントロールを示すという相関関係が明らかになった。ただし、65歳以上の高齢者ではこの相関はみられなかった。本研究から、若年層の患者では自己申告によるアドヒアランスの報告も適切なインスリン投与量を判断するうえでは有用となる可能性が示唆された。

rhBMP-2を用いた椎体間固定術で注意すべきこと

 遺伝子組換えヒト骨形成タンパク質-2(rhBMP-2)は、すでに欧米では脊椎固定などに広く使用されているが、異所性骨形成、局所の骨吸収、神経根炎などさまざまな合併症が知られている。米国・ニューヨーク大学病院のShaun D. Rodgers氏らは、rhBMP-2を用いた椎体間固定術後の再手術中に致命的な血管損傷が発生した症例について考察した。

新規グルコキナーゼ活性剤の有効性-本邦での報告

 新規の2型糖尿病治療薬として開発段階にあるグルコキナーゼ活性剤 「AZD1656」 の血糖降下作用に関するデータが発表された。本研究は日本国内で行われた無作為化二重盲検、プラセボ対照比較試験。東京駅センタービルクリニックの清末 有宏氏らにより、Diabetes, Obesity and Metabolism誌オンライン版2013年3月22日号で報告された。

有酸素運動+レジスタンス運動は、血糖変動を改善する

 有酸素運動(AER)、または有酸素運動+レジスタンス運動(COMB)が2型糖尿病患者の血糖変動にもたらす影響を検討したデータが、ブラジルのFranciele R. Figueira氏らにより発表された。血糖変動の測定には、持続血糖測定装置(CGMS)が用いられ、MAGEなどの指標を用いた従来の分析方法に加え、スペクトル解析や記号解析を用いた非従来型の分析方法にて評価された。

iPS細胞による創薬と再生医療研究の進捗~京都大学iPS細胞研究所 山中氏/高橋氏の講演より

 第57回日本リウマチ学会総会・学術集会(4月18~20日、京都)の特別講演として、京都大学iPS細胞研究所 山中伸弥氏のビデオ出演、および「iPS細胞を作製したのは彼ら」と山中氏より紹介された3人のうちの1人である高橋和利氏の講演「iPS細胞研究の進展」があり、研究の方向性や今後の目標について発表された。

アルツハイマー病とレビー小体型認知症、共通のバイオマーカー

 札幌医科大学医療人育成センター教授の相馬 仁氏らは、アルツハイマー病に関連するとされるアネキシンA5およびApoE4が、アルツハイマー病に特異的なものかどうかを、レビー小体型認知症および健常者との比較により検討した。その結果、アネキシンA5とApoE4は、アルツハイマー病とレビー小体型認知症に共通するバイオマーカーであることを報告した。Frontiers in Aging Neuroscience誌2013年5月号(オンライン版2013年4月5日号)の掲載報告。

「メトトレキサートをいかに安全に使いこなせるか」が関節リウマチ治療の鍵

 関節リウマチ治療においては、アンカードラッグであるメトトレキサート(MTX)をいかに安全に使いこなせるかが重要となる。第57回日本リウマチ学会総会・学術集会(4月18~20日、京都)における教育研修講演「DMARDsの適応と使い方」のなかで、京都府立医科大学大学院免疫内科学の川人 豊氏が非生物学的抗リウマチ薬(DMARDs)の問題点や使い方などを紹介した。

自閉症、広汎性発達障害の興奮性に非定型抗精神病薬使用は有用か?

 米国・マサチューセッツ総合病院のLaura C. Politte氏らは、自閉症および広汎性発達障害患者への非定型抗精神病薬の使用に関する文献をレビューした。その結果、自閉症および広汎性発達障害にみられる興奮性に対し、現時点におけるファーストライン薬は非定型抗精神病薬であることを示唆した。Psychopharmacology誌オンライン版2013年4月4日号の掲載報告。

0カロリー表示でもダメ?ダイエット炭酸飲料と2型糖尿病のリスク

 ダイエット炭酸飲料の消費量が多いほど2型糖尿病発症リスクが高まることが、日本人男性を対象にした検討で明らかになった。たとえ、ゼロカロリー表示でも、ダイエット炭酸飲料を週に1本以上飲むことは、2型糖尿病の予防に効果的とはいえないようだ。本研究は、金沢医科大学の櫻井 勝氏らによる検討で、European Journal of Nutrition誌オンライン版2013年4月11日号に掲載された。

慢性腰痛患者におけるオピオイド療法の効果はうつや不安に影響される

 非がん性慢性疼痛患者ではしばしば、抑うつや不安といったネガティブ感情がみられる。こうしたネガティブ感情は疼痛の強さと関連しており、オピオイド治療が長期化する可能性が高い。米国・ハーバード大学ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のRobert N. Jamison氏らは、ヒドロモルフォン徐放性製剤のプラセボ対照二重盲検試験について2次分析を行い、ネガティブ感情はオピオイド療法のベネフィットを減弱させ、臨床試験においては脱落の予測因子となることを報告した。

早期統合失調症、認知機能にGABA作動性抑制が関連

 統合失調症の早期では認知障害がみられる。この認知障害にGABA作動性機能障害の関与が注目されるようになっている中、和歌山県立医科大学神経精神医学教室の高橋 隼氏らは、発症間もない統合失調症患者の認知機能障害に、皮質GABA作動性抑制が低下しワーキングメモリ機能を障害していることが示唆されることを報告した。Schizophrenia Research誌2013年5月号(オンライン版2013年3月22日号)の掲載報告。

ステロイド依存性皮膚症に対するトリアムシノロンアセトニド筋注、適正使用に道筋?

 米国・ボストン大学医学部のShalini Reddy氏らは、ステロイド依存性皮膚症に対するトリアムシノロンアセトニド筋注(商品名:ケナコルト)の有効性と安全性を評価する前向き観察試験を行った。その結果、6週間隔で2回にわたる接種についての安全性と、有意な改善が認められたことを報告した。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2013年3月29日号の掲載報告。