成人ダウン症の認知症に、抗アルツハイマー病薬は有効か?

成人ダウン症患者の認知機能障害や認知症に対し、アルツハイマー病治療薬のメマンチン(商品名:メマリー)は効果を示さないことが、英キングス・カレッジ・ロンドンのMarisa Hanney氏らが行ったMEADOWS試験で示された。ダウン症患者のアルツハイマー病発症率はきわめて高く、40歳以上になると多くにアルツハイマー病に特徴的な病理学的な変化がみられるという。N-メチル-D-アスパラギン酸型(NMDA)グルタミン酸受容体拮抗薬であるメマンチンは、ダウン症の遺伝子導入マウスモデルで有効性が示されているが、ダウン症患者に対するアルツハイマー病治療薬の投与を支持するエビデンスは十分ではない。Lancet誌2012年2月11日号(オンライン版2012年1月10日号)掲載の報告。