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- 2024/12/20
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食事性Caを増やしても骨折予防せず/BMJ
食事性のカルシウム摂取増量が骨折を予防するとの臨床試験エビデンスはなく、食事性カルシウム摂取と骨折リスクは関連が認められないとの見解を、ニュージーランド・オークランド大学のMark J Bolland氏らが、システマティックレビューの結果、報告した。また、カルシウムサプリメントの骨折予防もエビデンスは弱く、一貫性がみられないと報告している。高齢男女には骨折予防として、1日少なくとも1,000~1,200mgのカルシウム摂取が推奨されている。多くの人がこの推奨達成のためにカルシウムサプリメントを服用しているが、最近の試験で、カルシウムサプリメント摂取の安全性に関する懸念が持ち上がった。そこで専門家はサプリメントではなく食事性のカルシウム摂取増量を奨励するようになったが、食事性カルシウム摂取増量の骨折予防効果については明らかになっていなかった。BMJ誌オンライン版2015年9月29日号掲載の報告。
収縮期血圧20mmHg上昇でPADリスク63%増大/BMJ
収縮期血圧値が標準よりも20mmHg高いと末梢動脈疾患(PAD)リスクは63%上昇することが、英国・オックスフォード大学のConnor A Emdin氏らによる大規模コホート研究の結果、示された。これまで、血圧上昇とPADリスク増大の関連に関するエビデンスは限定的なものであった。今回、研究グループは、23年間約420万人分の英国プライマリケアの電子カルテ記録を基に分析した。結果を踏まえて著者は、「血圧上昇は幅広い患者群の強いリスク因子である」と結論し、「臨床医は、PADは慢性腎臓病、虚血性心疾患、心不全、心房細動、脳卒中などその他の血管イベントのリスクを増大することを認識しなければならない」と述べている。BMJ誌オンライン版2015年9月29日号掲載の報告。
米国医薬関連企業の4割で、学術機関関係者を管理職に採用/BMJ
株式を上場する米国医療関連企業のうち、役員に医学部長や非営利病院の最高経営責任者(CEO)など、学術機関に関与する人を含んでいるのは、4割余りであることが判明した。また、そうした企業からの年間報酬額の中央値は、約20万ドル弱、供与された株式の中央値は5万株であるという。米国・ピッツバーグ大学医療センターのTimothy S. Anderson氏らが横断研究を行い、明らかにした。BMJ誌オンライン版2015年9月29日号掲載の報告。
経橈骨動脈PCIの被曝量、経大腿動脈よりわずかに多い/Lancet
診断冠動脈造影と経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行う際、経橈骨動脈アクセスのほうが経大腿動脈アクセスに比べ、透視時間やカーマ面積量は大きいことが示された。カナダ・Laval UniversityのGuillaume Plourde氏らが行った、システマティック・レビューとメタ解析の結果、明らかになった。経橈骨動脈アクセスによる心臓カテーテル術は、経大腿動脈アクセスに比べ、出血や血管合併症が少ないことが判明している。同グループは、今回の結果について、経橈骨動脈アクセスは経大腿動脈アクセスに比べ被曝量がわずかに多いが、透視時間は短縮傾向にあり、経橈骨動脈アクセスの臨床的効用を上回ることはないだろうと結論付けている。Lancet誌オンライン版2015年9月24日号掲載の報告より。
高齢の治療抵抗性うつ病、アリピプラゾール増強療法が有効/Lancet
高齢の治療抵抗性うつ病患者に対し、アリピプラゾールを用いた増強薬物療法が有効であることが、米国・ワシントン大学のEric J Lenze氏らの検討で示された。高齢者では、治療抵抗性の大うつ病の頻度が高く、生命を脅かす可能性があるが、増強薬物療法のベネフィットとリスクはほとんど知られていないという。アリピプラゾールは第2世代の非定型抗精神病薬で、18~65歳(平均年齢30歳)のうつ病患者において選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の増強療法として有効であることが報告されている。Lancet誌オンライン版2015年9月24日号掲載の報告。
重度肥満の男子で心血管代謝系リスクが増大/NEJM
小児および若年成人では、重度の肥満は心血管代謝系のリスク因子の保有率を増大させ、とくに男子でその傾向が強いことが、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のAsheley C Skinner氏らの検討で示された。近年、米国では小児・若年成人の重度肥満の有病率が上昇し、この年齢層の心血管および代謝系の健康状態への懸念が高まっているが、心血管代謝系のリスク因子の保有状況はよく知られていない。また、小児・若年成人では、過体重・肥満者はリスク因子の保有率が高いことが指摘されているが、従来の単一カテゴリーによる肥満分類では、肥満の多彩な重症度を説明するのは難しいという。NEJM誌2015年10月1日号掲載の報告。
非扁平上皮NSCLCの2次治療、ニボルマブがOS延長/NEJM
プラチナ製剤ベースの化学療法を行っても病勢が進行した非扁平上皮非小細胞肺がん(NSQ-NSCLC)の治療において、ニボルマブはドセタキセルに比べ、全生存期間(OS)を有意に延長することが、米国・フォックスチェイスがんセンターのHossein Borghaei氏らが行ったCheckMate 057試験で示された。NSCLCの2次治療では、新規薬剤であるペメトレキセドやエルロチニブは、標準治療薬であるドセタキセルよりも副作用プロファイルが良好だがOSの優越性は確認されていない。一方、完全ヒト型IgG4 PD-1免疫チェックポイント阻害抗体であるニボルマブは、第I相試験でNSCLCの全サブタイプで持続的な抗腫瘍効果と有望なOSが確認され、多くの前治療歴のある進行NSQ-NSCLCでは奏効率17.6%、1年OS 42%、3年OS 16%、1年無増悪生存率(PFS)18%と良好な成績が報告されている。NEJM誌オンライン版2015年9月27日号掲載の報告。
治療抵抗性高血圧、スピロノラクトン追加が有効/Lancet
スピロノラクトン(商品名:アルダクトンAほか)は、通常の降圧治療を受けている治療抵抗性高血圧患者への追加薬剤として高い効果を発揮することが、英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのBryan Williams氏らが実施したPATHWAY-2試験で確認された。国際的なガイドラインでは、3つの推奨降圧薬(ACE阻害薬/ARB、カルシウム拮抗薬、サイアザイド系利尿薬)の最大耐用量による治療でも、目標血圧でコントロールができない場合を治療抵抗性高血圧と定義している。スピロノラクトンは治療抵抗性高血圧に有効であることが、メタ解析で示唆されているが、既存のエビデンスの質は低いとされ、他の降圧薬と比較した試験はこれまでなかったという。Lancet誌オンライン版2015年9月20日号掲載の報告。
携帯メッセージでの生活習慣支援、LDL-C値改善に有効/JAMA
冠動脈疾患患者に対し、携帯電話を活用した生活習慣に焦点を合わせたテキストメッセージサービス介入で、大半のLDL-C値が改善し、その他の心血管疾患リスク因子も大きく改善したことが報告された。オーストラリア・シドニー大学のClara K. Chow氏らが通常ケア介入と比較した無作為化試験Tobacco, Exercise and Diet Messages(TEXT ME)の結果、報告した。ただし、示された結果について著者は、「改善効果の期間や、臨床的アウトカムに結び付くのかどうかはなお不明である」と述べ、さらなる検討の必要性を指摘している。JAMA誌2015年9月22/29日号掲載の報告より。
新システム人工膵臓、長期使用の有用性を確認/NEJM
クローズドループシステムの人工膵臓の、長期使用の有用性が報告された。1型糖尿病患者を対象とした検討で、これまでのセンサー併用型ポンプ療法と比較して血糖コントロールを改善し、低血糖の発生は低く、成人被験者では血糖値の低下に結びついたという。英国・ケンブリッジ大学のHood Thabit氏らが、小児・青年25例と成人33例を対象とした12週間使用について検討を行い報告した。在宅療法としてのクローズドループシステムの人工膵臓の長期使用の可能性、安全性および有効性については、これまで確認されていなかった。NEJM誌オンライン版2015年9月17日号掲載の報告。
カテーテル関連感染症、クロルヘキシジン消毒で大幅減/Lancet
カテーテル挿入前に、皮膚消毒をクロルヘキシジン・アルコールで行うと、ポビドンヨード・アルコールを使った場合に比べて、カテーテル関連感染症リスクは85%低下することが示された。フランス・CHU de PoitiersのOlivier Mimoz氏らが、2,546例を対象とした無作為化比較試験の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「血管内カテーテル関連感染症予防のためにも全例について、皮膚消毒はクロルヘキシジン・アルコールを用いるべきである」と述べている。Lancet誌オンライン版2015年9月17日号掲載の報告より。
アルツハイマー病の焦燥性興奮に新規配合薬が有望/JAMA
アルツハイマー病が疑われ焦燥性興奮を呈する患者に対し、開発中の配合薬デキストロメトルファン臭化水素酸塩+キニジン硫酸塩の10週間投与により、興奮症状の軽減が認められたことが報告された。米国・Cleveland Clinic Lou Ruvo Center for Brain HealthのJeffrey L. Cummings氏らが行った第II相臨床試験の結果、示された。全体的に忍容性も良好だったという。JAMA誌2015年9月22/29日号掲載の報告より。
子供の近視、外で遊ばせると予防できる?/JAMA
東アジアや東南アジアでは近視が増加しているが、中国・中山大学のMingguang He氏らは、小学1年生を対象としたクラスター無作為化試験により、小児の近視は屋外活動を増やすことで予防できる可能性があることを明らかにした。学校での屋外活動時間を1日40分追加することで、対照に比べ近視の累積発症率が有意に低下したという。著者は、「本研究に参加した小児の長期追跡調査と、今回の知見が一般化できるかさらなる試験が必要」とまとめている。JAMA誌2015年9月15日号の掲載報告。
子宮頸がん、新規ワクチンに治療効果の可能性/Lancet
HPV-16/18に関連する子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)に対し、HPV-16/18(E6/E7蛋白)を標的にする合成プラスミドVGX-3100を投与することで、病理組織学的な退縮がみられ、治療効果がある可能性が示された。米国・ジョンズホプキンス大学のCornelia L. Trimble氏らが、167例を対象に行った第IIb相のプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果、報告した。CINの治療は切除とされているが、切除では生殖性の罹患状態が長期に続く可能性がある。そこで研究グループは、VGX-3100ワクチンに対宿効果があるかどうかを調べた。Lancet誌オンライン版2015年9月16日号で発表した。
医薬品適応拡大申請時のエビデンス提示内容にばらつき/BMJ
米国FDAに対し医薬品の適応拡大を申請する際、その有効性に関するエビデンスとして提出した臨床試験の内容は、適応拡大申請の内容によってばらつきがあることが明らかになった。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のBo Wang氏らがシステマティックレビューの結果、明らかにした。具体的には、有効性について既存薬との比較を行っていたものは、新たな適応症を追加申請していたものでは30%、多剤併用から単独投与などへの変更では51%、適応対象集団の拡大では11%などだった。また、エンドポイントとして、臨床的アウトカムを採用した試験の割合にもばらつきが認められたという。BMJ誌オンライン版2015年9月23日号掲載の報告。
取り下げ論文では矛盾点のみられる頻度が高い/BMJ
英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのGraham D Cole氏らは、盲検化ケースコントロール試験により、取り下げ vs.非取り下げの臨床試験報告における矛盾点の出現頻度を調べた。その結果、取り下げ論文で、有意に多くの矛盾点が確認されたことを報告した。検討は取り下げの有無を知らされていない専門外のサイエンティストによって行われた。著者は「矛盾点は、信頼に値しない臨床試験報告を早期にかつすみやかに発見するシグナルといえそうだ」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年9月20日号掲載の報告。
中心静脈カテーテル挿入、鎖骨下静脈が低リスク/NEJM
中心静脈カテーテル(CVC)の挿入3部位別のリスクについて検討した結果、鎖骨下静脈へのカテーテル挿入が、内頸静脈または大腿静脈と比べて、血流感染および症候性血栓症のリスクが低いことが明らかにされた。気胸のリスクは高かった。フランス・CHU de CaenのJean-Jacques Parienti氏らが多施設共同無作為化試験の結果、報告した。CVCでは鎖骨下静脈、内頸静脈、大腿静脈の3部位への挿入が一般的に行われているが、いずれも重大合併症の可能性が指摘されていた。NEJM誌2015年9月24日号掲載の報告。
待機的THRより股関節骨折手術は死亡リスクが高い/JAMA
待機的人工股関節全置換術(THR)患者と比べて股関節骨折手術患者は、年齢、性別および術前併存疾患を補正後の術後院内死亡リスクが有意に高いことが明らかにされた。カナダ・マックマスター大学のYannick Le Manach氏らによる、フランスの大規模コホートを対象とした検討の結果、明らかにされた。股関節骨折手術後患者は、待機的THR患者と比べて死亡や重大合併症のリスクが高いことは知られていたが、この術後リスクの増大が、高年齢や併存疾患の影響を受けているかは不明であった。今回の検討で、死亡の相対リスクは5.88倍であったという。著者は、「さらなる検討により、この差の原因を明らかにする必要がある」と述べている。JAMA誌2015年9月15日号掲載の報告。
思春期うつ病、パロキセチンとイミプラミンの試験を再解析/BMJ
思春期大うつ病に対して、パロキセチンおよび高用量イミプラミンはいずれも有効性は示されず、有害性を増大することが明らかにされた。英国・バンガー大学のJoanna Le Noury氏らが、「SmithKline Beecham's Study 329」の再解析の結果、報告した。BMJ誌オンライン版2015年9月16日号掲載の報告。
乳児の細気管支炎、SpO2値90%でもアウトカム良好/Lancet
細気管支炎で入院した乳児の酸素飽和度(SpO2)目標値は、90%でも、94%とその治療効果や安全性は同等であることが判明した。英国・エジンバラ大学のSteve Cunningham氏らが細気管支炎の乳児615例を対象に行った、二重盲検無作為化同等性試験の結果、報告された。同目標値について、米国小児科学会やWHO(世界保健機構)では90%としている。しかし、その裏付けとなるエビデンスはなかった。Lancet誌2015年9月12日号掲載の報告より。