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網膜症は、糖尿病の有無に関係なく死亡率増加の予測因子

 網膜症は死亡率と関連していることが示唆されているが、その理由はよくわかっていない。米国国立衛生研究所(NIH)のDiana E. Fisher氏らは、併存疾患を有している高齢者の死亡率に対し網膜症がどのように影響するのか、前向きコホート研究のデータを解析し調べた。結果、網膜症は軽微であっても、高齢者、とくに男性で、糖尿病の状態に関係なく死亡率増加の有意な予測因子であったという。著者は、「網膜症を有するということは、健康状態の綿密な臨床的管理を必要とする根拠となりうる」と指摘している。Ophthalmology誌2016年7月号(オンライン版2016年4月7日号)の掲載報告。

統合失調症患者、そもそもプロラクチン値が高い

 ドパミン受容体遮断の副作用である高プロラクチン血症は、統合失調症や他の精神病性障害患者において一般的であり、無月経、乳汁漏出、性腺機能低下、低受胎、骨粗鬆症につながる可能性がある。ギリシャ・イオアニナ大学のPetros Petrikis氏らは、統合失調症および他の精神病性患者において、抗精神病薬治療開始前に高プロラクチン血症が発症するかを検討した。International journal of psychiatry in clinical practice誌2016年9月号(オンライン版2016年6月23日号)の報告。

その症状、夏風邪ではなく肺炎かもしれない

 「夏風邪は長引く」と慣用句的に言われるが、診察室に来た高齢の患者が長引く発熱や咳の症状を訴えた時、急性上気道炎と決めてかかるのは危険かもしれない。6月30日、都内でファイザー株式会社がプレスセミナー「夏風邪かと思っていたら肺炎に!? 高齢者が注意すべき夏の呼吸器疾患の最新対策」を開催した。講演に登壇した杉山 温人氏(国立国際医療研究センター病院 呼吸器内科診療科長)は、「肺炎はワクチンで予防できる呼吸器疾患だが、当事者である高齢患者たちはワクチン接種の必要性を感じておらず、接種を勧めたい医療者の認識との間に大きな乖離がある」と述べた。

日本人うつ病患者、抗うつ薬維持量に影響する因子:静岡県立大

 うつ病の再発を防ぐためには、急性期の抑うつ症状を効果的に抑制する用量の抗うつ薬で、6ヵ月以上治療を継続するのが理想的である。しかし、治療反応を得たり維持するための抗うつ薬の用量は、個人間で異なる。静岡県立大学の井上 和幸氏らは、日本人うつ病患者を対象に維持期の抗うつ薬投与量における遺伝子多型を含む臨床的特徴の役割を調査した。Biological & pharmaceutical bulletin誌オンライン版2016年6月17日号の報告。

血圧と眼球後方の血行動態は関連している?

 高血圧症を合併する原発開放隅角緑内障(POAG)患者において、血圧は眼球後方の血行動態と関連しているのだろうか。セルビア・ベオグラード大学のIvan Marjanovic氏らは、外来患者を対象とした観察研究で、dipper型の高血圧症を有するPOAG患者では血圧と眼動脈の血管抵抗指数(resistivity index)が有意に関連しており、non-dipper型のPOAG患者と比較してdipper型で眼球後方の血行動態パラメータの低下がみられることを明らかにした。

入院中の心房細動発症、脳卒中と死亡リスクが増大

 入院中に心房細動を新規発症した患者の転帰は明らかにされておらず、同患者集団のマネジメントについて現行ガイドラインは特記していない。米国・アルベルト・アインシュタイン医学校のDaniele Massera氏らは、入院中に心房細動を新規発症した患者の大規模コホートを対象に、死亡および院内発症脳卒中の発症率を検討した。その結果、入院患者における心房細動の新規発症が、脳卒中の院内発症率と死亡率の増加に独立して関連していることを示した。Europace誌オンライン版2016年5月20日号掲載の報告。

統合失調症患者の入院、1日の気温差が影響

 気候変動の重要な指標である気温の日較差(DTR)は、健康に対する気温変動性の影響を評価するために使用されることが増えている。しかし、統合失調症に対するDTRの影響は、あまりわかっていない。中国・安徽医科大学のDesheng Zhao氏らは、DTRと統合失調症の入院との関連、さらに患者特性や試験期間によりこれらの関連が変化するかを検討した。The Science of the total environment誌オンライン版2016年6月16日号の報告。

wide QRS頻拍への対応、プロカインアミド vs. アミオダロン

 血行動態が保たれた心室頻拍の患者に対してはプロカインアミドとアミオダロンの静脈注射が選択肢となるが、どちらを使用するかについてはガイドラインでさえも明示していない。Mercedes Ortiz氏らは、血行動態の保たれたQRS幅が広い頻拍(心室頻拍の可能性が高い)に対するプロカインアミドおよびアミオダロンの有効性と安全性を評価するために、多施設共同無作為化非盲検試験を実施した。スペインからの報告で、European Heart Journal誌オンライン版2016年6月28日号に掲載された。