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- 2024/12/20
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ニボルマブ、未治療の悪性黒色腫に有効/NEJM
BRAF遺伝子変異のない悪性黒色腫患者の1次治療において、免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(商品名:オプジーボ)は、標準的化学療法薬ダカルバジン(同:ダカルバジン)に比べ1年生存率(OS)および無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが、フランス・Gustave Roussy研究所のCaroline Robert氏らの検討で示された。ニボルマブは、プログラム死1(PD-1)受容体と2つのリガンド(PD-L1、PD-L2)との相互作用を選択的に遮断する完全ヒト型抗PD-1モノクローナルIgG4抗体である。イピリムマブ抵抗性の悪性黒色腫を対象とした第III相試験において、ニボルマブは化学療法に比べ高い奏効率(32 vs. 11%)が確認されていた。NEJM誌オンライン版2014年11月16日号掲載の報告。
心房細動の脳卒中予防に左心耳閉鎖術が有効/JAMA
非弁膜症性心房細動(AF)への経皮的左心耳(LAA)閉鎖術は、脳卒中、全身性塞栓症、心血管死の複合エンドポイントについてワルファリン療法に対し非劣性であり、心血管死や全死因死亡を有意に抑制することが、米国・マウントサイナイ医科大学のVivek Y Reddy氏らが行ったPROTECT AF試験で示された。ワルファリンはAF患者の脳卒中予防に有効だが、狭い治療プロファイル、生涯にわたる凝固モニタリングの必要性、他剤や食事との相互作用という制限がある。LAAはAF患者における血栓の好発部位であり、これを機械的に閉鎖するアプローチ(WATCHMANデバイス)の開発が進められている。JAMA誌2014年11月19日号掲載の報告。
グラゾプレビル+エルバスビル、8週vs. 12週/Lancet
肝硬変なし未治療のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型単独感染患者およびHIV/HCV重複感染患者に対し、グラゾプレビル(grazoprevir、MK-5172)+エルバスビル(elbasvir、MK-8742)併用療法はリバビリン併用の有無を問わず、8週投与よりも12週投与が有効であることが判明した。米国・ジョンズホプキンス大学のMark Sulkowski氏らが第II相無作為化試験C-WORTHYの結果から報告した。グラゾプレビル+エルバスビル併用療法に関する検討はすでに、より大規模な第III相試験が行われている。著者は、「われわれの検討結果は、第III相試験の継続を支持するものであった」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年11月11日号掲載の報告より。
エゼチミブ、冠動脈疾患リスクを低下?/NEJM
米国・マサチューセッツ総合病院のSekar Kathiresan氏らMyocardial Infarction Genetics Consortium Investigatorsは、エゼチミブ(商品名:ゼチーア)のLDLコレステロール(LDL-C)値低下作用に関わるNiemann-Pick C1-like 1(NPC1L1)タンパク質に着目し、同タンパク質を不活化する突然変異遺伝子を有している人と有していない人を比較した。結果、前者のほうがLDL-C値および冠動脈疾患リスクとの関連が、いずれも有意に低かったことが判明したという。NEJM誌オンライン版2014年11月12日号掲載の報告より。
肝移植後HCVへのIFNフリーレジメンの検討/NEJM
肝移植後の再発C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型感染症患者に対し、インターフェロンを用いない、NS5A阻害薬オムビタスビル+リトナビル・ブースト・プロテアーゼ阻害薬ABT-450(ABT-450/r)+非ヌクレオチド系NS5Bポリメラーゼ阻害薬ダサブビル+リバビリンの24週治療は、治療後のウイルス学的著効(SVR)が12週後、24週後ともに97%を示し、有効であることが示された。米国・インディアナ大学のPaul Y. Kwo氏らが、患者34例を対象とした試験で明らかにした。今回試験対象とした移植後再発患者は、従来の標準治療レジメンでは、治療反応率は13~43%に留まっていたという。NEJM誌オンライン版2014年11月11日号掲載の報告より。
妊婦への3種混合ワクチン、早産リスクと関連せず/JAMA
妊娠中に破傷風・弱毒化ジフテリア・無菌体百日咳3種混合ワクチン(Tdap)を接種しても、早産や在胎週数不当軽量児(SGA)、妊娠高血圧症の発生リスクは増大しないことが明らかにされた。一方で、絨毛羊膜炎リスクが、接種群で2割弱の増大が認められたという。米国・HealthPartners Institute for Education and ResearchのElyse O. Kharbanda氏らが、単胎生児を出産した12万超の女性について行った検討で明らかにした。米国では2011年、米国疾病管理予防センター(CDC)の予防接種の実施に関する諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices)が、Tdap未接種の妊婦に対し、妊娠20週以降の同接種を勧告している。JAMA誌2014年11月12日号掲載の報告より。
HCV経口レジメン、グラゾプレビル+エルバスビル第II相試験/Lancet
C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型感染症へのグラゾプレビル(grazoprevir、MK-5172)+エルバスビル(elbasvir、MK-8742)併用療法は、リバビリンの追加併用を問わず、未治療の肝硬変併存患者、ペグインターフェロン+リバビリン(PR-null)既治療が有効であった肝硬変併存患者または非併存患者において、12週投与、18週投与ともに高い効果を示したことが、米国・テキサス大学健康科学センターのEric Lawitz氏らによる第II相非盲検無作為化試験の結果、報告された。Lawitz氏は、「結果は第III相の試験実施を裏付けるものであった」と述べている。Lancet誌オンライン版2014年11月11日号掲載の報告より。
ホスピスが入院や医療コストを抑制/JAMA
米国の終末期がん患者のうちホスピスケアの利用者は非利用者に比べ、入院やICU入室、侵襲的手技の施行が少なく、医療コストも抑制されることが、ブリガム&ウィメンズ病院のZiad Obermeyer氏らの調査で示された。近年、米国ではがん患者のホスピス利用が増えている一方、ホスピス外でのケアの増加や入所期間が短縮しているが、ホスピスが保健医療の活用に及ぼす影響や、医療コストがホスピス利用に与える影響は明らかにされていなかった。JAMA誌2014年11月12日号掲載の報告。
肺炎球菌ワクチン導入で直接および間接的な効果/NEJM
南アフリカ共和国では、2009年に小児への7価肺炎球菌ワクチン(PCV7)定期接種が導入され、2011年からはPCV7に代わりPCV13の定期接種が行われている。同国National Health Laboratory Service(NHLS)のAnne von Gottberg氏らは、ワクチン定期接種導入前後の侵襲性肺炎球菌感染症発症の変化を調べた。その結果、2歳未満児と22~45歳の年齢群での効果が最も大きく、それぞれPCV7タイプの肺炎球菌髄膜炎の減少は89%、57%であったことなどを報告した。NEJM誌2014年11月13日号(オンライン版2014年11月11日号)掲載の報告より。
NASHへのオベチコール酸、組織所見は改善するが…/Lancet
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療において、オベチコール酸による組織所見の改善率はプラセボの約2倍に達するが、その効果はNASH診断例を減少させるには十分でないことが、米国セントルイス大学のBrent A Neuschwander-Tetri氏らNASH Clinical Research Networkが行ったFLINT試験で示された。ファルネソイドX受容体は肝臓の脂肪や線維化を抑制することが、脂肪性肝疾患の動物モデルで確認されている。胆汁酸誘導体で、ファルネソイドX受容体のリガンドである6-エチルケノデオキシコール酸(オベチコール酸)は、この受容体のアクチベータである可能性が示唆されている。Lancet誌オンライン版2014年11月7日号掲載の報告。
低線量CT肺がん検診の費用対効果/NEJM
低線量CTによる肺がん検診の増分費用対効果(ICER)について調べたところ、獲得生存年1年当たり5万2,000ドル、1QALY当たり8万1,000ドルと推定されることが示された。一方で、サブグループ分析や感度分析では、そのICERに大幅なばらつきが認められたという。米国・Geisel School of Medicine at DartmouthのWilliam C. Black氏らが、全米肺スクリーニング試験(NLST)のデータを基に検討し明らかにした。NLSTの結果からは、低線量CTによる肺がん検診は、胸部X線検診に比べて、肺がん死亡率を低下することが示されている。NEJM誌2014年11月6日号掲載の報告より。
新世代ステント、ベアメタルに比べリスクを3~6割減少/BMJ
エベロリムス溶出性コバルトクロムステントは、ベアメタルステントに比べ、心臓死や心筋梗塞、ステント血栓症などの発生リスクを約3~6割超減少することが明らかにされた。オランダ・エラスムス大学医療センターのMarco Valgimigli氏らが、5件の無作為化比較試験、被験者総数4,896例を組み込んだ患者レベルのメタ解析の結果、報告した。これまでの試験結果では、新世代の薬剤溶出ステントと第一世代溶出ステントを比較したものが大部分で、ベアメタルステントとの比較試験は少なく、両者のアウトカム比較は十分ではなかったという。BMJ誌オンライン版2014年11月4日号掲載の報告より。
エタネルセプト+MTX、漸減療法が有効/NEJM
最最大投与量のエタネルセプト(商品名:エンブレル)+メトトレキサート(MTX)併用治療により寛解が得られた早期関節リウマチ(RA)患者について、同併用療法を減量継続投与したほうが、投与を中断したりMTX単独に切り替えたりするよりも、寛解維持が長期化するなど良好な結果に結び付くことが明らかにされた。ただしX線所見上での疾患進行に有意差はみられなかった。英国・リーズ大学のPaul Emery氏らがヨーロッパとアジア57施設で行った第III相無作為化試験の結果、明らかにされた。NEJM誌2014年11月6日号掲載の報告より。
RA系阻害薬服用高齢者、ST合剤併用で突然死リスク1.38倍/BMJ
ACE阻害薬またはARBのRA系阻害薬服用中の高齢患者では、経口ST合剤(トリメトプリム+スルファメトキサゾール)は突然死のリスクを増大することが、カナダ・トロント大学のMichael Fralick氏らによる住民ベースのコホート内症例対照研究の結果、明らかにされた。著者らは、同リスクの増大は、ST合剤により誘発された高カリウム血症によるものと推測され、高カリウム血症リスクの重大性を認識していなかったことに起因する可能性を指摘した。所見を踏まえて著者は「ACE阻害薬やARB服用中の患者が抗菌薬投与を必要とする際、担当医師は、トリメトプリムを含有しない抗菌薬を選択するか、トリメトプリムベースの治療を続けるにしても用量や投与期間を制限するとともに血清カリウム値のモニタリングを密に行うべきである」と提言している。BMJ誌オンライン版2014年10月30日号掲載の報告より。
リツキシマブ維持療法、ANCA関連血管炎に有効/NEJM
抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の治療において、リツキシマブ(商品名:リツキサン)はアザチオプリン(同:アザニン、イムラン)に比べ良好な寛解維持をもたらすことが、フランス・コシャン病院のL. Guillevin氏らが行ったMAINRITSAN試験で示された。主なANCA関連血管炎として、多発血管炎性肉芽腫症(以前はウェゲナー肉芽腫症と呼ばれた)、顕微鏡的多発血管炎、腎限局型ANCA関連血管炎があり、患者の多くはシクロホスファミドとグルココルチコイドの併用療法により寛解に至るが、アザチオプリンやメトトレキサートによる維持療法を行った場合でも、依然として再燃率が高い。リツキシマブ維持療法の有効性は示唆されているが、いまだ十分な検討は行われていない。NEJM誌2014年11月6日号掲載の報告。
非閉塞性CADでも1年MI・死亡リスク高い/JAMA
非閉塞性冠動脈疾患(CAD)患者は、明らかな病変を認めない不顕性CAD群と比べて、1年心筋梗塞(MI)リスクや全死因死亡リスクが有意に高く、そのリスクは病変血管数が多いほど増大することが判明した。米国・デンバー退役軍人医療センターのThomas M. Maddox氏らが、過去5年に待機的冠動脈造影検査を受けた3万7,674例について後ろ向き分析を行い報告した。非閉塞性CAD患者は、同検査を受けた10~25%で認められると報告されているが、これまでその有害アウトカムに対するリスクについてはほとんどわかっていなかった。著者は、「今回の所見は非閉塞性CADの臨床的重大性を示すものであり、同患者のアウトカム改善介入についてさらなる検討の実施を裏づけるものであった」とまとめている。JAMA誌2014年11月5日号掲載の報告。
抗CTLA-4抗体+GM-CSF、転移性悪性黒色腫に有効/JAMA
転移性悪性黒色腫の治療において、イピリムマブ(承認申請中)+サルグラモスチム(sargramostim、国内未承認)併用療法は、イピリムマブ単独に比べ全生存期間(OS)を延長し、有害事象も少ないことが、米国・ダナファーバーがん研究所のF Stephen Hodi氏らの検討で示された。顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)は、抗原提示細胞である樹状細胞の活性を増強し、TおよびBリンパ球性抗腫瘍効果を促進するサイトカインであり、サルグラモスチムはイースト菌由来の遺伝子組み換えヒトGM-CSF製剤である。また、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)はTリンパ球活性を抑制する免疫チェックポイントであり、イピリムマブはCTLA-4を阻害する完全ヒトIgG1モノクローナル抗体である。CTLA-4遮断薬とGM-CSF分泌腫瘍ワクチンを併用すると相乗的な抗腫瘍効果が得られることが前臨床研究で確認されている。JAMA誌2014年11月5日号掲載の報告。
肥満者の降圧治療、心血管効果に差はない/Lancet
降圧治療の心血管イベントへの影響は、痩せている患者と肥満患者で、降圧薬の選択によって大きく変わることはほとんどないことが示された。オーストラリア・シドニー大学のAndrew Ying氏らが、無作為化試験22試験・13万5,715例の被験者データをメタ解析した結果、報告した。本検討は、標準体重の人と比べて肥満者の降圧による心血管ベネフィットが、選択した薬によって異なるのではないかとの仮説に基づき行われたものであった。Lancet誌オンライン版2014年11月4日号掲載の報告より。
非ST上昇型ACSへのチエノピリジン、出血リスク3割増/BMJ
非ST上昇型急性冠症候群(ACS)に対する、P2Y12受容体阻害薬のチエノピリジン系薬による前処置は、その治療戦略の種類にかかわらず、死亡率低下の効果はなく、逆に大出血リスクを3割程度増大させることが、フランス・フォンテーヌ病院のAnne Bellemain-Appaix氏らによる、7件の試験について行ったメタ解析の結果、示された。結果を踏まえて著者は、非ST上昇型ACSでの入院患者に対する、システマティックなP2Y12受容体阻害薬による前処置については、臨床ガイドラインも含め見直しが必要のようだと指摘している。BMJ誌オンライン版10月24日号で発表した。
携帯電話で服薬リマインド、効果は?/BMJ
HIV感染患者を対象に、抗レトロウイルス療法(ART)の開始にあたって携帯電話を使った治療薬服用に関するリマインドの介入を行ったが、治療効果を示すウイルス学的失敗までの時間や同発生率について、非介入との差は示されなかった。また、治療薬のアドヒアランスへの効果も認められなかった。インド・St John’s Medical College HospitalのAnita Shet氏らが、631例のHIV感染患者について行った無作為化比較試験の結果、報告した。BMJ誌オンライン版2014年11月6日号掲載の報告より。