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視神経乳頭出血と緑内障発症の新たな関連

 視神経乳頭出血は、高眼圧患者における原発開放隅角緑内障(POAG)発症の独立した予測因子である。米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のDonald L Budenz氏らが、前向きコホート研究Ocular Hypertension Treatment Study(OHTS)の参加者を対象とした検討において明らかにした。さらに、視神経乳頭出血の予測因子は、高眼圧患者におけるPOAGの予測因子と非常に類似していたことも示された。

早期診断が重症化を遅らせるゴーシェ病

 11月29日、サノフィ株式会社は、都内において「ゴーシェ病」に関するメディアセミナーを開催した。セミナーでは、疾患の概要ならびに成人ゴーシェ病患者の症例報告が行われた。ゴーシェ病とは、ライソゾーム病の1つで、先天性脂質代謝に異常を起こすまれな疾患である。小児から成人まで、あらゆる年齢で発症する可能性があり、肝脾腫、貧血、出血傾向、進行性の骨疾患など重篤な全身性の症状を引き起こす。

電子処方箋によって処方薬受け取り率が向上?

 処方薬の過小使用は臨床転帰不良と関連しており、米国では過小使用の多くは1次ノンアドヒアランス、すなわち、患者が処方薬を受け取っていないことが原因であるという。米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のAdewole S. Adamson氏らは、医療の協調性を高めエラーを減少させると評価されている電子処方箋に着目し、1次ノンアドヒアランスへの影響について、後ろ向き研究で調べた。

医師の退職時期は? 早期退職の理由は?

 医師の退職計画と時期は、患者・病院・医療システムにとって重要である。無計画な早期の退職や遅い退職は、患者の安全性と人員配置の両方で悲惨な結果を招く。カナダ・トロント大学のMichelle Pannor Silver氏らは、医師の退職時期やプロセスにおける以下の4つの問い、(1)医師はいつ退職するのか?(2)なぜ早期退職するのか?(3)なぜ退職を遅らすのか?(4)どのような戦略が医師の定着や退職計画を促進するのか?について、既報の系統的レビューによって調査した。Human resources for health誌2016年11月号に掲載。

双極性障害、摂食障害合併はとくに注意が必要

 肥満は精神障害ではないが、DSM-5では、肥満と精神症候群との強い関連性を認めている。双極スペクトラム障害(BSD)やむちゃ食い障害(Binge Eating Disorder:BED)は、肥満患者において頻繁にみられる精神障害である。イタリア・University Magna Graecia of CatanzaroのCristina Segura-Garcia氏らは、肥満患者における、これら併存疾患に伴う精神病理学的相違と特有の接触行動を調査した。Journal of affective disorders誌2017年1月号の報告。

なぜ必要? 4番目のIFNフリーC肝治療薬の価値とは

 インターフェロン(IFN)フリーのジェノタイプ1型C型肝炎治療薬として、これまでにダクラタスビル/アスナプレビル(商品名:ダクルインザ/スンベプラ)、ソホスブビル/レジパスビル(同:ハーボニー)、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル(同:ヴィキラックス)の3つが発売されている。そこに、今年3月の申請から半年後の9月に承認されたエルバスビル/グラゾプレビル(同:エレルサ/グラジナ)が、11月18日に発売された。治療効果の高い薬剤があるなかで、新薬が発売される価値はどこにあるのか。11月29日、MSD株式会社主催の発売メディアセミナーにて、熊田 博光氏(虎の門病院分院長)がその価値について、今後の治療戦略とともに紹介した。

アルツハイマーやうつ病の予防、コーヒーに期待してよいのか

 観察研究によると、コーヒーは2型糖尿病、うつ病、アルツハイマー病と逆相関するが、虚血性心疾患とは逆相関しないとされている。米国2015年食事ガイドラインにおいて、コーヒーは保護効果がある可能性が記載されている。短期的試験では、コーヒーは、多くの血糖特性に対し中和的な影響を及ぼすが、脂質やアディポネクチンを上昇させるといわれている。中国・香港大学のMan Ki Kwok氏らは、大規模かつ広範な遺伝子型の症例対照研究および横断研究に適応された2つのサンプルのメンデル無作為群間比較を用いて、遺伝的に予測されるコーヒー消費による2型糖尿病、うつ病、アルツハイマー病、虚血性心疾患とその危険因子を比較した。Scientific reports誌2016年11月15日号の報告。

ハイドロキノンによる肝斑治療へのトラネキサム酸追加は有効か?

 肝斑は罹患率が高く、患者に心理的な影響を与えることから、有効かつ経済的、安全な治療が求められている。肝斑は従来、ハイドロキノンクリームによる治療が行われてきたが、ここにトラネキサム酸を加えることで、治療効果が高まると示唆されている。  そこで、本研究では肝斑治療における、経口トラネキサム酸とハイドロキノン4%クリーム併用とハイドロキノン4%クリーム単独使用での有効性および安全性を比較検討した。Journal of Cosmetic Dermatology誌10月号掲載の報告。

オメガ3脂肪酸サプリでドライアイが改善!?

 経口長鎖オメガ3必須脂肪酸サプリメントは、ドライアイに対して効果があるかもしれない。オーストラリア・メルボルン大学のLaura A Deinema氏らが、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験の結果、ドライアイ患者において、2種類の長鎖オメガ3 必須脂肪酸サプリメントを中等量、毎日3ヵ月間摂取することで、涙液浸透圧が低下し涙液安定性の改善が認められたと報告した。

うつ病への薬物療法 vs.精神療法 vs.併用療法

 うつ病治療における機能とQOLのアウトカムの重要性は認識されているが、メタ解析のエビデンスはほとんどない。スペイン・Instituto de Salud Carlos III、Centro de Investigacion Biomedica en RedのK Kamenov氏らは、うつ病患者の機能とQOLに関する精神療法、薬物療法、それらの組み合わせについて、絶対的および相対的な効果を評価するため、無作為化比較試験(RCT)のメタ解析を行った。Psychological medicine誌オンライン版2016年10月26日号の報告。

PCI中のランジオロール早期投与、最適再灌流やアウトカムに好影響

 ST上昇急性心筋梗塞(STEMI)の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)中におけるランジオロールの早期静脈内投与は、非投与群と比較して、最適再灌流の達成率が有意に高く、急性心筋梗塞によりKillip分類のGrade3(重症心不全)や4(心原性ショック)へ進行した患者の割合も有意に低いことが、横浜市立大学の清國 雅義氏らによる研究で明らかになった。International Journal of Cardiology誌2016年10月15日号の報告。

急性心筋梗塞後の心原性ショックに対する循環サポートの比較―Impella vs.IABP

 治療の進歩にもかかわらず、急性心筋梗塞による心原性ショックの死亡率は依然高いままである。短期間の循環補助デバイスは急性期の血行動態を改善するもので、大動脈内バルーンパンピング(IABP)は過去数十年にわたって最も広く使用されてきたが、急性心筋梗塞後の心原性ショックに対する有用性は、大規模ランダム化試験では明らかになっていない。

脳内脂肪酸と精神症状との関連を検証:富山大

 n-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)レベルと精神障害との関連を調べた研究では、死後脳に関して、白質ではなく主に灰白質の分析に焦点が当てられてきた。富山大学の浜崎 景氏らは、統合失調症、双極性障害、うつ病患者の死後の脳組織において、PUFAレベルが白質の最大領域である脳梁に異常を示しているのかを調査した。European psychiatry誌オンライン版2016年11月4日号の報告。