新たなRSウイルスワクチン、高齢者と乳児の双方で効果を発揮
ファイザー社が開発したRS(呼吸器合胞体)ウイルスワクチンは、高齢者と乳児の双方でRSウイルス感染症を安全かつ効果的に予防するという2件の臨床試験の結果が報告された。ファイザー社は、同ワクチンの高齢者に対する接種が5月までに、妊婦に対する接種が8月までに米食品医薬品(FDA)により承認されるものと見ている。これらの臨床試験の結果は、「The New England Journal of Medicine(NEJM)」に4月5日掲載された。
RSウイルスに感染しても、通常は風邪様の症状が現れる程度だ。しかし米国では、1歳未満の子どもの気管支炎と肺炎の最も一般的な原因ウイルスがRSウイルスである。また、このウイルスは高齢者、特に健康状態が不良な人にリスクをもたらす。米疾病対策センター(CDC)によると、毎年、5万8,000〜8万人の5歳未満の子ども、および6万〜16万人の高齢者がRSウイルス感染症で入院し、さらに6,000〜1万人の高齢者が同感染症により死亡しているという。