小児脱水への急速補液、標準補液以上の臨床ベネフィット認められず

小児胃腸炎に伴う脱水への点滴による水分補給について、急速補液(60mL/kg)が標準補液(20mL/kg)よりも臨床ベネフィットがあるとは認められないことが報告された。急速補液は、エビデンスは不十分だが有効だとして臨床診療に組み込まれており、救急医学の主要な教科書で推奨されている。しかし、リスクが伴う処置であり、最近のアフリカの発熱を呈した小児を対象としたボーラス救急蘇生試験では死亡増大のため試験が早期中止となった。またリスク回避のため事前に電解質測定の必要性が示唆されているが、米国小児救急医療の現場で同測定をルーチンに行っている医師は30%と報告されている。こうしたことから、カナダ・トロント小児科病院のStephen B Freedman氏らは、急速補液が標準補液と比べて臨床的に意義あるアウトカム改善児の増大に寄与するのか評価を行った。BMJ誌2011年12月10日号(オンライン版2011年11月17日号)掲載報告より。