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抗精神病薬を処方された患者は本当に薬を服用しているのか?

Stephenson氏らは経口第二世代抗精神病薬を服用している患者について、医師が認識しているアドヒアランスと患者による薬局への薬剤請求から判定した実際のアドヒアランスを比較し、「医師が思っているよりも患者のアドヒアランスは良好でないため、再発予防も見据え適切な介入を行うことが重要である 」と結論づけた。本報告はInt J Clin Pract誌6月号(オンライン版5月11日号)に掲載された。

東日本大震災1年 透析患者移送その後の記録

財団法人ときわ会 常磐病院新村 浩明 2012年5月28日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 東日本大震災からすでに1年以上が経過しました。以前、この場をお借りして東日本大震災時の透析患者移送に関して報告させていただきました。(Vol.404 東日本大震災透析患者移送体験記 http://medg.jp/mt/2012/02/vol404.html)震災から1年を経過したのを機に、ときわ会グループのうち、震災時に透析移送にかかわった4施設(いわき泌尿器科、常磐病院、泉中央病院、富岡クリニック)において透析されていた方々のこの1年の経過をまとめてみましたのでここに報告したいと思います。

アログリプチンとメトホルミンの国内併用試験

 日本人2型糖尿病患者を対象に、メトホルミン+アログリプチン併用療法とメトホルミン単剤療法の有効性と安全性を比較した国内試験結果が発表された。関西電力病院の清野氏らによる研究で、Diabetes Obes Metab誌オンライン版に2012年5月14日掲載された。  対象は食事療法、運動療法に加えてメトホルミン(500 mg /日または750 mg /日)を追加しても血糖コントロールが不十分な日本人2型糖尿病患者288名。無作為二重盲検並行群間比較法により、メトホルミン投与に加え、アログリプチン(12.5 mg/日または25mg/日)またはプラセボを1日1回12週間投与した。

南相馬市立総合病院での初期研修について

 亀田総合病院初期研修医1年 山本 紘輝 2012年5月27日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 初めに、昨年起こった東北地方太平洋沖地震でお亡くなりになられた方にお悔やみ申し上げます。南相馬市立総合病院にて実習をおこなった経験から、当院における今後の研修の可能性について私見を述べさせて頂きます。

インタビュー:ときわ病院 精神神経科・内科 宮澤 仁朗氏 ~剤形から考える抗精神病薬の服薬アドヒアランス~

統合失調症治療では、患者が積極的に治療に参加することで服薬アドヒアランスの向上を促し、再燃・再発の抑制が期待できるといわれている。治療参加の方法の1つとして、患者自身による薬剤や剤形の選択があげられる。現在、抗精神病薬は各製品ごとに様々な剤形が販売されているが、2012年5月、非定型抗精神病薬のアリピプラゾール(製品名:エビリファイ)の新たな剤形として口腔内崩壊錠(以下、OD錠)が発売された。薬物治療の選択肢がさらに増えた現状を踏まえ、患者の剤形選択の現状や、今後の剤形開発に対する期待などについて、ときわ病院 精神科 宮澤仁朗氏にお話を伺った。宮澤氏はこれまでに、数々の抗精神病薬の治験に携わり、新しい剤形の開発時のアドバイザーとして活躍するなど、積極的に新薬に関する考察を述べられている。

糖尿病スクリーニングでは、空腹時血糖値とHbA1c値の両方測定が有効か?

2型糖尿病のスクリーニングにおいて、空腹時血糖値(FPG)単独、またはHbA1c値単独、あるいはその両方の測定、のいずれが有用かを比較検討した後ろ向きコホート研究の結果が発表された。帝京大学の野村氏らにより、PLos One誌(2012年4月27日付)に報告された。 対象は、ベースライン時点で糖尿病を発症していない19歳~69歳の9,322名の日本人成人(男性:4,786名、女性:4,536名)。有用性は、予測値(PV)、感度、特異性、最大カットオフ値における最大ROC曲線下面積(AUROC)により評価した。

ラベプラゾールは低用量アスピリンによる消化性潰瘍再発リスクを低減するか?:国内における前向き無作為化実薬対照試験結果

低用量アスピリンを使っている患者では、胃・十二指腸粘膜病変、上部消化管症状のリスクが上昇することが知られている。心血管または脳血管疾患に対して低用量アスピリンを服用している消化性潰瘍の既往歴がある261例を対象として、前向き無作為化実薬対照試験が行われた。試験結果から、ラベプラゾール(商品名:パリエットなど)はゲファルナート(商品名:ゲファニールなど)よりも、消化性潰瘍、食道炎、そして低用量アスピリンによる消化管症状の再発リスクを減らす効果が高いという結論が得られた。主要評価項目は12週目における胃・十二指腸潰瘍の累積発現率である。神戸 大学の佐貫氏らが「J Gastroenterol」誌オンライン版に4月17日に報告した。