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- 2024/12/20
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iFRガイドPCI、FFRガイドに比べ非劣性/NEJM
安定狭心症または急性冠症候群(ACS)の患者に対し、iFR(instantaneous wave-free ratio:瞬時血流予備量比)ガイド下の血行再建術は、FFR(fractional flow reserve:冠血流予備量比)ガイド下に比べ、術後12ヵ月以内の主要有害心イベント(MACE)発生リスクは非劣性であることが示された。スウェーデン・ルンド大学のMatthias Gotberg氏らが、2,037例の患者を対象に行った無作為化比較試験の結果、明らかにした。これまでに、小規模試験でiFRとFFRの診断精度が同等であることは明らかになっているものの、iFRとFFRガイド下での血行再建術に関する臨床アウトカムについては不明であった。NEJM誌オンライン版2017年3月18日号掲載の報告。
乳製品摂取増と高血圧リスク低下は関連せず/BMJ
乳製品の1日摂取量と収縮期血圧・高血圧症リスクについて、逆相関の関連は認められないことが、遺伝子レベルで検討した無作為化試験の結果、示された。これまでの観察研究で、乳製品の摂取量と収縮期血圧や高血圧症リスクの低下との関連が示されていたが、その因果関係については不明だった。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のMing Ding氏らによる検討で、BMJ誌2017年3月16日号で発表された。
中国2億人の調査が示すPM10の死亡への影響/BMJ
中国における粒子状大気汚染の死亡への影響を調べた大規模調査の報告が、中国疾病予防センター(CCDC)のPeng Yin氏らにより発表された。38の大都市の人口2億人超について調べたもので、疾患別死亡でみると、呼吸器・循環器疾患の死亡への影響が他の疾患死への影響と比べてより大きく、60歳未満と比べて60歳以上のほうが粒子状大気汚染の死亡への影響を強く受けていることが示された。また、そうした影響は都市間でばらつきがみられ、人口規模の大きな都市のほうが影響は小さく、南部にある都市と比べると北部にある都市のほうが均等に影響を受けていることも明らかにされた。これまで中国では大気汚染の影響への関心は高かったが、複数都市を対象とした分析調査はほとんど行われていなかったという。BMJ誌2017年3月14日号掲載の報告。
オピオイドとベンゾジアゼピンの併用はリスクか?/BMJ
米国・スタンフォード大学のEric C Sun氏らは、民間医療保険の支払いデータから、オピオイドとベンゾジアゼピン系薬の併用使用の傾向、および併用使用とオピオイド過剰摂取との関連を調べるレトロスペクティブな分析を行った。その結果、2001~13年の間に両薬の併用は1.8倍に急増しており、併用がオピオイド過剰摂取の全リスクに有意に関与していることが明らかになったと報告した。多くの国で、処方オピオイドの使用増大と、その結果としてオピオイド中毒や過剰摂取が起きている可能性が公衆衛生上の懸念として増している。米国では、オピオイドの致死的過剰摂取の30%でベンゾジアゼピン系薬の併用が認められており、同併用の増大がオピオイド関連死の増大を招いているのではないかと懸念されている。しかし、これまでに行われたオピオイドとベンゾジアゼピン系薬の併用に関する試験は退役軍人を対象としたもので、一般集団である民間保険加入者の使用傾向や影響については明らかにされていなかったという。BMJ誌2017年3月14日号掲載の報告。
人工膝関節全置換術後の入院リハビリは必要か/JAMA
人工膝関節全置換術(TKA)後に入院リハビリテーションを行っても、最初から在宅プログラムを開始した場合に比べ、26週後のモビリティは改善しないことが、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のMark A Buhagiar氏らが実施したHIHO試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年3月14日号に掲載された。入院プログラムなどの形式化されたリハビリテーションプログラムは、TKAを受けた患者の至適な回復法と見なされることが多いが、外来や自宅でのプログラムとの比較は行われていないという。
脳卒中発症AF患者の8割強、適切な抗凝固療法を受けず/JAMA
抗血栓療法は心房細動患者の脳卒中を予防するが、地域診療では十分に活用されていないことも多いという。米国・デューク大学医療センターのYing Xian氏らPROSPER試験の研究グループは、急性虚血性脳卒中を発症した心房細動患者約9万5,000例を調査し、脳卒中発症前に適切な経口抗凝固療法を受けていたのは16%に過ぎず、30%は抗血栓療法をまったく受けていない実態を明らかにした。JAMA誌2017年3月14日号掲載の報告。
PCI後のDAPT期間決定に有用な新規出血リスクスコア/Lancet
スイス・ベルン大学のFrancesco Costa氏らは、簡易な5項目(年齢、クレアチニンクリアランス、ヘモグロビン、白血球数、特発性出血の既往)を用いる新しい出血リスクスコア「PRECISE-DAPTスコア」を開発し、検証の結果、このスコアが抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)中の院外での出血を予測する標準化ツールとなりうることを報告した。著者は、「包括的に臨床評価を行う状況において、このツールはDAPT期間を臨床的に決める支援をすることができるだろう」とまとめている。アスピリン+P2Y12阻害薬によるDAPTは、PCI後の虚血イベントを予防する一方で、出血リスクを高める。ガイドラインでは、治療期間を選択する前に出血リスクの高さを評価することを推奨しているが、そのための標準化ツールはこれまでなかった。Lancet誌2017年3月11日号掲載の報告。
短期放射線+テモゾロミド、高齢膠芽腫患者の生存を延長/NEJM
高齢の膠芽腫患者に対する短期放射線療法+テモゾロミドは、短期放射線療法単独と比較して生存期間を延長させることが、カナダ・オデットがんセンターのJames R Perry氏らによる、65歳以上の初発膠芽腫患者を対象とした第III相無作為化試験の結果、明らかになった。膠芽腫は高齢が予後不良因子となる。これまでの研究では、標準放射線療法(60Gy/6週間)+テモゾロミド追加投与により、70歳以下の患者で生存期間の延長が示されていた。一方、高齢患者には短期放射線療法が用いられることも少なくないが、短期放射線療法+テモゾロミド併用の有効性は不明であった。NEJM誌2017年3月16日号掲載の報告。
試験登録されたRCTはポジティブな結果となるのか?/BMJ
無作為化比較試験の臨床試験レジストリへの登録の有無と、試験結果が肯定的であるかどうかについては、ほとんど関連がないとの研究結果が示された。登録時期の違いでみた場合も関連は認められないという。また、試験の資金提供が企業か非企業かの違いによる推定相対リスクは不明確であった。英国・オックスフォード大学のAyodele Odutayo氏らが、約600件の無作為化比較試験について調査した結果で、BMJ誌2017年3月14日号で発表した。
RAS阻害薬によるクレアチニン値増加、30%未満でもリスク/BMJ
RAS阻害薬(ACE阻害薬またはARB)服用開始後のクレアチニン値の上昇は、ガイドラインで閾値とされる増大幅が30%未満であっても、末期腎不全や心筋梗塞などの心・腎臓有害イベントや死亡リスクが漸増する関連があることが明らかにされた。クレアチニン値10%未満との比較で、10~19%の増加で死亡リスクは約1.2倍に、20~29%の増加で約1.4倍に増大することが示されたという。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学校のMorten Schmidt氏らが、RAS阻害薬(ACE阻害薬・ARB)の服用を開始した12万例超について行ったコホート試験の結果、明らかにした。BMJ誌2017年3月9日号掲載の報告。
妊婦の肥満、子の脳性麻痺と関連?/JAMA
母親の過体重や肥満は、早産、新生児仮死関連合併症、先天奇形のリスクを増加させ、これらの病態が新生児の脳性麻痺と関連することが知られているが、母親の過体重、肥満の重症度と子の脳性麻痺の直接的な関連やそのメカニズムは不明とされる。この問題を解明するために、米国・ミシガン大学/スウェーデン・カロリンスカ研究所のEduardo Villamor氏ら研究グループは、地域住民をベースとするレトロスペクティブなコホート研究を実施した。研究の成果は、JAMA誌2017年3月7日号に掲載された。
ネズミ由来の小児喘息に総合的有害生物管理は有効か/JAMA
米国では、ネズミのまん延が、都市近郊の低所得層居住区に特有の問題となっており、ネズミに感作した喘息児がネズミ由来アレルゲンに曝露すると、感作あるいは曝露がない患児に比べ喘息症状の発現頻度が高いとの報告がある。また、専門家が行う総合的有害生物管理(integrated pest management:IPM)による介入は、ネズミ由来アレルゲン濃度を低下させることが知られている。そこで、米国・ジョンズ・ホプキンス大学のElizabeth C Matsui氏ら研究グループは、有害生物管理教育へのIPMの併用による喘息症状の抑制効果を検証する無作為化臨床試験(MAAIT試験)を行った。研究の成果は、JAMA誌2017年3月6日号に掲載された。
大腿骨頚部骨折の再手術率は固定法で異なるか? /Lancet
大腿骨頚部骨折の手術後に再手術となることが多いが、これは骨折部の固定法に関連しているのか。カナダ・マックマスター大学のMohit Bhandari氏らFAITH研究チームが、国際多施設共同無作為化試験にて、再手術のリスクとしてsliding hip screw法 vs.cancellous screws法の比較検討と、その他キーとなるアウトカムについて調べた。その結果、固定法の違いに有意差はなかったが、喫煙・転位または基部骨折の患者群ではsliding hip screw法を用いるほうがよい可能性が示されたという。Lancet誌オンライン版2017年3月2日号掲載の報告。
小児クローン病の合併症予測モデル、治療選択肢も示唆/Lancet
新規発症クローン病小児患者の合併症(狭窄や穿孔)リスクの予測モデルが、米国・エモリー大学のSubra Kugathasan氏らによって示された。小児および成人クローン病患者において狭窄や穿孔といった合併症を罹患する頻度は高く、医療コスト増の要因にもなっている。これまでに確証されたモデルはなく、合併症リスクへの有効な治療も知られていなかったが、今回のモデル開発で、抗TNFα治療の選択肢が有効であることも示されている。Lancet誌オンライン版2017年3月1日号掲載の報告。
看護師主導のケアモデルがインスリン導入を促進/BMJ
看護師主導の新たなケアモデル「Stepping Upモデル」により、プライマリケアにおけるインスリン導入率が増加し、精神的安定が維持されHbA1cが改善することが示された。オーストラリア・メルボルン大学のJohn Furler氏らが、2型糖尿病患者のインスリン導入標準化と血糖コントロール改善のため、Stepping Upモデルの有効性を通常ケアと比較した無作為化試験の結果、報告した。2型糖尿病において早期に血糖コントロール目標を達成し維持することは、長期予後を改善するが、プライマリケアにおいては段階的な治療の強化、とくにインスリン導入に対する障壁があり、介入には限界があった。BMJ誌2017年3月8日号掲載の報告。
冠動脈疾患に、ヘテロ接合体LPL遺伝子変異が関与/JAMA
リポ蛋白リパーゼ(LPL)遺伝子の稀有な機能障害性変異(ヘテロ接合体)は、トリグリセライド高値および冠動脈疾患(CAD)と有意に関連していることが、米国・マサチューセッツ総合病院のAmit V Khera氏らによる横断的研究の結果、明らかとなった。LPLの活性は、トリグリセライドが豊富なリポ蛋白が血中で代謝される際の律速段階に寄与する。そのためLPL遺伝子の機能障害性変異は、終生にわたり酵素活性不足をもたらし、ヒトの疾患に関与する可能性が推察されるが、両者の関連はこれまで確認されていなかった。著者は、「今後、ヘテロ接合体によるLPL欠損症がCADの原因となる機序があるかどうかをさらに検証する必要がある」とまとめている。JAMA誌オンライン版2017年3月7日号掲載の報告。
水疱性類天疱瘡へのドキシサイクリン vs.標準治療/Lancet
水疱性類天疱瘡へのドキシサイクリン投与は、標準治療のプレドニゾロン投与と比べ、短期間での水疱コントロール効果について非劣性であることが示された。さらに安全性については、プレドニゾロン投与に比べ重篤な有害事象リスクが有意に低かった。英国・ノッティンガム大学のHywel C Williams氏らが、253例を対象に行った非劣性無作為化比較試験の結果、明らかにし、Lancet誌オンライン版2017年3月6日号で発表した。
米国の心臓病・脳卒中・糖尿病死の5割が食事に問題/JAMA
ナトリウムや多価不飽和脂肪酸、ナッツ類、砂糖入り飲料、赤身肉などの不適切量摂取が、心臓病や2型糖尿病といった心血管代謝疾患による死因の約45%を占めることが、米国成人を対象に行った大規模試験の国民健康・栄養調査(NHANES)の結果、明らかにされた。米国・タフツ大学のRenata Micha氏らによる検討で、JAMA誌2017年3月7日号で発表した。米国の個人レベルでの食事因子と特異的心臓病などとの関連については、これまで十分な検討は行われていなかった。
小児がんサバイバー、放射線治療減少で新生物リスク低下/JAMA
1990年代に診断を受けた小児がんサバイバーの初回診断後15年時の悪性腫瘍のリスクは、上昇してはいるものの、1970年代に診断されたサバイバーに比べると低くなっており、その主な要因は放射線治療の照射線量の減少であることが、米国・ミネソタ大学のLucie M Turcotte氏らの調査で明らかとなった。同氏らは、「現在も続けられている長期の治療毒性の軽減に向けた取り組みが、サバイバーの新生物罹患リスクの低減をもたらしている」と指摘する。JAMA誌2017年2月28日号掲載の報告。
妊娠中の潜在性甲状腺疾患治療は児のIQを改善するか/NEJM
妊娠8~20週の妊婦の潜在性甲状腺機能低下症または低サイロキシン血症に、甲状腺ホルモン補充療法を行っても、児の5歳までの認知アウトカムは改善しないことが、米国・テキサス大学サウスウェスタン医療センターのBrian M Casey氏らの検討で示された。妊娠中の潜在性甲状腺疾患は、児のIQが正常値より低いなどの有害なアウトカムに関連する可能性が指摘されている。レボチロキシンは、3歳児の認知機能を改善しないとのエビデンス(CATS試験)があるにもかかわらず、欧米のいくつかのガイドラインではいまだに推奨されているという。NEJM誌2017年3月2日号掲載の報告。