統合失調症患者における抗精神病薬の剤型と自殺および死亡リスクとの関連
統合失調症は、死亡リスクが高いことから、最も深刻な精神疾患の1つとして考えられており、この死亡リスクの減少に寄与する方法を明らかにするための研究が行われている。台湾・Bali Psychiatric CenterのCheng-Yi Huang氏らは、長時間作用型注射剤(LAI)とすべての原因、自然死、自殺による死亡リスクとの関連を調査し、新規統合失調症患者におけるLAIの早期使用の影響について、検討を行った。JAMA Network Open誌2021年5月3日号の報告。
台湾全民健康保険研究データベースを用いて、2002~17年に経口抗精神病薬(OAP)治療を行った統合失調症患者を対象に、人口ベースのコホートを構築した。本コホートにおけるLAI群の定義は、LAIへの切り替え、1年間で4回以上のLAI使用とした。LAI群は、同成分のOAP治療を行った患者と1対1でマッチした。抗精神病薬の投与経路変更、死亡、研究期間終了(2018年末)のいずれか早いほうまで、すべての患者をフォローアップした。データ分析は、2002年1月~2018年12月に実施した。主要アウトカムは、すべての原因による死亡率、自然死死亡率、自殺による死亡率、自殺企図とした。